月別記事一覧 2004年5月

タバコはうまかった

平成16年5月10日(月)
朝クリニック開始前に某病院に行き、婦人科健診をする。ここは企業の健診や人間ドックが多く、婦人科がないため週1回婦人科健診を手伝うのである。初めの頃はかなり人数も多かったのだが最近は希望者が少ないようだ。終わった後急いで自分のクリニックに到着、仕事を始める。午後に私の入っているビルのオーナーの耳鼻科のクリニックで診てもらう。昔から鼻炎、ポリープなどあって耳鼻科とは切っても切れない関係であった。だから同じビルで受診できるのは本当にありがたいことである。私は至って健康なのだがどうも耳鼻科系が弱いようだ。だから4年前にタバコもやめた。もし何ともなかったらきっと今でもヘビースモーカーだろう。人生の楽しみは悪徳にあるとの箴言があるが、確かにタバコはうまかった。もう吸う気はないが、あのうまさは記憶のひだにしみついているのである。

ポケットベルの音

平成16年5月8日(土)
最近は土曜日の方がゆっくりしている。以前は逆だったのだが、なぜだかわからないが最近はこうなっているのだ。週休二日は私にとっては関係ないこと。勤務医時代は休みが貴重だった。お産がたくさんあり、夜中に起こされることが多かったので睡眠のリズムが狂い、休日はリラックスできる大切な日だったのだ。そういう生活を20年近くおくっていると、ポケットベルや電話の音に強い反応を示すようになる。たとえば夜中に病院から家に電話があると、家人が起きてしま うのでポケットベルを鳴らしてもらうようにしていた。だから深く寝込んでいてもポケットベルには反応してすぐに目覚めていたのである。開業してからはお産がないので夜に起こされることはほとんどないので反応が鈍くなっているようだ。ただ、習慣でいまも携帯電話は風呂とトイレ以外はつねにそばに置いている。産婦人科医の習性だろうか。

男女間のトラブル

平成16年5月7日(金)
男女間でのトラブルが多いのは、妊娠が関係している時だ。人間の本質が見えるのは争いの時だろうと思うが、妊娠があるとそれが深刻になることが多い。それに加えてお金。こういう仕事をしているといやでも色々なことが目に入る。そういう時いつも思うのはそれぞれの立場での真実である。100%悪人もいなけれ ば100%善人もいない。それぞれのエゴと相手に対する思いやりの間で気持ちは揺れ動くのである。私としてはどうしても患者さんの方を好意的に見ようとするが、どう考えても相手の男性が気の毒なケースもある。
ただ、男であれ女であれ小ざかしく立ち回って得したように見えても、もっと大いなるものから見れば結局は損も得もないように思う。人をだませばかならず自分にかえってくると思っていたほうがいい。今日も多忙な一日だった。

北山修のコンサート

平成16年5月6日(木)
連休が終わってしまった。大阪でのコンサートはなかなかよかった。さすが北山修である。長崎や愛媛など全国から50台~60台のおじさんやおばさんが集まっていた。団塊の世代がほとんどだろう。かく言う私もそのはじっこにいるのだ。最近はこれらの世代の人達がいやに目立っている。さすがに人数の最も多い世代で、きびしい生存競争をくぐりぬけてきた人だけに、そのパワーには目を見張るものがある。
今日は半日なのだが、患者さんが多かった。深刻な話はなく、ごく普通の日常にもどったという感じである。

カレンダーどおり

平成16年5月1日(土)
世の中は連休に突入だが当院はカレンダーどおり。今日は思ったより患者さんが少ない。差し迫った人と妊婦さんなどがちらほら。こういう日は合間に本を読む。夏目漱石人生論集、読むほどにすごい人物だと思う。警世の言葉も現代にぴったりで全く古びてない。思うに真理は過去、現在、未来をとわず永遠なのだろう。そしてそれを知る事ができるのはそれらの人達が遺した言葉のおかげである。先人の到達した真理、心境をうかがう事ができるのも言葉(文書)があるからだ。言葉は本当に大切である。人を理解するのも信頼しあえるのも、同時に人と人との関係を破壊するのも言葉である。
今日もダイエット無月経の人あり。ダイエットは体に悪い。それもダイエットが必要な人はせず、十分スリムな人に限ってさらにダイエットして無月経になる。困ったことだ。
明日から4連休。何をするかまだ決めてはいないが、北山修(若い人は知らないだろうが「帰ってきた酔っぱらい」などをうたい、詩も一杯書いた伝説のフォークグループの一人、現在九州大学医学部教授)のコンサートには行くつもりだ。