養老孟司氏の本

平成21年4月25日(土)
このところ養老孟司にはまっている。以前「バカの壁」がベストセラーになった頃にはあまり興味がなかったのだが、色々読んでみるとものの見方がユニークだけれど腑に落ちて思わず「そうなんだ」とうなずいてしまう。
著者は東大で解剖を30年にわたってやりながら思索してきたが、解剖学の手法と緻密な頭脳がこの考え方を生んだのだろう。ヒトを脳と身体に分けてとらえると同時に、人間の世界を脳が創り出した環境=近代化と自然=田舎に対比してみるという考え方は、そう言われてみればさまざまの人の世の現象に説明をつけることができる真理だと言ってもいいのではなかろうか。
すぐれた人の考えを知ることができることは、じつに幸せなことである。