製薬会社と医師の関係

平成26年6月12日(木)
ノバルティス社の降圧剤のデータ改竄問題で、ノ社側から逮捕者が出た。東京地検特捜部が動いたためで、大学側も徹底的に追及されることだろう。製薬会社は薬を売るのが仕事だから、何とかして売ろうとする。今回のような問題は過去にもあったに違いないが、こんなインチキをしなくても本当にいい薬ならば使われるはずである。多くの医師は患者さんを治すために有効な薬を選んでいる。そしてベテランになればかなりの確率で良否を見分けることができるようになるが、今回のようにデータそのものを改竄した論文はタチが悪いと言わざるを得ない。
製薬会社と医師の関係は利益を共有する部分があるので深くなりがちである。医師側は、患者さんを治すために有効な薬を求めており、製薬会社は薬が売れれば儲かるという関係である。以前は薬価差益があったので薬を出せば医師も利益があったが、今はほとんどないのでその意味での利益の共有はないが、製薬会社にとっては売り上げを増やすことが一番なので宣伝・接待などの働きかけをする。医師にとってはいい薬かどうかだけがポイントである。だから製薬会社との付き合いは、できるだけ淡くすることが肝要である。