令和8年5月14日
連休明けの日曜日、5月10日(日)は広島市の当番医のため開院していた。1日の来院数はわずか6人、いつも言っているように産婦人科の当番はいらないと思った。なぜなら最も必要な妊娠中の異変は分娩予定の医院がみてくれるし、手術が必要な緊急の場合は救急病院が担当するからだ。そうはいっても28年間、年に2~3回は当番医を務めてきたのだがもうあきらめている。産婦人科以外の科は当番では数十人以上来院していて、普段患者さんの少ない医院もやりがいがあるだろう。
その暇な時間は読書か音楽鑑賞である。今回は懐かしいロバート・ショウ合唱団の「黒人霊歌」を聞いた。この合唱団は1,948年指揮者ロバート・ショウによって組織されたアメリカの合唱団で、短期間で素晴らしい合唱団になり1,966年に解散するまで世界各地で数々の名演奏を行った。その頃の音源がいまでも多くの人の心を打つ。「ディープ・リバー」「ドライ・ボーンズ」「誰も知らない私の悩み」「静まれ、人々」など何度聞いてもその魅力に取り込まれる。大学時代に初めて聴いて早速レコードを買って何度聞いたことだろう。その後CDが発売されてそれもそろえた。今まで聞いた中では一番だと思う。いいものは時代を超えるのだと思った。
カテゴリー 好きなもの
「黒人霊歌」ロバート・ショウ合唱団
鉛筆画 大森浩平展
令和8年4月28日
島根県江津市の「今井美術館」で鉛筆画の大森浩平展が開かれていることをテレビで知り、鉛筆だけで描かれた作品の精巧さに驚いて出かけてみた。初めての場所だったが、車で1時間半くらいの距離で結構人が来ていたが、その作品のすばらしさに驚いた。ケント紙に鉛筆で作画する様をビデオで流していたが、ほぼフリーハンドで描いたものは、写真で写したのかと思われるほどに形・質感が伝わってくる。腕時計、コカコーラ、ボルトとナット、缶ビール、食べかけの板チョコ、人物像などが展示されていたがどれも完成度が高く、よくぞここまでと驚いた。
大森氏は岡山市生まれで現在31歳、20歳のときに瀬戸内市立美術館でセラミックデザイン原画とデッサン展を開いている。おそらく小さい頃から絵が好きで上手だったのだろう。アートは才能が一番で、その上でたゆまぬ努力によって花開くのだと改めて思ったことである。
「読むこと考えること」
令和8年3月13日(金)
表題は養老孟司氏の著作で、小説推理に連載された「ミステリー中毒」から抜粋加筆したものである。氏の読書を通じて日ごろからの考え方や行動、生活などをエッセイ風に記していてじつに面白い。読みやすく、しかも深い内容がサラッと書いてあり、その魅力が余すところなく感じられる。まさに現代の「孟子」である。なんでも氏の母親が「孟子」にちなんで「孟司」と名付けたという。まさにその通りで、氏の著書はどれもよく売れているらしい。自分を始め多くのファンがいて、新しい著書が発売されると購入するのだろう。氏は昆虫が好きで虫捕りに台湾や東南アジアに行く。もちろん国内でも時間があれば虫捕りに行き、採取した虫の標本をつくる。その合間に講演をしたり、いろんな会の会長をさせられたり、もちろん本も書く。まさに融通無碍の生き方をしているようだ。ご高齢なので、一日でも長く活躍していただきたいものである。
週刊新潮70周年
令和8年2月27日
いつも読んでいる週刊新潮が発刊70周年を迎えた。週刊誌と言えば「ポスト」「文春」「平凡パンチ」「実話」他、あまたの雑誌が刊行されたが、結局愛読しているのは「新潮」だけである。「新潮」を愛読している9人の著名人が寄稿しているがすべてお年寄りばかりである。一番若いのが石原良純氏(61歳)である。自分を含め年寄の好む雑誌なのだろう。
面白いのはコラムで櫻井よしこ、五木寛之、佐藤優、坂上忍、和田秀樹、里見清一、燃え殻、池谷裕二、横尾忠則、古市憲寿、片山杜秀、タブレット純、将棋囲碁コーナー、私の週間食卓日記など、毎号飽きさせない内容が続いている。
