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N先生の閉院

令和5年9月22日
ほぼ同じ時期に開業されたN先生の診療所が今日で閉院となる。
出身大学が違うので開業してから知り合いになったが、素晴らしい人と知り合えたことを感謝している。1,997年に開業して26年余、診療上のことも含め色々お世話になった。ご一緒した飲み会は多かったが、いつも気持ちよく飲ませてくれる雰囲気があり、また一緒に飲みたくなる人柄である。
自分で決めたことは確実に遂行し、すべての責任を自分で背負う強さがあり、堅苦しいことは嫌いでお酒が大好き。
昨年コロナで重症化して入院せざるを得なくなった時もずいぶんお世話になった。患者さんをどうしようかと思っても隔離されていてどうにもならなかったが、N先生にお願い出来たので安心して療養することができた。
今後はもっと充実した人生があるようでうらやましいが、自分はもうしばらく診療を続けていくつもりである。
N先生、長い間お疲れさまでした。そしてありがとうございました。

診療に参加

令和5年8月10日
8月7日から10日まで夏季休暇中の息子が当院の診療に参加することになった。現在中国労災病院の産婦人科に勤務しているが将来開業を希望していて、クリニックの診療を勉強したいとの意向で参加したわけである。
一緒に診療を行うのは初めてのことで、気恥ずかしいようなうれしいような奇妙な気持である。初日は患者さんの許可を得て見学させた。診療のやり方やカルテの記載方法は現在の方法とは変わってきているが、診断・治療・説明などはそんなに変わるものでない。現在行っているやり方を余すところなく教示して、将来の技術向上の一助になればと思っている。
月に1~2回、勤務先の病院に迷惑がかからないという条件で、参加させてゆくつもりである。
今後はあらかじめ参加する日程を開示する予定なのでよろしくお願いします。

梅雨と雨漏り

令和5年7月6日
今日は晴れているが梅雨の晴れ間で、このところ梅雨のどんよりした天気が続く。
先日の雨でクリニックの窓から雨漏りがするのを発見。わずかな量だけれど一日中雨なのでそこそこ溜まってくる。建物のメインテナンスはしっかりしているが、築32年経っていればこんなこともあるのだろう。家主に相談するとすぐに施工業者に連絡してくれて、近々修理してくれるそうだ。
ビルに入居して26年目になるのでさすがに内装も古くなってきた。壁紙やカーペット、天井の一部は何回か変えたが、それ以外は変えてないのでそろそろ一新が必要かもしれない。特にトイレが問題である。下の階からの施工になるので、簡単には出来そうもない。カルテ庫もいっぱいになっていて整理が大変である。今のところ電子カルテにする気はないので、これからもカルテ庫の整理は毎年の必要事項になるだろう。仕方ないとはいえ気が重いことである。

オンライン資格確認

令和5年3月9日
遅ればせながらオンライン資格確認の機械が届いた。レセコンにつないで4月から使用開始する予定である。政府はマイナンバーカードと保険証を紐づけし、現行の保険証を使えないようにすることで、マイナンバーカードを普及させようとしているからだ。そのために各医療機関に読み取り装置が必要になり、多大の出費がかかる。援助があるとはいえ毎月の保守料金もバカにならない。故障などの不備も多いと聞く。
今までの保険証で何の問題もなくやって来れたのに、マイナンバーカードを義務付けてしまうことでどれほどの利益があるというのだろうか。多大な出費に見合う効果があるのか甚だ疑問である。政府機関にとって税金は人の金だからいくら使ってもいいと思っているのだろう。コロナでもバカげた金の使い方をしてそのつけは後の世代に残すことになっている。バブルの前まではこの国は借金がなかったのに、じゃぶじゃぶ国債を発行して借金まみれになってしまっている。それぞれの国でその国民はその民度にあった政府しか持てないといわれているが、今の状態を見ていると我が国の民度は地に落ちたとしか思えない。

令和4年をふり返って

令和4年12月29日
今日が今年最後の診療日である。同じビルの他の医療施設は昨日までで、今日から休診のようだ。自分の所だけが診療していると思うとなんだか楽しい。
今年1年をふり返ってみると、最も大きな出来事は自分が2月にコロナに感染して重症化し入院したことだろう。ICUに移って挿管されることになったときに家族に告げられたのは「生還は5割弱でしょう」だったという。本人はそれほどとは思っていなかったのだが…クリニックも1か月以上休診して患者さんやスタッフに迷惑をかけてしまったが、生と死は紙一重だと実感したことは大きかった。だれにでも必ず訪れる死を先取りして実感したようなもので、退院してから何か悟ったように感じる。本当にしたいことしかしないと決めたこともそうである。今行っている診療は患者さんのためになることなら何でもすることには変わりないが、日々の暮らしを淡々と行い、美味しいものを食べ楽しく過ごす、なんだか以前と同じようだけれど心の芯に一本筋が通ったような心持である。毎日の診療がすごく楽しいし、患者さんの笑顔を見るのはもっと楽しい。
今年1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

