日付別記事一覧 2007年3月19日

広島県の産科医療

平成19年3月19日(月)
中国新聞で「いいお産(考)」と題してお産がどうなっていくのかを考える記事をシリーズで特集している。タイムリーな企画だと思う。現在のお産の状況と、産科医が減っている現実、将来の展望などかなりきめ細かく調べて記事にしている。
最近広島県では福山市民病院の産科が閉鎖された。福山市とその周辺の産科救急患者は倉敷か岡山、場合によっては呉か広島に移送されることになる。もっとも国立福山病院が救急受け入れの準備をしているので、そうなれば大丈夫であるが。もっと困るのは備北地区である。この広大なエリアには産科救急を受け入れるのは三次中央病院しかない。産科の救急はまさに時間との戦いであり、近くに救急受け入れの施設があるかどうかの違いは大きい。これほど産科の救急受け入れ施設がなくなった原因は産科医の不足であり、産科医不足の原因はその労働条件の過酷さにある。産科は医療の中で唯一「赤ちゃんの誕生」という、病気とは対極にある生命の躍動に携わる科である。非常にやりがいがあるが、なにしろ人が少ないので寝るヒマがない。結果で判断されるからいくら適切な医療をしていても、何かあれば結果責任を問われる。報酬は他科と変わらない。これでは産科医療にかかわる医師がいなくなるのもうなづける。まずやることは、病院勤務の産科医の報酬を上げることだと思うのだが。