急速に進行したがん

平成21年3月11日(水)
啓蟄を迎えすっかり春めいてきた。今年は例年と比べて暖かい日が続いて、コートを必要とする日がほとんどなかった。これも地球温暖化の影響だろうか。
カルテの整理をしていて、数年前に亡くなられた患者さんのことを思い出した。何年かに一度ずつ子宮がん検診に来られていたが、ある時一目でがんとわかる状態で来られ、すぐに病院に紹介して治療を行ったが1年後に亡くなられたのである。その前に診た時は肉眼的にも異常なく、もちろん細胞診にも異常は認められなかった。亡くなられたことは、お母様が来院されてお話を聞いてわかったのだが、まだ三十代の娘さんを亡くされた悲しみはいかばかりかと思うと、お悔やみの言葉もないぐらいであった。若い人に急速に進行するがんは、定期検診の回数を増しても防げるものなのだろうか。治るがんと治らないがんの違いは、近藤誠氏が言うように、医学では現在のところどうしようもないものなのだろうか。
春めいたおだやかな日だけに一層しんとした気持になった。合掌。