「すべてがFになる」

令和8男8月27日
表題は森博嗣氏が1,996年に著したミステリー小説である。以前にも紹介したが、氏は名古屋大学工学部の助教授時代に、庭園鉄道を作りたいためにアルバイトのつもりで書いた作品のうち表題の作品を出版社が刊行して評判になり、第1回メフィスト賞を受賞したのである。メフィスト賞は出版社がこの作品のために作ったもので、いかに期待されたのかがわかる。
森氏の独特の考えや緻密な頭脳は、氏のエッセイ「お金の減らし方」「作家の収支」「孤独の価値」「集中力はいらない」などの著書を読んで感じていたが、小説を読むのは今回が初めてだった。この作品が文庫本になったのが1,998年、私が買ったのは2,026年3月発行でなんと!97刷である。氏の作品で最も売れ、いまだに売れ続けている。今回初めて読んだが、人物描写も優れているし、なにより理科系の人が書いたんだと思わせる設定で荒唐無稽ではあるが、素直に面白く読みだすと次を読みたくなり、久しぶりに面白いミステリーを堪能した。
氏は結局大学の教官を止めて作家に専念したが、充分収入もあったので広い土地を買い念願の庭園鉄道を作り、毎日遊んでいるようだ。氏の庭園鉄道やラジコン飛行機遊びなどのサイトを見ると、毎日趣味の生活で楽しそうである。世の中にはいろんな人がいると感心する次第である。