主要ながん検診に寿命延長効果はない

令和5年11月10日
オスロ大学(ノルウエー)健康社会研究所のMichael Bretthauer氏らは、マンモグラフィや大腸内視鏡検査などの代表的ながんスクリーニング検査(以下、がん検診)を受けても、大部分は寿命の延長に寄与しないとするメタアナリシスの結果を報告した。
Bretthauer氏らはMEDLINEとコクランライブラリーからがん検診に関する追跡期間が9年以上のRCTを18件(対象者211万人余り)抽出し検討した。がん検診は、乳がんのマンモグラフィ、大腸がんの全内視鏡検査・S状結腸内視鏡検査・便潜血検査、前立腺がんのPSA検査、現喫煙者または元喫煙者を対象とした肺がんの胸部CT検査の6種類についておこなった。
解析の結果、6種類のがん検診の中でS状結腸内視鏡検査以外のがん検診では、検診を受けた人と受けなかった人との間で寿命の延長に有意差が認められないことが明らかになった。また、有意差の認められたS状結腸内視鏡検査でも、その延長期間はわずか3か月程度に過ぎないことも示された。
こんな報告を見ると、がん検診が果たして有用なのだろうか思ってしまう。まさに故近藤誠医師の主張と重なる。やはり氏は素晴らしい人だった。