月別記事一覧 2007年8月

議員の人相

平成19年8月28日(火)
昔から手相、人相などの占いを信用していなかった。でも、いつの頃からか手相はともかく、人相はその人物を表していると思うようになった。特に人は中年以降になるとそれまでの生きてきた内容が顔に表れてくる。だからどんなに取り繕っても、しばらく話をするとその人となりがわかってしまう。さらにいえば、直接話をしなくても表情や話し方からでもある程度のことはわかると思う。
今回の参議院選挙で当選した議員の中には、どうみても国会議員にふさわしいとは思えない人もいた。もちろん会ったことも話したこともないけれど、マスコミに露出することの多い人なのでテレビに映る人相からそう感じたわけである。多分多くの人もそう感じたと思うが、選挙では知名度が高ければそれだけで当選するという民主主義(自由選挙)の最大の欠点があらわになったということである。民主主義はともすれば衆愚政治に陥りやすいが、独裁政治よりはましである。多少間違った選択をしても、時が解決してくれることだろう。

子宮がんの原因

平成19年8月22日(水)
世界中の子宮がんを調べたところ、その7割にヒト・パピローマウイルスが確認され、子宮がんの原因はHPVであることが認められた。さらにそのうち16・18型のウイルスが問題であることがわかり、ワクチンが作られた。欧米では10代初めの女児にこのワクチンを接種しようとする動きがある。ワクチン接種によりどれくらい防げるのか、副作用はどうか、対費用効果はどうなのかなど不明な点は多い。現在のところはわが国ではすぐにワクチン接種の動きはないが、たとえ欧米である程度効果があったとしてもどうだろうか。
HPVはセックスで感染するウイルスであり、たとえ16・18型の感染があっても、必ずしも癌になるわけではない。ウイルスの関与しない子宮がんも少なからずみられる。さらにわが国と欧米諸国とのエイズの感染率の違いをみてもわかるように、日本人の性活動はおとなしいので欧米の真似をする必要はないと思う。あわてることなくじっくり様子を見てから考えても遅くない。

猛暑

平成19年8月17日(金)
お盆休みが終わって今日から診療開始である。ここ数日の暑さは例年になく激しく、まさに猛暑という言葉がふさわしい。なんでも観測史上最高気温を記録したとか。熱中症による死者も少なからずみられたようである。街中での暑さはことに強烈で、アスファルト、車の多さ、エアコンの数などが原因となっているのだろうがまことに強烈である。
こんな時は昼間は出歩かず屋内でのんびり昼寝でもしていた方がいい。スペインにシェスタという習慣があるのは理にかなっている。確かにあの国ではシェスタの時間はほとんどの店はしまっているし、人通りも少なくなっていたように思う。国民性といえばそうなのだろうが、日本人はこんなときでも一生懸命働くだけでなく、テニスをしたり遊んだりする。実に勤勉な民族だと思う。

横綱朝青龍に見る文化の違い

平成19年8月6日(月)
産経新聞に石原慎太郎氏が「日本よ!」と題したエッセイを月一回載せているが、その中で今回の横綱朝青龍の仮病ーサッカー問題を、外国との文明の衝突であると書いていたが、まことにその通りであると思う。
相撲は日本の国技であり地位が上がれば上がるほど「品格」が求められるという日本古来の伝統がある。対して横綱の故国では別の伝統的基準があり、その基準ではおそらく今回のことは問題ないのだと思う。だから故国でのインタビュウーでは、その国の人々は今回の横綱に対する相撲協会の処分に強い非難のメッセージを寄せたのは当然だろう。国技に外国人を入れた時から、このような問題が起こるのは避けられないことが予見できたと思うが、相撲人気の衰えや新弟子不足から協会も背に腹は代えられずに外国人力士を入れたのだろう。
たとえ日本人であっても、日本独自の伝統的な考えからはみだす行動をとれば袋叩きに逢い、それに従わない限り抹殺される。まして外国人であれば初めは黙って見ていても、日本人の考えの基準にそぐわない行動が目に余るようになれば排除されるだろう。そしてこれらのことをだれもおかしいと思わず、当然であると心から考えるのは、それだけわが国の伝統的考え方が強固であることを証明しているのである。

薬を出し過ぎる施設

平成19年8月2日(木)
当院に来られる患者さんの中には、他科で薬をもらっている人も多いが、薬の種類や量について施設によってかなり違いがある。たくさん(馬に食わせるほど!)出すところはだいたい決まっているが、そういうところの処方には重複がみられることがある。仔細に調べてみると薬をすべて止めても差し支えないと思われる場合もある。患者さんが訴える症状に対する薬を出して、その薬の副作用を抑える薬を出して、更にその薬の副作用を抑える薬を出して…と、きりがない。そもそも薬を出そうが出すまいが結果が変わらないような状態もあるわけである。
そこで、「薬を減らしてもらったら」と言っても本人からはなかなか言い出せないようだ。当院で1種類だけ必要な薬を出そうとしても「先生、これだけ薬を飲んでいるのでこれ以上飲めません」と言われてその種類と量に驚くが、必要なのに困ったことである。こういうのを見ると、政府が薬価差益をなくしたくなる気持ちもわかる気がする。「6種類以上の薬を出すのは犯罪である」という医師もいるが、本当の意味での薬の効果を見直す必要があると思う。