「クマの生態とは」

月刊保団連の特集「クマ出没と私たちの社会」で北海道大学名誉教授の坪田敏男氏による「冬眠と繁殖に見る独特な生理機構」にクマの生態がわかりやすく書かれていて、興味深かった。
世界にクマは8種類現存していて日本には北海道にヒグマ、本州・四国にはツキノワグマが生息している。ともに食肉類だが食性は草食に偏った雑食である。そのため餌の少ない冬は冬眠するようになった。クマ類の冬眠は、体温の降下度が小さい・中途覚醒がない・筋肉や骨の退行がない、などの特徴を有する。メスでは、初夏の交尾後に着床遅延が見られ、冬眠導入期(11月下旬~12月上旬)に着床する。その2か月後(1月下旬~2月上旬に出産する。出産数はおおむね2頭、メスクマは冬眠したままで、子熊は乳を吸って大きくなる。4月下旬~5月上旬には母グマについて歩けるまでに成長している。
冬眠中には排便も排尿も一切なく、代謝を落としているが出産はでき、子は勝手に乳を吸い成長する。よくまあこんなことができるように適応したものだと思う。生物は適応しないものは途絶えるというが、クマは環境に適応して生き残ったのである。以前、動物学者の畑正憲氏が北海道の島でヒグマと暮らした著作を読んだが、確かにクマは魅力的な動物だと思う。ただし、ヒトの領域にはいってこなければであるが。