平成23年2月18日(金)
日本の周辺の軍事大国にはモラルがないように見える。北の大国は太平洋戦争末期に、条約を無視して突然北方領土を占領していまだに居座っている。隣の個人独裁国はわが国の何の罪もない人たちを拉致し、いまだに帰さない。わが国が飛鳥時代から朝貢を続けてきた国は一党独裁で、権力主義と拝金主義が国を覆い尽くしている。
これらの国に共通しているのは個人であれ党であれ独裁である、ということだ。独裁になると権力は必ず腐敗して末路は哀れなことになる。隣の大国からわが国は「論語」をはじめすばらしい思想を学び、行動規範のバックボーンにしてきた。なのに一党独裁になってしまった今のモラルのなさはどうしたことであろう。ついでに言うと、規模は小さいけれど相撲界も同じ道を歩んでいるようだ。大きな声では言えないが警察組織が一番心配である。内部公開が一度もされたことがないのは問題である。
わが国の政治体制は、これらの国やわが国に原子爆弾を落とした国と比べてみたら、かなりマシであると思う。でも民主主義の弱点は衆愚政治に陥りやすいことと、正しいことでも素早く進めることが難しい、ということである。これらをどうしたら少しでも改善できるかが、永遠のテーマである。
カテゴリー 日誌
周囲の国々のモラル
妊娠の不思議
平成23年2月10日(木)
研修医の頃、看護学生の母性の講義を受け持ったとき、学生から「胎児と母胎の血液型が違う場合になぜ流産しないのか」と聞かれて困ったことがある。胎児の遺伝子の半分は父親由来で半分は母親由来である。免疫学的には拒絶されるのがあたりまえであるが、不思議なことに妊娠は維持される。
それは妊娠時のみ、父親抗原に対して免疫学的寛容になるからであるが、その際、父親由来の組織を母胎に移植した場合生着するという(マウスでの実験であるがヒトでも同じだろう)。ただし、妊娠が終了すると移植片は排除される。
精液中に抗原が含まれており、妊娠前から免疫学的寛容がおこっていて、妊娠維持に有利になっているという。つまり、妊娠前に同棲期間の短いハネムーンベイビーやコンドームでの避妊の後に妊娠した場合の方が、流産などのリスクが高くなるらしい。妊娠を希望しているカップルには、おおいに頑張ってもらいたいものである。
寒い日々
平成23年2月2日(水)
先週末より今週にかけて寒い日が続き、日本海側では大雪で交通の混乱が起きている。広島は今日あたりから普通になってきたが、月曜日の朝、アシスト自転車のスイッチを入れるとランプが点滅する。こんなことは初めてだったが、一応動くので時間もないしそのままクリニックまで乗ってきたが、電池が無くなってしまった。アシストの電池が無くなれば、普通より漕ぐのが重いただの自転車になる。
後で調べたら、寒い日は電池の消費速度が極端に早くなるとのこと。電池をはずして室内に置いておけば問題なかったらしい。アシストを使いだして2回目の冬だが初めての経験で、それだけ寒かったということだ。おかげで帰りの自転車はいい運動になった。
風邪
平成23年1月27日(木)
数日前からのどが痛く、今日は朝からボーッとしてくしゃみ、鼻水が出て風邪のようだ。熱を測ってみたら36,5度と平熱である。それでも午後から休診の日なのでゆっくり休むことにした。スポーツクラブも夜の勉強会も欠席して暖かくして早寝がいちばんである。
昔から自分はめったに風邪をひかない。今から13年前、開業して間もないころクリニックのスタッフ、カミさんも含めほぼ全員が交代でインフルエンザに罹ったことがある。39度以上熱がでてほんとにしんどかったのを覚えている。それ以降はありがたいことに軽い鼻風邪ぐらいで済んでいたが今回は若干しんどいようである。まあ、おいしいものを食べて暖かくして寝れば治るだろう。
脳の性差
平成23年1月21日(金)
研修会があり、精神科の先生の興味深い話を聞いた。男性と女性の脳の性差についてである。
女性は男性に比べて①言葉を発する時間が長く相手との関係を深めようとする②お互いの気持ちや人間関係に関する話題が多い、など「共感・仲間づくり」がベースである。対して男性は①言葉を発する時間が短い②自分の知識、技能、地位を誇示する言葉をよく使う③相手の言葉をさえぎって自分の意見を主張するなど、「序列志向、システム志向」が強いという。
もちろんその比率は個人で異なるだろうが、確かに腑に落ちる話である。女性のコミュニケーションの能力は、男性よりはるかに強い。仲間を作って気持ちよく暮らしていくには女性の脳が優れていて、獲物を獲ったり外敵から仲間を守ったりするには男性の脳が優れているのだろう。両方あってこそ、命が続いてきたのである。うまくできているものだ。
