健診よりも保険証受診

平成21年12月9日(水)
健康診断やドックがかえっていらぬ心配をさせたり、むだな検査を増やしたりで、いいことはないと思っているが、先日健康診断のがん検診で卵巣腫瘍が見つかった人がいた。
自治体の行っている子宮がん検診も、ドックなどの健診も、基本的には内診して細胞を採取するだけで、きちんとした超音波などによる画像診断をするわけではない。文字通り「子宮がん検診」だけである。もちろん、内診で子宮や卵巣に異常を認めれば、詳しい検査をするように勧めるけれど、もしイヤだといわれればそれまでである。内診では診断に限界があり熟練した医師が慎重に診察しても、見逃しはある。今回の場合は、内診では非常にわかりにくく、別の症状があったので詳しい検査をした方がよいとお話して超音波検査をして見つかったのである。
なんらかの症状がある人はドックなどに行かずに、保険証を持って医療機関を受診すべきである。医療は本来、現在良くない状態を少しでも良くするのが使命であり、どこも悪いと思っていない人を無理やり検査して、怖がらせることではないだろう。早期発見、早期治療が本当に生命予後を伸ばしているというデータがないかぎり、これらの健診は不要だろう。