月別記事一覧 2022年3月

新型コロナ感染記

令和4年3月25日
新型コロナに感染して入院し、クリニックも1か月以上休診することになった。まさに青天の霹靂である。重症化して入院したけれど回復して診療再開できたことは、本当にありがたいことだと思っている。
2月1日の夕方、軽い悪寒があり風邪かな、と思ったがその後は何ともなく過ごしたが、夜中にのどの痛みがあった。翌日、午前中に熱を測ると37,1°あり、念のために内科でコロナPCR検査をしてもらった。2月3日の夕方、PCR陽性との連絡があり、保健所に連絡したら自宅待機の指示があった。急なことで患者さんの処置の予約や薬、ピルなどの処方があり、2月4日からは対面診療せず指示で行うことを了承してもらった。症状はのどの痛みだけで、すぐに治るだろうと楽観していた。ところが徐々に体調が悪くなり、食欲もなくなりSpO2の値も低下してきた。2月10日の深夜、発熱とSpO2の低下があり翌日、保健所の指示で近医を受診し入院を勧められた。
2月11日に県立広島病院の呼吸器科(コロナ専用病棟)に入院し治療開始したが改善せず、15日に気管内挿管、ステロイドパルス療法、体位変換などにより回復の兆しがあり17日に挿管抜去、その後は徐々に回復してステロイド離脱、3月3日に退院となった。退院後は身体を慣らしていき、10日より診療を再開することができた。先週までは息切れがあったが、今週はほとんどなくなって通常の生活に戻っている。
今回の入院では、病院の医師・スタッフに本当にお世話になった。最善の処置をしてもらい回復することができた。看護師さんの手厚い看護もありがたかった。また、急に休診したために迷惑をかけた患者さんも多かったと思う。患者さんを受け入れていただいたN先生、当番医を代わっていただいたM先生には深く感謝している。また、急な休診で迷惑をかけた当院のスタッフ、検診を依頼されているK医院やTクリニック、S薬局など申し訳ないと思っている。でも一番心配をかけたのは家族で、家族の支えがなければどうなっていたかわからない。感謝してもし足りないと思っている。これからは有り余るほど時間のあった入院中に考えたことを基に、長くない人生を悔いのないように過ごしていきたいと思っている。

3月のWEB研修会

令和4年3月18日
いつきウイメンズクリニック理事長、城田京子医師による「プロゲスチンによるエストロゲンコントロール月経困難症治療選択肢の分岐点」と題する講演がWEBで行われた。広島市臨床産婦人科医会が主催する講演会は年に4~5回開かれていて今回が295回目になる。もう60年くらい続いている勉強会である。広島市、その周辺の多くの産婦人科の医師が参加する勉強会で、日本中の大学、病院などの先生方に講演をお願いしている。中には何回も来ていただいた講師もおられる。今回の城田先生は、初めてだったけれど、同じ開業医という我々と同じ視点から黄体ホルモンと女性ホルモンの種類、調合の割合などで、最適の量を考察した考え方を示していて興味深く聞いた。
例年なら講演会の後は講師と座長、会長、幹事がお礼の食事会をしてもてなすのであるが、コロナ以降はすべて無くなってしまった。食事会の時には講師の先生といろいろな話ができるので、楽しみであった。ひょんなことから20年間幹事を務めていたので、100人近い先生方と親しく話をすることができた。講演するような先生はそれぞれ魅力的で、またいろんな考え方があることもわかった。思うところがあって幹事は今年度で辞めさせてもらうが、いい経験になったと思う。

診療再開

令和4年3月12日
3月10日から診療再開できた。退院したのが3月3日、自分としては7日から再開のつもりだったが、さすがに3週間の入院の後では身体を動かすのもままならぬことがあり、10日に延ばしたのである。じっと座っていたり、ゆっくり動くには問題ないが、散歩すると息切れがするので当分散歩の類いはしない。
再開は木曜日、午前中だけの日だったので身体を慣らす意味ではちょうどよかったけれど、ありがたいことに50人以上の患者さんが来院されたので結構疲れた。でも徐々に体が適応してくるのがわかり、今日で3日目だけれどもう大丈夫だと実感する。長いこと休診して皆さまにご迷惑をおかけしていることは、入院中(回復期)特に気になって、担当の医師に早く退院させてほしいと何度も言っていた。担当の先生から、ステロイドを慎重に離脱する必要があること、再び症状が悪化したらアウトだと説明していただき体調回復に専念した結果、めでたく退院となった。
入院中、考える時間はいっぱいあり、来し方行く末も考えて得るところが多かったと思う。今日の日差しは春のようだが自分の気持ちもそうなっていくようだ。