月別記事一覧 2010年2月

浅田真央選手とキム・ヨナ選手

平成22年2月25日(木)
春のように暖かい日々が続く。梅も咲き誇って桜の開花が待たれるような、そんな季節だ。折しも大学入試の真っ最中で、受験生は皆頑張っていることだろう。
冬季オリンピックももう終盤である。女子フィギアはどうなるか、とくに浅田真央選手とキム・ヨナ選手に世界中が注目している。キム選手の「オリンピックは何が起こるかわからない、優勝は神様が決めることだから気が楽です」という言葉は、真央選手の「全力でパーフェクトの演技をします」という言葉と対照的である。きっとキム選手はそう思うことで重圧をしのいでいるのだろう。本当に大変なストレスがあることだろう。才能のある人に与えられた責任なのかもしれない。われわれは楽しんで見ているだけなのだが。

子宮頸がん予防ワクチンの効果

平成22年2月10日(水)
最近、子宮癌の予防ワクチンについての問い合わせが多い。テレビや新聞で紹介しているからだろうが、他科のドクターからも聞かれる。
テレビでは、このワクチンを接種しておけば子宮癌が防げるので欧米では政府が無料で実施している国も多い、と報道しているようである。子宮頸癌はHPV(ヒト・パピローマウイルス)が最大の原因だとわかってきたことは事実である。HPVの種類は100近くあり、そのうちの16,18の型の感染が子宮癌の70%を占めているという。ワクチンはその16,18の型に対するものである。だからそれ以外のウイルスに対しては効果がない。
問題なのは、まず値段が高いことである。3回接種しなければならず、全部でおよそ5万円かかる。さらに、このワクチンを接種することで子宮癌による死亡数がどれくらい減るか試算してみる。わが国の子宮癌による年齢調整死亡率は2万人に1人である。だから2万人にワクチンを接種してすべて効果があったとして、子宮癌死亡数は2万人につき0.3人になる。つまり、19999人には打っても打たなくても死亡には関係ないことになる。しかも効果は7~8年しか続かないという。
わが国で毎年1000万人が罹患するインフルエンザのワクチンなら、まだ費用対効果があるだろう。なにしろ1回3~4000円でOKだから。でも子宮癌のワクチンは値段が高すぎるうえに費用対効果が低すぎないか。このワクチンは英国の製薬会社が開発したそうであるが、こういうものにお金をかけても喜ぶのは製薬会社だけである。それよりお金は介護にまわすべきである。介護事業はお金をかけるほど良くなるからである。

福岡伸一著「世界は分けてもわからない」

平成22年2月9日(火)
分子生物学者の福岡伸一氏の、動的平衡状態にあるのが生物である、という著書について以前紹介した。近刊の「世界は分けてもわからない」も科学者の様々な思いが綴られており、興味深い。
科学者は少年のような好奇心を持ち、緻密な頭脳と研究で未知を既知に変えていく。そういう人物は魅力的であり、そうでなければいい仕事はできないと思われる。硬直した考え方をする人たちは、どの分野でもいるが、それぞれの分野でその発展を阻害するのである。

故郷の冬

平成22年2月4日(木)
今日からまた寒い日が続くというが、同じ広島市でも安佐南区より北は温度差が結構あるようだ。祇園大橋を渡ると一挙に気候が変わるといわれている。そこより北では雪が降っていても旧市内は降雪なしのことも多い。
故郷の笠岡も海沿いの市内は温暖でも、実家のある北の盆地は結構寒かった。冬といえば霜柱、池の氷、つららはあたりまえの風景であった。朝、通学の時に田んぼの霜柱を踏む時のザクッという感触は、心地よいものだった。つららはポキッと折ってかじりながら歩いたものである。たまに砂糖をつけて食べるとうまいものだった。今はどうなのだろう、地球温暖化で昔のようではないのだろうか。