産科・妊娠関連

患者様からよくいただく産科・妊娠関連のご質問をQ&A形式で紹介しております。気になる質問をクリックしてください。婦人科関連についてのよくあるご質問はこちらをご覧ください。

妊娠を疑ったら
月経(生理)が遅れると妊娠を疑います。ここで気をつけることは、
(1)もともと生理不順があるのか、
(2)体調の変化(乳房のはり、下腹部不快感、はきけ、など)があるのかなどですが(1)が あれば、月経の遅れが即妊娠とはならないでしょう。(2)があれば妊娠の可能性はあります。
ただいずれの場合も実際のところは検査してみないとわかりません。
検査の方法としては、市販の妊娠検査薬で尿を調べることが一般的です。
妊娠検査薬は受精して 2週間近く経たなければ陽性になりません。したがって、1回目の検査で陰性でも間をおいて (3~7日)2回目の検査をした方が確実です。
妊娠反応が陽性なら産婦人科を受診しましょう。
妊娠反応が陰性でも(2)などの症状があれば受診しておく方が良いでしょう。
妊娠がわかったらどうすればいいか
はじめての妊娠ではどうしたらよいかわからないと思います。
(1)はじめに受診した病院で、どこで経過をみてもらい、どこで生むつもりなのかを話しておくと、 アドバイスしてくれると思います。それらのことがまだ決まってなければ、そのように言っておくと いいでしょう。
(2)予定日が決まったら、母子手帳をもらってください。母子手帳は保健所で交付されます。 地域によっては役所で交付されているようです。以前は予定日だけをおぼえておけばよかったのですが、最近はマイナンバーが必要になりました。
母子手帳には妊娠中に必要な様々の検査が無料でできる検査票が付いています。また、妊婦健診もほぼ無料でできるようになっています。
妊娠検査薬について
妊娠検査薬は受精して2週間前後で陽性になります。検査薬が陽性になれば妊娠は確実です。 産婦人科を受診してください。
妊娠反応が陽性になっても、正常妊娠以外の子宮外妊娠などの異常妊娠がありますから 注意が必要です。(他にも胞状奇胎や絨毛性疾患などで陽性になります)
現在の妊娠検査薬は感度が高く、早い時期に陽性になります。
はじめて陽性になる時期(受精後2週間)では、子宮内に妊娠を示す胎嚢がまだ見えません。さらに1週間たつと、超音波検査で胎嚢が確認できるようになります。
できればその頃以降に産婦人科を受診してください。
分娩予定日について
分娩予定日は最終月経から280日としておりますが、これはあくまで月経周期が28日で14日目 に排卵し、その時受精したと仮定した場合の予定日です。もちろんいつも14日目に排卵するとは限りません。
真の予定日は排卵受精して266日後ですから、排卵日がわかれば最も正確に決められます。
排卵日がはっきりしない場合は、妊娠3ヶ月頃に超音波検査で胎芽の大きさを測り、予定日を推定します。この頃の胎芽の大きさは、受精してからの週数にほぼ一致していますから正確なのです。 もう少し 大きくなると、誤差や個体差が大きくなって正確さにかけます。 もっとも、かならずしも予定日に 生まれるわけでもありませんので、あくまで目安です。
妊婦健診とは?
妊娠の定期健診で、予定日が決まり安定して来た妊娠4ヶ月頃より4週間毎に行います。
主な項目は 体重、血圧、検尿、腹囲・子宮底長の測定、ですが、超音波検査で胎児の状態や羊水、胎盤の位置の確認なども随時行います。
また予定日が決まった頃に、血液検査を行います。血液型、感染症の有無、 貧血などの検査を行います。
妊娠7ヶ月(24週)からは2週間毎の健診になり、妊娠10ヶ月(36週)になると毎週となります。
妊婦健診は、妊娠中毒症を防ぐためにはじまったのですが、今では中毒症は非常に少なくなり、妊娠の 状態をきちんとフォローするために行われております。
人工妊娠中絶について
 妊娠がわかっても、事情があって妊娠を続けることが難しい場合におこないます。
人工妊娠中絶術は母体保護法により、母体保護法指定医が行います。
(1)まず、正確な妊娠週数を確認します。妊娠11週までと妊娠12週以降では中絶の方法が異なるからです。(2)本人と配偶者の同意が必要です。
(3)妊娠11週までと妊娠12週以降では、身体的負担も経済的負担も異なります。
(4)中絶する日が決まったら、当日は朝から一切水や食物を口に入れないで来院します。子宮口を広げる器具を装着し、一定の時間の後に(5)静脈麻酔をして手術を行います。
(6)その後3時間程度休んで(7)異常ないことを確認して帰宅してもらいます。
(8)その日は無理をしないようにして、(9)翌日からは普通に生活、仕事ができます。
(10)1週間後に来院して異常ないことを確認して、今後の注意事項をお話します。ピルなどの希望があればこの時に処方します。
(11)次の月経はおよそ1ヵ月後に来ますが、遅れることもあります 。中絶後すぐに妊娠することがありますから、必ず避妊してください。
(12)当院の処置については別項を参照してください。
人工妊娠中絶後の生理は?
