平成28年3月5日(土)
以前にも書いたが、そごうにあったうなぎの店「伊勢定」が撤退して以来ずっとうまいうなぎを探している。広島県内はもとより近県でも美味しいとの評判を聞くと早速出かけて試している。どの店もそれなりに美味しいが、好みの問題だろうが「伊勢定」を凌ぐうなぎにはめったに出会えない。小倉「舎田庵」、今治「うなぎや」、松江「山美世」、福山「なか勝」、奈良「川はら」、京都「まえはら」などに行ったが、「まえはら」のうな重は絶品で私的には最高のうなぎである。
広島では「こだに」、「うな月」、「雲海」、「たこつぼ」が美味しいが、気に入っているのは「たこつぼ」のうな重である。ここは三越の地下にも持ち帰りのうなぎとして出していてよく使うけれど、店で食べるのが一番うまい。
今のような蒲焼きになったのは戸時代といわれているが、なんといっても醤油、みりん、砂糖などで店ごとにたれを工夫して作り、開いて蒸したうなぎにしみこませながら何度も焼いて、あつあつのごはんにのせて山椒をふって食べるのは最高である。これに肝吸いと漬物がついて我が国の食文化「うな重」の完成である。うなぎが焼きあがるまで肝焼きでちびちび飲みながら待つのもいいものである。またうなぎが食べたくなった。
カテゴリー うまいもん
うなぎ考(2)
再び和歌山へ
平成27年11月26日(木)
連休を利用して和歌山へ行ってきた。メインの目的は軽音楽部でピアノを担当していた息子の大学最後の定期演奏会を聴きに行くことであるが、ついでに前回行けなかったところも訪れてみよう、美味しいものも食べてみようと思ったからである。大学内の講堂での演奏会は満席・立ち見の盛況で、1ステージ6曲を3ステージ、全部で18曲をほぼ3時間かけて演奏するものだった。いずれも迫力のあるレベルの高い演奏で、しっかり楽しませてもらった。2年間バンドマスターを務めた息子はなんと半分の9曲に出演し、すべて楽譜なしで演奏しており、プログラムの「ピアノばかり弾いていたらいつの間にか6年経ちました」は真実だと思った次第である。卒業生たちの感動的な場面もあり、定期演奏会は初めてだったが来てよかった。
前から行ってみたかった「オテル・ド・ヨシノ」でひさびさのフランス料理、いいものが少しずつ出され堪能した。翌日はレンタカーで紀州東照宮、和歌浦天満宮、番所庭園、風土記の丘、県立博物館などを巡って特急くろしおで大阪へ。法善寺横丁の串揚げ「wasabi」で夕食、以前行ったことのある黒門市場の「六覺燈」も良かったが、また違った工夫が見事であった。翌日は京都へ寄ってみたがあまりの人の多さにげんなり、市街を散策し「まえはら」でうなぎ、辻留の弁当を仕入れて帰広、食べるばかりしているようだがそうなのである。でもいい息抜きになった。
美しい姫路城
平成27年10月16日(金)
天守閣の修復が完成した姫路城に休日を利用して訪れた。以前から新幹線で姫路を通過する時お城を見ようと思っても、ずいぶん長い間覆いがかけられて見ることができなかったが、晴れて修復が終わったと聞き行ってみる気になったのである。姫路は医師になって初めて研修医として赴任した地で、病院の看護婦さんたちと姫路城の広場で夜桜酒盛りをした思い出があるが、あの時は寒かった。当時は世界遺産などという厚化粧もなく、ひたすら美しいお城で春は花見客でにぎわい、天守閣に登るのも簡単であった。今回訪れて驚いたことは、観光客の多さである。お城に入るのに90分待ちで、入った後も通過するだけでゆっくり見る暇はなかった。せっかく昔を思い出しながらしみじみ歩いてみようと思っていたが、残念だった。
姫路での昼食はネットで調べて予約しておいた広東・四川料理「避風塘ふじた」に行った。小さな店だが地元の人が勧めるだけあって実に美味しく、丁寧に作られた料理(飲茶)をリーゾナブルな値段でいただいた。接客も良く大いに満足した。次に訪れる時には観光客の少ない平日に姫路城を見て、この店で夕食を食べてみたい。
