月別記事一覧 2023年3月

桜満開

令和5年3月30日
暖かい日が続き桜満開になった。平和公園でも昼は弁当を広げて花見を楽しんでいる人が多く見られる。川沿いの桜も咲き誇って道行く人を楽しませている。比治山も黄金山も桜満開である。まことに我が国は春の訪れを桜で祝うことができてうれしいことである。桜をテーマにした歌は数多くあるが大抵はヒットしているようだ。森山直太朗の「さくら」福山雅治の「桜坂」スピッツの「チェリー」コブクロの「桜」ケツメイシの「さくら」などが人気の曲だそうだが、我々の世代ではやはり「さくら、さくら、やよいのそらは…」が懐かしい。
そういえばかつて大学入試の合格発表はキャンパスに番号を書いた紙が掲示されて、それを見ないと合否がわからなかった。だから地方から東京や京都の大学を受験した人は、合否を知らせてもらう学生アルバイトに頼んでいたものである。電報で知らせてもらうが合格なら「サクラサク…」という文言が多かったし、不合格なら「サクラチル…」だったようだ。桜は我が国にとってなくてはならないものになっている。

和を以て貴しとなす

令和5年3月23日
侍ジャパンがWBCでアメリカを破り優勝した。閉塞感のあった日本中が歓喜の雄たけびをあげたようだった。アメリカのチームはすごい選手ばかり揃えていて、少しでもスキを見せれば大量得点を与えてしまう布陣である。わが侍ジャパンは大谷選手をはじめみんなの素晴らしい活躍でメキシコには辛勝、アメリカにもわずかの差で勝つことができた。チームを見ていると皆自分よりもチームのため、相手を思いやる姿勢がみられて実にすがすがしく感じられた。まさに「和を以て貴しとなす」である。
我が国は聖徳太子の時代から孔子のこの言葉を国の根幹に置いていた。それを今に至るまで大事にしていることが確認できたのはうれしいことである。日本はこうして世界の中でも独自の発展を遂げてきた。それに対して儒教発祥の国は今や「力を持って貴しとなす」国になってしまっている。力は必要だけれどそれだけだと滅びることが歴史的にわかっているのに力を持った独裁者は同じ轍を踏んでしまうのである。我が国は「和を以て貴しとなす、礼も必要」をこのまま貫いていくことが大切である。

「良性子宮疾患に対する新たな治療戦略」

令和5年3月17日
表題は帝京大学医学部産婦人科・長坂一憲教授の講演である。WEB参加の予定だったが医会の総会もあり、会場の医師会館に行くことになった。出席者はほぼ役員ばかりで顔を合わせるのは久しぶりだったが、このような場は必要だと思った。
講演はWEBなのでスクリーンの演者の話を聞くだけである。ならば自宅でWEB参加と同じである。県外など遠くの会場ならWEBのほうがいいけれど近くなら会場に集まったほうがいいようだ。これからは自由に選択できるようになるのがベストと思う。
講演内容は、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮内膜ポリープなどの良性疾患についての治療にGnRHアンタゴニスト(レルミナ)を使うことを推奨するといったことだったが、これらの疾患は月経(ホルモン)が関与したものである。妊娠するために月経があるとはいえ女性は大変である。今後どのような治療戦略があるのか考えさせられる講演だった。

オンライン資格確認

令和5年3月9日
遅ればせながらオンライン資格確認の機械が届いた。レセコンにつないで4月から使用開始する予定である。政府はマイナンバーカードと保険証を紐づけし、現行の保険証を使えないようにすることで、マイナンバーカードを普及させようとしているからだ。そのために各医療機関に読み取り装置が必要になり、多大の出費がかかる。援助があるとはいえ毎月の保守料金もバカにならない。故障などの不備も多いと聞く。
今までの保険証で何の問題もなくやって来れたのに、マイナンバーカードを義務付けてしまうことでどれほどの利益があるというのだろうか。多大な出費に見合う効果があるのか甚だ疑問である。政府機関にとって税金は人の金だからいくら使ってもいいと思っているのだろう。コロナでもバカげた金の使い方をしてそのつけは後の世代に残すことになっている。バブルの前まではこの国は借金がなかったのに、じゃぶじゃぶ国債を発行して借金まみれになってしまっている。それぞれの国でその国民はその民度にあった政府しか持てないといわれているが、今の状態を見ていると我が国の民度は地に落ちたとしか思えない。

子宮内膜症は増えている?

令和5年3月3日
講演会などで演者が「子宮内膜症が増えている」というが当院のような小クリニックにはそんな感じはない。勤務医の頃もそれほど多いという印象はなかったのでいつもなぜなのかと思っていた。子宮内膜症は、子宮内膜が卵巣や他の臓器に生着して卵巣からのホルモンにより月経と同じ変化を起こすために起きる病気で、典型例は卵巣にチョコレート嚢腫をつくり、周囲と癒着を起こし痛みが強くなる。以前は良い治療法がなく手術が中心だった。手術しても再発が多く、治療薬ダナゾールも副作用があって使いづらかった。
そこで登場したのがLEP製剤(低用量ピルなど)である。安全で画期的な薬で、どれだけ助かったかわからない。ピルの安全性は欧米では常識になって使われていたのに、厚労省は待ったをかけて10年据え置き、20数年前にやっと認めた。ピルは排卵を抑制するので避妊もできるし、生理痛も改善する。以前講演で「生理の回数が増えたのが子宮内膜症が増えた原因だ」「少子化になったので女性が一生の間に450回生理を経験するようになったが、かつては多産なので50回くらいしか生理がなかった」と説いていた先生がいたが一理あると思う。いずれにせよピルが開発されてよかった。ピルの普及が進めば進むほど子宮内膜症は減ってくると思う。