ほとんどの場合、今までと同じ周期で月経が来ますが、遅れることもあります。
遅れて問題になるのは、妊娠が継続している場合やホルモン異常ですが、まれです。
妊娠する前から不順なら、同じように不順なのでようすをみるのもいいかもしれません。
不安があれば手術 を受けた施設に連絡して聞いてみるといいでしょう。
妊娠初期に気をつけることは?
妊娠初期は、つわりをはじめ体調の変化がおこりやすく注意が必要です。
また、流産も多く、特にはじめての妊娠の場合不安な ことも多いようです。
基本は無理をせず普通に過ごすことです。
心配なことがあれば、受診している施設に連絡して聞いてみてください。
あなたの訴えを聞いた医師は、適切な答えをしてくれるでしょう。必要があれば受診するよう勧める かもしれません。
わからないことがあれば、受診時に聞いてください。
質問事項をメモしておいて聞く のがいいですね。
妊娠初期の出血が心配です
妊娠中は出血がないのがよいのですが、さまざまな理由で出血がみられることがあります。
(1)流産の疑いがある場合:子宮内からの出血のため同時に下腹痛があることが多いです。 ただし、胎芽が正常であれば、出血があっても順調に育つことが多いのです。逆に胎芽に異常があれば 出血がなくてもいずれ流産してしまいます。
(2)膣炎などによる出血:かゆみがあったり、おりものがにおう場合は治療が必要です。クラミジア感染症や頚管 ポリープが見られることもあります。
妊娠初期に受けたX線検査が心配です
妊娠に気付かないでレントゲン検査を受けたので心配だという訴えは時々あります。
ほとんどの場合、心配されるほどのことはありません。
妊娠初期のX線被爆についてはICRP(国際放射線防護委員会)での勧告があり、胎児の奇形についての しきい値(影響を発する最低値)は100mGyから200mGy(グレイと読みます)で、100mGy以下では問題な いとしています。
発がんに関しては、胎児は成人より危険性が高いが、それでも50mGy以下では問題ないとしています。
一方、胸のレントゲン写真を1枚撮った場合の胎児被爆線量は0,01mGy以下で、直接被爆を受ける腰椎単 純撮影でも1,7mGyです。
問題ないことがおわかりだと思います。
妊娠に気付かずに飲んだ薬が心配です
妊娠したかどうかわからない時期に薬を飲んでしまって心配される人はよくおられます。
およそ次の月経予定日まで(排卵後14日)に飲んだ薬は、まず影響ないと思ってください。
この時期はall or nothingと言って、もし薬の影響があれば妊娠できなくなるし、妊娠が継続すれば影響はないのです。 次の月経予定日を過ぎて(排卵後14日を過ぎて)、月経が遅れているのに薬を飲んだ場合は、薬の種類と量を医師に言って ください。その場合は影響があることがあります。(本当は大丈夫なことが多いのですが)
いずれにせよ妊娠の可能性があるときは、月経予定日が近くなったら薬は気をつけた方がいいですね。
どうして流産したのでしょうか
流産で最も多いのは、早いうちに胎芽が育たなくなって出血が始まり、流産する場合です。
これは全妊娠中一定の割合でおこり、予防も治療もできません(もちろん例外はありますが)。逆に言 えば、正常な胎芽はほぼ必ず育つということです。
正常なのに流産するとしたら、感染によって絨毛炎などが起こった場合や事故など、まれです。他には 頚管無力症などもありますが、これはむしろ中期におこります。
流産した場合自分を責める方が多いのですが、流産は必ず一定の割合でおこるものです。
運だと思って 次を期待した方が良いと思います。
妊娠していますが性病が心配です
今最もよくみられる性病はクラミジア感染症です。
他には淋病、トリコモナス膣炎、コンジローマ、まれにヘルペス がみられますが、いずれも抗生物質を使ったり、焼灼、抗ウイルス剤、経過観察などで軽快します。
梅毒やエイズは 少ないです。心配なら主治医に聞いてみることです。
妊娠中の性生活は?
