月別記事一覧 2009年3月

風の歌

平成21年3月30日(月)
このところ尺八の演奏会に行っていなかったので、やや演奏会飢餓状態になったので、知り合いの人に頼んでチケットを手配してもらい早速行ってみた。
島原帆山先生の系列の会なのでなかなか良かった。何人かプロをゲストとして招いており、そのなかの「風の歌」という曲を聞いた時は鳥肌が立つぐらい素晴らしいと思った。これはあの琴の名手沢井忠夫作曲の琴と尺八の曲で、初めて聞いた時からいつの日か自分も吹けるようになりたいと思っていた曲である。音も表現もすばらしく、プロのすごさに感じ入った次第である。この日はこの演奏を聴けただけでも充分だと思ったぐらいであった。
6月には藤原道山が広島に来るそうなのでこちらもぜひ行ってみたい。

妊婦健診の無料化

平成21年3月23日(月)
妊婦健診の無料化が4月から実施されることになった。といっても、完全な無料化ではなく、全額の7割から8割の援助であるが。それでも今までの2割程度の援助に比べればいいことである。とりあえず2年間の時限立法だそうである。
最近の政府は国民全員にお金を配ったり、高速道路を安くしたり、妊婦健診を援助したりしてせっせとお金をばらまいているが、財源は本当にしっかりしているのか心配である。ただ借金を増やして今だけいい目を見させてあとは知らないよ、としか考えられない政策のように感じられる。真偽のほどはあと10年もすればはっきりわかるだろうが、その頃には責任者は引退していて知らん顔だろう。借金を残されたこれからの人たちがかわいそうである。目先の人気取りより、将来を見据えた政策を行ってほしいものだ。きちんと説明すれば多くの人は納得するはずである。

急速に進行したがん

平成21年3月11日(水)
啓蟄を迎えすっかり春めいてきた。今年は例年と比べて暖かい日が続いて、コートを必要とする日がほとんどなかった。これも地球温暖化の影響だろうか。
カルテの整理をしていて、数年前に亡くなられた患者さんのことを思い出した。何年かに一度ずつ子宮がん検診に来られていたが、ある時一目でがんとわかる状態で来られ、すぐに病院に紹介して治療を行ったが1年後に亡くなられたのである。その前に診た時は肉眼的にも異常なく、もちろん細胞診にも異常は認められなかった。亡くなられたことは、お母様が来院されてお話を聞いてわかったのだが、まだ三十代の娘さんを亡くされた悲しみはいかばかりかと思うと、お悔やみの言葉もないぐらいであった。若い人に急速に進行するがんは、定期検診の回数を増しても防げるものなのだろうか。治るがんと治らないがんの違いは、近藤誠氏が言うように、医学では現在のところどうしようもないものなのだろうか。
春めいたおだやかな日だけに一層しんとした気持になった。合掌。

卒業式の仰げば尊し

平成21年3月4日(水)
先日、息子の高校の卒業式にはじめて出席した。上の娘たちの卒業式は出たことがなかったので、まあ最後だし、と思って出てみたがなかなか良かった。校長先生の話もよかったが、送辞が素晴らしくさすがだと感心していたら、答辞はそれを上回るほどのものであった。はるか昔の自分の卒業式の様子はどうだったか思いだそうとしてみたが、あまり記憶にないところをみると感動的ではなかったのだろう。
久しぶりに「仰げば尊し」を一緒に歌ったが、いい歌だと思う。なにより歌詞がいい。文語で七五調の歌詞は文部省唱歌以来聞いたことがないが、「係り結び」など思い出して懐かしいことであった。かつては中国は日本にとって今の米国のようであったから、中国の文章を翻訳して使った訳文が文語だったのではないだろうか。もう今後復活することはないだろうが、子供たちの最後の卒業式だとの思いと重なってちょっとさびしく思ったことである。