妻の肖像
平成23年1月12日(水)
ジャーナリスト徳岡孝夫氏の「妻の肖像」という著書がある。45年間連れ添った奥様が、腎臓の腫瘍で数カ月で亡くなられたのを契機に、氏の人生、奥様との出会い、家族との生活、妻亡き後の想いなどが淡々としたためられていて心打たれる。
著書の中に「人間はこの世に生きて何をするか?私はまだ終わりきらない自己の人生を顧み、『死者を悼むこと。子を産むこと。それ以外はなにも大切なことはない』と感じる」とあるが、新聞記者として、ジャーナリストとして、作家としてすばらしい仕事をしてきた氏の言葉だけに、いっそう重みがある。また、妻との45年間の生活は一瞬のことだったと回想して「人の一生は邯鄲一炊の夢である」という。まさにその通りだと思う。そしてその中にこそ人生の喜びや悲しみがつまっているのである。自分が老いて死ぬときにはどんな心境になっているのだろうか。
初詣
平成23年1月4日(火)
謹賀新年 あけましておめでとうございます
本日より診療開始である。正月は基本的に寝正月だったが、2日には久しぶりに宮島へ初詣に行った。車で行くのは無理だと思い、電車で行ったが車内は鮨詰め状態でフェリーも満員であった。厳島神社の入り口にも長い列ができていて、さすがに世界遺産だと感心した次第である。これだけの人数の願い事をはたして神様は聞く事ができるのだろうか?昼食は予約しておいた「岩惣」であなごをいただく。
今年はどんな年になるかわからないが、「一期一会」の気持ちでやっていこうと思う。今年もよろしくお願い申し上げます。
一年をふり返って
平成22年12月29日(水)
今年最後の診療日である。市内の産婦人科の半分以上はもう休みに入っているようだ。仕事おさめを終えた多くの人たちは新年を迎える準備や、休みを利用した旅行、遊びなどに余念がないように思われる。今日はこの一年を振り返りながら診療をしていこうと思う。
この一年は今までで最も色々なことがおこった年だった。いいことも悪いことも…つくづく思うのは人生は振り子のようなもので、振幅が大きければ大きな良いことと悪いことがおこり、振幅が小さければ小さなそれらがおこるのではないか。もっとも、良いこと悪いことはその人から見たことで、他人から見たらあるいは神の眼から見たら異なるかもしれないが。それでも他人から見たら些細なことでも、本人にとっては重大なことは一杯ある。
毎年、こうした思いを繰り返しながら年老いて行き、消えて行くのだと思う。それでも、その小さな喜びや悲しみの中に人生の味わいがあるのだろう。今年一年、ありがとうございました。
子宮がん予防ワクチン
平成22年12月24日(金)
広島市では来年から、子宮がんを予防するワクチンを、中学1年生から高校1年生までの女子に無料で接種することになるらしい。対象人数は2万人弱と思われるがかなりの予算が必要だろう。なんでも国と自治体が費用を折半するとか。
いいことだとは思うのだが、費用対効果を考えると疑問がある。現在のところワクチンは英国製薬会社の独占で、非常に高い値付けになっており、もっと国として交渉して、安くしなければ実施は先送りするとか、近く発売される別の製薬会社のワクチンと競合させるとか、税金の無駄遣いをなくすべく努力をしなければダメである。
わが国の子宮がんによる年齢調節死亡率は年間、2万人に1人である。上記の女子全員にワクチンを接種したとして、将来子宮がんによる年間1人の死亡を0,3人にすることができるというふれこみではあるが。
菊屋のとんかつ
平成22年12月16日(木)
一段と寒さが厳しくなり、朝夕の自転車通勤に完全な冬支度が必要になってきた。混乱していた受付事務の交代も落ち着いてきて、いつものペースに戻ってきたのはありがたいことである。
やっと昼食を自由にとれるようになったので2週間ぶりに「菊屋」に行ってロースかつを食べたが、やはり旨い。とんかつは以前は近くにある「れんが亭」で黒豚ロースかつ一辺倒だったのだが、数年前に「快食com」で「菊屋」を知ってからは少々遠いけれど自転車で通っている。
クリニックの近くには食べもの屋はいっぱいあって、たとえば隣のビルにも2軒、その隣にも古くからの大衆食堂があり、筋向いのビルにはイタめし屋がある。2軒隣にはタイ料理の店など、過密している。それでも行く店は限られていて、注文するものもほぼ同じになるのは不思議なことである。