「そば」について
平成27年10月9日(金)
「そば」についてのエッセイでは池波正太郎氏の作品が知られているが、氏は店が込み合っていない午後に行きつけの蕎麦屋にふらりと入り、軽いつまみで酒を1~2合飲み、もりそばをたぐってさっと引き上げる、というようなふるまいを書いている。私も「そば」は好きなのでちょくちょく食べに行くが、よく行くのは「はっぴ」と「そば切り吟」である。どちらも「そば」がすばらしく、つゆもそれぞれ微妙に異なるが美味しく甲乙つけがたい味である。つまみも品数は少ないがビール、日本酒に合うものを用意していて好きである。「つまみ」の種類とおいしさではそごうに出店している「藪そば」がいい。ここのかき揚げとだし巻きは、さすが日本の名店だと思わせる味である。
「そば」そのものでは高橋邦弘名人の「雪花山房」が素晴らしかったが、残念ながら今年の5月に閉店したそうである。高橋氏は今もそば打ちの指導に全国を回っているらしい。拠点を大分県に移すといううわさもあるが真相はわからない。最近宮島に高橋名人系列の「翁」ができたそうである。ぜひ行ってみたいと思っている。
ラーメン考
平成27年8月29日(土)
ラーメンは元来は中国の食べ物だったのだろうが、日本に伝わって我々の好みに合うように改良がくわえられ、今ではカレーライスと同じように国民食といってもいい食べ物になっている。中区だけでも150軒以上のラーメン店があるそうだが、クリニックの近くにもいろんなラーメンの店ができている。「一風堂」「ばりうま」「我馬」「一竜」「一蘭」他多数あるが、よく行くのは「海風道」である。この店は初めは立町にあり、麺とスープのバランスがよく、焼き豚と味玉が絶品で毎週通っていたが、吉島に移転したのでたまにしか行けなくなっていた。今は八丁堀に帰ってきたのでちょくちょく行っている。
流川で飲んだ後の締めに行くのは新天地公園のそばにある「うぐいす」である。この店のラーメンはあっさりしているので妙に食べたくなる。近頃はすぐに腹いっぱいになり、残念ながら締めのラーメンをあきらめることが多くなったのは歳のせいか。インスタントなら「うまかっちゃん」が好きで、発作的に食べたくなると水を少なめにして刻みネギを加えて自分でつくる。いずれにしてもラーメンは、昔からのあたりまえにある食べ物になっている。
うまいパスタ
平成27年4月24日(金)
以前は肉が大好物だったが年とともに次第に和食がよくなって、今ではうまい肴に日本酒がこたえられない組み合わせになっている。もちろんピザやパスタも食べたくなる頻度は減っているが好物には変わりない。
20年近く前に千田公園のそばに「伊谷屋」という小さなイタリア料理を出す店があった。そこの和風パスタは絶品で、しばしば通っていた。そのうちに店を移転し大きくして評判も良かったのだが、無農薬野菜を求めて?庄原に移転しそのあとはどうなったのかは知らないが、あのパスタは良かった。今のお気に入りは白島電停の近くの「ペロー」のパスタである。2~3人で行って別々のパスタを頼んでも分けて持ってきてくれるのがうれしい。味はこれまた絶品である。人気店なので予約が取れないこともあるが、パスタが食べたくなったら電話するようにしている。
奈良国立博物館
平成26年7月25日(金)
久しぶりの移動可能な連休だったので、奈良国立博物館の特別展「醍醐寺のすべて」を見に行くということで計画を立てた。まず和歌山にいる息子のところを訪ねてから夕方、奈良に行くことにした。彼の入学以来、紀三井寺を訪れるのは5年ぶりである。大学と附属病院を案内してもらい、おすすめの店でおいしい昼食、和歌山城見学まで付き合ってくれた。夕食は奈良唯一の三ツ星「和やまむら」が偶然予約できたのでカウンターで食したが、胃の調子があまり良くなく日本酒が飲めなかったのは残念だった。
