薬を出し過ぎる施設

平成19年8月2日(木)
当院に来られる患者さんの中には、他科で薬をもらっている人も多いが、薬の種類や量について施設によってかなり違いがある。たくさん(馬に食わせるほど!)出すところはだいたい決まっているが、そういうところの処方には重複がみられることがある。仔細に調べてみると薬をすべて止めても差し支えないと思われる場合もある。患者さんが訴える症状に対する薬を出して、その薬の副作用を抑える薬を出して、更にその薬の副作用を抑える薬を出して…と、きりがない。そもそも薬を出そうが出すまいが結果が変わらないような状態もあるわけである。
そこで、「薬を減らしてもらったら」と言っても本人からはなかなか言い出せないようだ。当院で1種類だけ必要な薬を出そうとしても「先生、これだけ薬を飲んでいるのでこれ以上飲めません」と言われてその種類と量に驚くが、必要なのに困ったことである。こういうのを見ると、政府が薬価差益をなくしたくなる気持ちもわかる気がする。「6種類以上の薬を出すのは犯罪である」という医師もいるが、本当の意味での薬の効果を見直す必要があると思う。