流産手術

令和4年12月22日
久しぶりに流産手術を行った。以前は妊娠初期に超音波検査で稽留流産が確認された場合、流産手術で治療することになっていた。当院でも年間40件くらいは行っていたが米国発の「自然流産まで待機してもし不全流産になった場合に流産手術を行う」という方針が我が国でも主流になった。確かに多くの場合は1か月くらいの間に流産が始まって、1週間ぐらいで出血が減って治癒する。ただ、出血がいつ始まるかわからないし、痛みも強いことが多いので患者さんは不安だろう。
当院でも基本的には自然に流産するように待機する方針をお話しするが、早く治癒したいと希望される人には流産手術を行ってきた。令和になってから流産手術を希望する人は非常に少なくなっていたけれど出血が多く不安になる人もいた。また、2か月待っても流産が始まらない人もいて手術を希望することもある。手術は人工妊娠中絶術と同じ手順なので半日で帰宅でき、後は普通に過ごすことができる。以前のように流産手術を薦めるほうがよいのかと考えることもある。

診療時間の変更の余波

令和4年12月16日
今年の4月から休診を木曜日の午後から水曜日・土曜日の午後に変更した。コロナ入院から回復して休養が必要と考えてのことであったが一つ誤算があった。ビルに入っている他の医療機関は木曜日午後休みで揃えていて、はじめ当院もそういうことで入ったことをすっかり忘れて発作的に決めてしまったのである。ビル全体で一斉に掃除、エアコンの点検、貯水タンクの点検、消防器具の点検、ガラス清掃、エレベーターの点検などすべてが木曜の午後に行われることになっていたのである。できるだけ昼休みの間に行うように配慮いただいているが、水道が止まるときはトイレが使えなくなるので休診にせざるを得ない。
午後の休診を水曜日と土曜日にしたのはいいバランスになったのだが、このことを完全に忘れていた。あとで気付いてしまったと思ったが仕方がない。当分このままでやっていくつもりである。

緊急避妊ピルと人工妊娠中絶

令和4年11月24日
緊急避妊ピルを希望して来院される人が多いが、いつもお話しするのは「緊急避妊ピルはそれほど効果があるものではない」ということと、「飲む必要のあるのは排卵前で、排卵後や排卵1週間以上前は飲む意味がない」ということである。妊娠可能なのは排卵日前の最大1週間と排卵後1日くらいで、それ以外の時期の性交では妊娠できない。緊急避妊ピルは排卵する前に飲むことによって、排卵を少し遅らせるか抑制するだけなのである。排卵日に性交した場合の妊娠率は3割ちょっとぐらいなのだが、それを1割ちょっとぐらいにする程度である。
緊急避妊ピルを飲んだけれど妊娠した場合は、産むか中絶するかということになる。どちらも大変なことである。だから毎日飲む低用量ピルはほぼ完ぺきに避妊できるのですばらしいのである。我が国でも人工妊娠中絶が減ってきたのは、ピルが少しずつ普及してきたからだと思う。当院で中絶手術をした人にはピルを薦めるようにしている。

生理日の移動

令和4年7月28日
生理日の移動を希望する患者さんは多い。生理は排卵2週間後に始まるのでその3日前から中用量のピル(プラノバール)を1日1錠、延ばしたい日まで内服すればいい。問題なのは予測生理日が正しいかどうかである。排卵日は生理開始から14日目の人が比較的多いが遅れることもあるし早くなることもある。生理の始まる1~2日前から黄体ホルモンが減少し、子宮内膜の血管が破綻しはじめるので、そうなってからではピルを内服しても生理は始まってしまうのである。だから早めに(5~7日めから)飲み始めるといいが、それでは長く飲まなければならなくなってしまう。
中用量ピルは副作用(嘔気など)があったので低用量ピルがつくられたのである。問題は低用量ピルで生理をコントロールするためには、生理中から飲み始めなければならないことである。だから少し早めに受診して両方の利点・欠点を聞いて選べばいいというわけである。

生活のリズム

令和4年5月26日
この4月から思うところがあって診療時間を一部変更した。今までは日曜・祝日を除いて木曜日だけ午後休診にしていたのだが、休診は水曜の午後と土曜日の午後に変更・増やしたのである。土曜日の午後は楽になったが、木曜日から水曜日への変更は、長年木曜日午後休診に慣れた身としてはなかなか馴染めない。生活のリズムがそうなってしまっていたからだろう。昨日(水曜日)午後休診だったが、今までの習慣で今日は金曜、明日が土曜日だとつい思ってしまう。25年近く体に刻まれたリズムは一朝一夕には変えられないのだろう。
一週間の流れで言えば日曜日はゆっくり休み(趣味・遊びなど)月・火と働いて水曜日は午後休む、木・金と働いて土曜日は午後休む、これが自然なリズムではないだろうか。体に馴染むまでにはしばらく時間がかかるだろうが、今後はこの診療時間でやっていくつもりである。
皆様よろしくお願いします。