尺八の話

平成16年5月20日(木)
今日は尺八の話。尺八は1尺8寸の竹に5個の穴をあけたものであるが、上端に歌口がついているだけの非常にシンプルな楽器である。リコーダーに似ているが、歌口の部分は斜めに切ってあるだけなので音を出すだけでも難しく、初めは全く音が出なかった。数ヶ月続けたがあまりいい音が出ず、一時やめようかと思ったが「3年やってだめならやめよう、石の上にも3年と言うし」と決めた頃から音が出るようになった。尺八の音は倍音が幾重にも重なり、リコーダーなどではだせない複雑玄妙な音が出せる。5つの穴ですべての音を出すためには、息の吹き方と穴のふさぎ方を組み合わせなければならないので、これが最も難しい。フルートなどは、穴のふさぎ方を機械的にできるように工夫してあるのでそういう意味での苦労はない。尺八では吹く人の職人芸が要求される分、微妙な味わいがあると思われる。典型的な和楽器といわれる所以である。発祥はアジアらしく、紀元6~7世紀に日本に伝わったとのことだ。正倉院には尺八がおさめられている。どういうわけか外国人が尺八にはまるようである。1994年の夏、第1回国際尺八フェスティバルが岡山県の美星町で開かれた。ちなみに美星町は私の故郷に近く、高校時代の同級生も美星町出身者がいて、自宅に遊びに行ったこともある。「日本一星の美しい町」とのキャッチフレーズで売り出しているところである。外国からも大勢参加者がいたそうである。
それはさておき、5月30日(日)に師匠のコンサートがあり、弟子たちもちらっと出演することになっている。もちろん私も出ます。