妊娠が正常に経過していれば、特に問題ありません。出血や痛みがある場合は控えてください。
気をつけるのは細菌などの感染です。清潔に、感染しないようにしてください。
また、子宮は刺激により収縮します。過激なことや無理はしないようにしてください。
実家に帰ってお産する予定ですが、里帰りする時期は?
まず、お産をする予定の病院にいつごろ帰ったらよいのか聞いてみましょう。
特に指定がない場合は現在かかっている病院にたずねてみてください。
順調に経過している場合は 妊娠9ヶ月でよいでしょう。ただし、妊娠中はいつ何がおこるかわかりませんので、気をつけること。
逆子(骨盤位)と言われました
妊娠8ヶ月頃から胎児の頭が下になった頭位となります。
この時期には70~80%が頭位で、以後徐 々に頭位が増え、妊娠末期には95%が頭位となります。
逆子とは胎児のお尻が下にある状態で、お産の 時に頭位に比べて危険なことがあるのです。
初産であったり、骨盤が小さく胎児が大きいなどリスクが 高いと判断すれば帝王切開となります。リスクが少なければ正常に生まれることも多く、帝王切開にす るか、経膣分娩にするか悩むところです。個々の施設の方針、主治医の考え方などそれぞれ異なりますから、 よく話し合って納得して決めてください。
以上のように妊娠8ヶ月位の時に逆子だったとしても、ほとんどは自然に治りますから、経過観察でよいのです。最終的に逆子の割合は世界中かわりません。
逆子矯正体操や外回転術など、逆子をなおす試みがなされてきました。私の考えでは、外回転術は別に してあまり良い方法はないと思われます。外回転術はリスクがありますし、体操などは苦しい割に効果 がなく、結局自然にまかせるのがよいように思います。
腹帯はいつごろするのでしょうか
腹帯の習慣が一般的になったのは江戸時代からといわれていますが、今では「縁起もの」の意味合 いが強いようです。
医学的に考えると、つけてもつけなくてもあまり変わらないと思います。
特に初め ての妊娠では腹筋もしっかりしているので、腹帯が必要とは思われませんが、妊娠5ヶ月の戌の日につ けることが多いようです。
ただし、一度お産をして2回目以降の妊娠場合は腹筋がゆるくなっているため懸垂腹になりやすく、 その場合は腹帯やサポーターで子宮を支えるようにした方が良いです。
高年出産なので心配です
高年初産とは、35歳以降に初めて出産する場合をいいますが、きちんとフォローすれば問題ありま せん。過剰な心配はしないようにしてください。
染色体異常の確率があがったり、母体への負担が増え ることはありますが主治医とよく話し合って、疑問などがあればすぐに聞いてください。
妊娠中の貧血について
妊娠中は母体の血液量の増加と、胎児胎盤に必要な血液などのため、鉄がたくさん必要になります。
もともと貧血傾向の人であれば、鉄欠乏性貧血は必発でしょう。
日頃から鉄分の多い食事をとるように心がけることが大切です。
血液検査で貧血の程度が強いようなら 鉄剤の内服か注射、さらにビタミンや葉酸の摂取も必要です。
ただ、妊娠後期になると血液は生理的に薄くなり、さらさらとしてきます。一見貧血の血液像を示しま すが、これは胎児のためにも必要な変化で、妊娠していない時とは違った基準で判断しないと、妊婦さ んのほとんどに鉄剤を投与するようになりかねません。これは医療側が注意すべきことでしょう。
産後の生理について
産後は4~6週間でほぼ悪露(おろ:分娩後に子宮や膣から排出される分泌物)はなくなります。
経験的には1ヶ月健診ではまだ出血が多かったり、会陰切開部の傷が完全には治ってないケースがみら れ、1ヶ月健診よりも6週後健診の方が合理的かと思います。
この時期でもまだ出血その他の症状があれば、何らかの 処置が必要になる可能性が高いのです。逆に、1ヶ月健診でそれらの症状があっても、2週間後に診察すると 正常になっていることが多いと思われます。
母乳栄養の場合のほうが、人工栄養や混合栄養の人よりも月経の再開は遅いです。
平均すると3~5 ヶ月でしょうか。一般的にはかなり幅があって、1年なくても異常というほどではないようです。

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