「新型コロナとワクチンのひみつ」

令和3年5月13日
表題は近藤誠医師による近著である。新型コロナが世界中に広がってからこの感染症について様々な書籍が発売された。感染症の専門家によるものから社会・経済専門家からのものまで多くの著書を読んでみた。医療専門誌にもいろんな記事・論文が出ている。この1年半にわたって行われていることは、「マスクをして3密を避けること」と「早くワクチンを打つ」ということだけだ。それでも感染をおさえることは難しく、簡単に終息させることは無理のように思える。
近藤医師の著書は一般向けに分かりやすく書いているが、多くの論文に基づいた的確な説明で、新型コロナとは何か、免疫とは何か、過去のパンデミック・スペイン風邪との比較、ワクチンの話など余すところなく解説していてタイムリーな著作である。語っている内容にはすべて引用文献の記載があり、わからないことはわからないとはっきり述べている。今後の予測についても納得できるもので、いい本を著してくれたものだと思う。