翌日は涼しいうちに春日大社を散策し奈良国立博物館へ。特別展は、国宝と重要文化財がこれでもかというほど展示されており、世界文化遺産にも指定されている醍醐寺の歴史に圧倒された。三条通りを歩いていると「うなぎ川はら」ののれんが見つかり、久しぶりのうなぎに舌つづみ。あまりに暑いので奈良公園の木陰で一休みしたが、風がよく通って心地よく思わず眠ってしまった。夕方、京都伊勢丹で菱岩の弁当を受け取り新幹線で帰広。弁当は菱岩が群を抜いていると思う。このところ予約すらできなかったのが、久しぶりに手に入ったので日本酒とともにおいしくいただいた。いい旅であった。
最近の昼食(2)
平成26年7月11日(金)
以前にも書いたが開業して十数年、昼食に行く店は大筋では変わらないが、閉店や味・好みの変化などで微妙に変わってきている。ずっと通い続けている店もあるが、いつの間にかレギュラー店から入れ替わった店もある。
初めから変わらず通っているのは「小太郎(串焼き)」「讃岐屋(うどん、他)」「一楽章(カレー)」「とくみ鮨(鮨)」「中屋(あなご丼)」「天甲(てんぷら)」で、初めの3店はほぼ毎週!飽きずに通っている。あとの3店は1~2か月に1回ぐらい。今のレギュラー店は先の3店に加えて、「菊屋(とんかつ)」「こけもも(ビーフカツ)」であるが、じつにうまい。ただ、さすがに年を取ると食べられなくなるというか、以前ほどお腹がすいたという感覚がなくなってきているのはさびしいことである。
休日であれば「はっぴ(そば)」「ペロー(パスタ)」「そばきり吟(そば)」などに行くが、飽きない味でしばらくするとまた行きたくなる店である。おいしく食べられるうちが花なので、いつまで行けるかわからないができるだけ続けたいものである。
久しぶりの京都
平成26年4月10日(木)
3月下旬のことであるが、京都博物館で印象派展(パリ・セーヌ・ノルマンディーの水辺をたどる旅)が開かれているので、久しぶりに行ってきた。京都では宿がとりにくいので大阪に泊まり翌日京都に行くという、いつものパターンである。ありがたいことに予約の取りにくい居酒屋「島之内一陽」がとれたのでうまい肴でゆっくり楽しめた。値段もリーズナブルで、これなら人気店になるだろうと納得。店主は可部出身とのこと、これだけの店を競争の激しい大阪の中心でやっているのは立派である。
翌日は東寺を訪れて国宝五重塔や春季特別公開の国宝・重文を鑑賞、桜の咲く前だったので人出もそれほどではなく、ゆっくり見ることができた。ところが京都博物館の印象派展は人を見に行ったようなもので、早々に退散した。昼は伊勢定が撤退した広島でうなぎに飢えていたのでミシュラン一つ星の「まえはら」へ行き、実においしいうなぎを食べることができた。寿命が延びたと思った。(年をとるといいことがあると「寿命が延びた」と言い、さらに高齢になると「冥途の土産」というらしい)
最近の昼食
平成25年8月30日(金)
開業して16年、気にいった店には飽きもせず毎週1度は食べに行っている。かつて気にいって通っていたが、店主が高齢のため閉めたり、そのほかの理由で現在なくなった店などもあり時の流れを感じる。それでも多くの店はこの十数年変わらず、美味しい料理を提供してくれているのはありがたいことである。
偶然見つけた「こけもも」という店のビーフカツはいい肉を使って塩加減、焼き加減が好みにピッタリで毎週通うようになり、昼食のローテーションに入ってしまった。ここは1年前に若い夫婦のシェフが始めた小さな店だが、味がしっかりしているのでいつも満席である。奥さんシェフは広島の老舗洋食屋「広亭タナカ」の長女さんとのことで、さすがだと思ったことである。若い才能が出てくるのはすばらしいことで、このまま頑張っていってほしい。