今回の衆議院選挙についても、他の週刊誌は高市自民党のあらさがしばかりしているが、新潮は比較的まともである。連載小説も面白い。「室町大愚」は思わず読んでしまう。読みたい本は一杯あるのに、「新潮」を買うと記事を読んでしまうので、他に割く時間が減って困るのである。
ハイボール
令和7年12月5日
「ハイボール」という言葉を初めて知ったのは小学時代で、白黒テレビの寿屋(現サントリー)トリスのコマーシャルからである。父親はアルコールが全く飲めず家にはビールも日本酒もなかったが、地区の集まりなどで大人たちがうまそうに酒を飲む姿を見て自分も飲んでみたいと思っていた。たまにその機会があった時に酒を口に含んでみたが、ちっともうまくなくて「ワタナベのジュースの素(古い!)」の方が甘くていいと思っていた。
大学時代はビール、ウイスキーの水割り、たまに日本酒を好んだがなにしろ遺伝でアルコールに弱く、少しの量で満足していたがアルコールはうまいと思っていた。焼酎を好んだ頃もあったがこのところウイスキーの炭酸割「ハイボール」がメインになり、ほぼ毎晩飲んでいる。つまみはやや甘めのもので、ちびちび飲(や)りながら貯めていたテレビの番組を観るのは至福の時である。ビールもそうだけれどウイスキーは刺身以外のほとんどのつまみに合うので実にいいのである。3~4年前からこのスタイルであるが、しばらく続きそうだ。
「石原家の兄弟」
令和7年10月31日
表題は石原慎太郎氏の4人の息子が両親の思い出をテーマを決めてそれぞれが綴った新刊書である。慎太郎氏は好きな作家で、大抵の著書は読んでいる。最後まで創作意欲は衰えていなくて感心していた。氏の息子たちもそれぞれが世に出てそれなりの地位を築いている。大人物の子供であってもひとかどの人物になるのは難しいと思うが、4人ともそれぞれちゃんとしていて凄いとしか言いようがない。
作品は11章からなり「母典子によせて」「父慎太郎が逝った日」「叔父裕次郎の思い出」「家」「海」「お正月」「教育」「仕事」「結婚」「介護」「相続」これらのテーマを伸晃・良純・宏高・延啓の4人の兄弟がそれぞれ3000字の原稿を書いていて、家族の貴重な写真も載せていて興味深い。自分が想像していたとおりのように感じたのは、慎太郎氏の著書やエッセイに親しんでいたからだろう。この本をもって慎太郎氏の幕は降りたのだと思う。
西田俊英「不死鳥」展
令和7年10月17日
新見(にいみ)美術館で開かれている開館35周年特別展に行ったが、その絵のすばらしさ、凄さに言葉もないほどだった。西田俊英氏は現代日本画壇を牽引する名前通りの俊英で、2,000年には広島市立大学芸術学部の教授を務めながら、数々の作品を発表している。2,012年からは武蔵野美術大学の教授を務めている。
今回の作品は、西田氏が屋久島に1年間移り住んで取材し、人間と自然の共生、生命の循環をテーマにした巨大日本画「不死鳥」を制作している途中までの成果を、ひと続きの絵の中で表している。完成すれば縦2.5メートル、長さは100メートルになる大作である。全部で六章からなる壮大な絵巻物で、今回の展示は第一章「生命の根源」第二章「太古からの森」第三章「森の慟哭」までであるが、心を鷲摑みされるような凄さに圧倒された。新見美術館は岡山県の西北部、小さな美術館なので、ありがたいことに観客も少なくじっくり鑑賞することができた。六章すべてが完成したらおそらく東京の美術館に展示されるだろうが、多数の人が押し寄せると思われる。今が絶好のチャンスである。ぜひ行ってほしい。
新緑の季節
令和7年5月1日
