月別記事一覧 2021年4月

「死という最後の未来」

令和3年4月30日
表題は石原慎太郎氏と曽野綾子氏の対談で、令和2年6月発行の本である。二人は今年89歳と90歳になるようだが、今までにたくさんの仕事をして我が国では最も知られた作家である。自分は二人のファンで、特に石原氏の作品は高校時代からずっと熱心に読んでいて、大学に入学してヨット部に入ったのも、氏の作品「星と舵」にいたく感動し刺激されたからだった。曽野氏は亡くなられた夫君、三浦朱門氏の「妻をめとらば曽野綾子」という言葉にふさわしい「見目麗しく才長けた」人である。そして心根の強さもそれ以上だと思われる。この二人の対談となれば読んでみたくなるのは必然である。
予想した通りお二人の意見は共感し合いながら底の部分ではそれぞれ異なっていて、今まで描いていた二人の像がそのまま反映されていて面白く読ませてもらった。ほぼ50年、半世紀にわたって愛読してきた二人の作家の今の会話は含蓄深いものがあり、いろいろ考えさせられる。死はあらゆる人に平等にやってくるものであり、じたばたするのも平然と受け入れるのも結局は同じだと思ったことであった。

取り寄せ

令和3年4月22日
コロナの感染の終息が困難になっているため、外食ができにくくなっている。そこで、取り寄せで旨いものがないかと調べてみた。「いかの塩辛」はいろいろ試してみたがこれだ、とも思うものがなかった。最近、宮城県・山内鮮魚店の「無添加いかの塩辛」を試したところ、絶品だった。再度注文したところであるが楽しみである。鮎なら栃木県・林家の「六つ目籠入り焼きあゆ」は炭火で焼いた鮎が香ばしい。ふぐなら山口県・大小早川商店の「ふぐ刺し」は冷蔵で送られてくるのですぐに食べなければならないが、絶品である。これを味わうと店でふぐ刺しを注文する気がしなくなるほどだ。これらはいずれも日本酒に合うので、家飲みにはまさにぴったりでコロナ禍の「けがの功名」というべきだろうか。他にもいろいろ試してみたいと思っている。

同門会報

令和3年4月15日
毎年この時期になると同門会報が送られてくる。我々の時代は医師になったらほとんどの人は大学の医局に籍を置いて研修し、先輩医師にいろいろ教えてもらい技能を習得していくのが当たり前だった。そしていろんな病院に年単位で派遣され経験を積むことになっていた。幸い出身の岡山大学は中四国ほぼすべてに関連病院があり、たくさん経験することができた。
同門会報には31の関連病院の報告記事と9つの同門会支部だよりが載っていて、各地の様子が開業して医局人事から外れた今でもわかるのがうれしい。ただ、教えを受けた先生方の中には亡くなられた方も多く、自分も歳をとったものだと感じる。昨年の新入医局員は8人で、その紹介記事は楽しい。これからいろいろなことがあるだろうが、頑張ってほしいと思う。
同門会報を読むと新米医師だったころを思い出してなつかしい。

朧月夜

令和3年4月9日
4月になって日が長くなり、日中は暑さを感じるようになった。夕方散歩していると、周りの風景に小学校の時に習った「朧月夜」を思い出させるような風情を感じた。ほとんどの家が農家だった田舎では、学校に通うときに田んぼの畦道を通ることもあって、まさに「朧月夜」の歌詞と同じだった。菜の花も暮れ行く山の端の風景も、霞がかかったような夕暮れの生暖かさも、まるで自分たちの村の風景を歌っているように思っていた。歌詞は文語調で韻を踏んでいて曲もぴったり合っている。ただ、文語調なので言葉を正確に理解していなかったことを、ずいぶん後になって知った。「夕月かかりてにほひ淡し」の「にほひ」は匂いではなく「目に立つ色合い」という意味で、「さながら霞める」の「さながら」は「のこらず、すべて」ということである。小学校の時には習わなかったような気がするのだが…。やはり文語の詩は風情がある。絶えてほしくないものである。

菜の花畠に 入日薄れ、見渡す山の端 霞ふかし。
春風そよふく 空を見れば、夕月かかりて にほひ淡し。

里わの火影も、森の色も、田中の小路を たどる人も、
蛙のなくねも、鐘の音も、さながら霞める 朧月夜。

エイプリルフール

令和3年4月1日
朝の通勤時に新しいスーツで初出勤と思われる多くの若者とすれ違った。希望に燃えて社会へ踏み出す彼・彼女たちに「これからいろんなことがあるだろうが頑張ってな」という思いと同時に「若いっていいなあ」の思いが交錯した。
今日は4月1日、こんなニュースがあったらどうだろう。
①武漢コロナウイルスは人為的に作られたことが確認された。
②東京オリンピックは中止することになった。
③北方領土・尖閣諸島・竹島は正式に日本の領土になった。
④職場での健診は義務でなく任意とする。
⑤がん・老化を穏やかにソフトランディングできる医療体制が整う。
⑥反重力装置が発明された。
まだまだいくらでもありそうだが1つや2つは本当になったりして?