平成25年2月28日(木)
自転車通勤を始めてもう6年になる。高血圧対策で運動のために始めたのだが、往復6キロと距離も頃合い、道路も広くて快適、気分転換にもよいのですっかりはまってしまった。近頃はカッコいいスポーツサイクルで通勤する人が増えているが、最も乗りやすく機能的な自転車はママチャリであるとの信念から、チョッピりカッコ悪かったが結構高価なママチャリを買って機嫌よく使っていた。
3年前、偶然アシスト自転車に乗る機会がありその楽なことを経験してしまうと、運動のためという最初の目的はどこへやら楽チャリが欲しくなってしまった。ちょうど下肢静脈瘤が悪化して力を入れてペダルを漕ぐのがしんどくなっていたし、近所の開業医も楽チャリで通勤しているのを知ったこともあって、パナソニックの楽チャリを買ってしまった。楽チャリを使いはじめたらあまりの快適さに、もう普通の自転車には乗れなくなってしまった。静脈瘤も手術して良くなったけれど楽チャリをやめる気持ちはない。雨の日を除いて毎日機嫌良く通勤している。会合なども極力楽チャリを使うので、タクシー代がおおいに節約できる。だいたい1年で元を取っているのではなかろうか。
今日も気持ち良く楽チャリ通勤、2月にしては暖かな1日であるが、季節を肌で感じられるのはいいものである。
月別記事一覧 2013年2月
自転車通勤6年目
「夕顔」の稽古
平成25年2月21日(木)
琴古流尺八宗家が生田流白秋会の人たちと共に東京から来広され、尺八の演奏指導をしていただいた。今回は地唄「夕顔」を宗家の前で吹いたが、あとで録音したのを聞いてみて「進歩がない」と思ったことであった。
言い訳すると、前夜新年会で飲みすぎたせいか朝から唇が腫れていて、いつものような音が出ないので力みがあった。もっとも技能があればそのようなことは関係ないのだろうが。肩に力を入れないで自然にのびのびと演奏しないとダメである。
それでもプロの伴奏で尺八を吹くのはなんと気持ちのいいことか。日本の伝統音楽には汲めども尽きせぬ味があり、奥が深いものだと思ったことである。今は宗家の演奏をくりかえし聞いて、音の出し方や指使いなどをマネようとしているが、聞けば聞くほどすごい技術である。もっと練習しよう。
城下町へ行こう!
平成25年2月14日(木)
BS朝日に「歴史発見 城下町へ行こう!」という番組がある。全国に100以上ある城下町を俳優のピエール瀧が案内人となって紹介するという、歴史の好きな人間にはたまらなく面白い番組である。
以前から各地を旅する時にはできるだけ城を訪れるようにしていたが、この番組を見るようになってから一層興味がわいてきた。番組では各地の城にまつわる歴史、当時のありさま、現在の城下町の様子、食べものなどを現在そこに住んでいる人たちを交えて紹介している。以前訪れた城でも知らないことがたくさんあることがわかり、もう一度訪ねてみたくなった。最近では松山城に行ったが、歴史を調べて行けばより面白いだろう。以前に訪れた小倉城・熊本城・彦根城・松江城なども、もう一度行ってみたい城である。姫路城(白鷺城)は今改修中であるが、完成の暁にはあの優美な姿を見たいものだ。とりあえず次は鹿児島城(鶴丸城)を訪れようか。もっとも現在は焼失して城跡のみだそうであるが。
作家「団鬼六」と大崎善生著「赦す人」
平成25年2月6日(水)
NHKに「ファミリーヒストリー」という番組がある。著名人のルーツを調べ、映像にまとめて本人に見せて感想を聞くという趣向であるが、本人も知らなかった事実が発掘されたりして本人も驚くことがあり面白い番組である。
平成23年に亡くなった団鬼六氏は知る人ぞ知るSM作家であるが、将棋に精通しておりプロアマを問わず棋士たちとの交流を描いた秀逸なエッセイを数多く残している。氏のSM小説「花と蛇」は代表作と言われ映画化されてもいるが、私が興味を持ったのは氏のさまざまなジャンルの人たちとの交流を描いたエッセイ群である。ハチャメチャな父親とのさまざまなエピソード、大学時代のフランス語の教授との交流をはじめ、芸能人から裏社会の人まで相手を問わず面白く付き合っていく姿勢に、人間の大きさや懐の深さが感じられる。
氏が亡くなった翌年に、その生涯を描いた大崎善生著「赦す人」という優れたノンフィクション作品が出版された。著者の大崎氏は、広島出身の夭折した棋士村山聖氏の評伝、「聖の青春」で作家デビューした人である。大崎氏自身の作家になるまでの紆余曲折も興味深いが、なにより将棋を通じての団鬼六氏との交流があっての作品で、読んでいるとまさに「ファミリーヒストリー」を連想させる部分もあり実に面白い。大きな人間というものはまだまだ奥が深く、書かれていないこともたくさんあると思われるが、人の生きた軌跡は興味深いものだと思ったことである。