新緑のあざやかな季節になった。このところ20°cを超える日々が続く。比治山を散歩すると緑がいっぱいで森林浴をしているような気持になる。先日は比治山に登り、そのまま「そごう」まで歩いて藪そばへ行き一杯飲んでそばをたぐってきた。11時開店だがすでに何人も並んでいて開店と同時にすぐに満席になる。つまみが豊富なのがいい。天ぷらのある蕎麦屋はそんなにないので重宝している。キスの天ぷらとエビのかき揚げは特に好物で毎回注文している。菊正宗が飲めるのもありがたい。
夜はBSで録画しておいたドジャースの試合を見ながらハイボールを飲むのが至福の時である。昨日は大谷選手が第一球をライナーでホームランしたのは最高だった。大谷選手の活躍を見るのは楽しい。週刊新潮に大谷選手の兄・龍太さんが社会人野球の監督で日立杯の予選リーグに出ていて、時ならぬ大谷フィーバーが茨木県日立市起きていたと報じていたが、さすがに兄弟なのでよく似ている。龍太さんは気配り・心配りの人で選手からの人望も厚いナイスガイだそうだ。大谷選手の父母は素晴らしい子供たちを育てたものである。日本の宝だと思う。
ホリエモンの番組
令和7年4月25日
以前から派手な言動で目立つ「ホリエモン」こと堀江貴文氏だが、ユーチューブなどでたくさんの番組を作り、出演し、いろんな意見を述べている。偶然見つけ、氏の的確な予測やこれまでの数々の起業とその経験からの意見など、弁舌の巧みさと説得力のすごさに舌を巻いている。
石破総理をはじめ国民民主党の玉木党首など政界の人たちとの対談、財界の人やこれから起業する人たちへの応援、ロケット事業、学校、ラジオ局の買収と出演など八面六臂の活躍をしているさまがうかがわれる。この国の未来をよくするためにどうするかを真摯に考えているようで、政治家にはならず、政治家に進言することで政治を変えていこうとしている。
様々の分野でそのとき興味を覚えたことは勉強し、詳しく調べ、わかりやすく説明し「そうだったのか」と納得させる力がある。氏と話した人はいつの間にかホリエモンの考え方に賛同していくのが見える。
学生時代に起業し数百億円以上の利益を得たり、ニッポン放送を買収しようとしたり、衆議院議員に立候補したり、刑務所に入ったりその後もさまざまな事業を行ったり、その豊富な経験と緻密な思考力は氏の弁舌とあいまって魅力的な人物を形成している。しばらくは目が離せない。
「虫展」「ホキ美術館」
令和6年8月16日
週刊新潮のグラビアに昆虫を拡大してきれいに写した写真が載っていて、8月の後半まで大分県立美術館で「虫展」として開催されていること知った。主催者はファンの養老孟司氏と小檜山賢二氏である。これは行かねばならぬと思い、湯布院に宿を探し、せっかくだから武雄温泉にも宿をとり車で出かけた。
昼過ぎに美術館に着いたのでゆっくり見ることができた。虫にあらゆる角度から焦点を当てた画像をコンピュータで合成して拡大した写真が多数展示されていて、その多様さと美しさに驚きを禁じ得なかった。その時、写実絵画専門の「ホキ美術館」のコレクションの一部が今、県立熊本美術館で展示されていることを知った。その日は湯布院の宿でのんびり温泉につかり翌日は佐賀県の武雄温泉へ。
そのまま帰るつもりだったが、以前広島でも写実主義の絵画展があり、その精緻な絵に魅了されていたので熊本に寄って帰ることにした。千葉市に設立された「ホキ美術館」は保木将夫氏が2,010年に開設したもので、氏が感銘を受けた細密画的な写実絵画を世に知らしめたいことと、日本の写実絵画を世界に通用する絵にしたいこと、またこの写実絵画が日本で発展していくよう、優秀な新人を育成していくとのコンセプトで造られたという。県立熊本美術館内は空いていてじっくり見て回ることができた。写真と見紛うばかりの精密な美しい絵が作者ごとに展示されていて、好きな野田弘志氏の作品もあった。ホキ美術館10周年記念図録を手に入れて帰路についた。充実した小旅行になった。



