緊急避妊ピルについて

令和6年1月18日
今まで医師が処方しなければ手に入らなかった緊急避妊ピルが薬局で簡単に買えるようになるという。ユーザーにとっては便利になったと思うだろうが、ちょっと待ってもらいたい。
緊急避妊ピルはレボノルゲストレル(黄体ホルモン)を1.5mg飲むことで、排卵を遅らせるか少し抑制することで避妊をはかるものである。だから排卵後はもう飲む意味がないし、排卵が1週間以上先なら飲む必要がない。妊娠する可能性が一番高いのは排卵日、排卵の1日前、2日前でおよそ30%と言われている。3日前、4日前と次第に妊娠率は下がり、1週間前でほぼ0%、さらに排卵後数日で妊娠できなくなる。なので薬局で買えるようになると、飲む必要のない女性も飲むようになりムダが増える。
加えて緊急避妊ピルの避妊効果は一番危ない3日間の30%を10~20%程度に抑えるだけなので、失敗することも起きる。でもユーザーは緊急避妊ピルを飲めば大丈夫と思っている。
排卵が近いのかもう排卵してしまっているのかは、経腟超音波で見ればわかる。だから受診すればその判断をしてあげられるのにと思うわけである。