月別記事一覧 2022年7月

生理日の移動

令和4年7月28日
生理日の移動を希望する患者さんは多い。生理は排卵2週間後に始まるのでその3日前から中用量のピル(プラノバール)を1日1錠、延ばしたい日まで内服すればいい。問題なのは予測生理日が正しいかどうかである。排卵日は生理開始から14日目の人が比較的多いが遅れることもあるし早くなることもある。生理の始まる1~2日前から黄体ホルモンが減少し、子宮内膜の血管が破綻しはじめるので、そうなってからではピルを内服しても生理は始まってしまうのである。だから早めに(5~7日めから)飲み始めるといいが、それでは長く飲まなければならなくなってしまう。
中用量ピルは副作用(嘔気など)があったので低用量ピルがつくられたのである。問題は低用量ピルで生理をコントロールするためには、生理中から飲み始めなければならないことである。だから少し早めに受診して両方の利点・欠点を聞いて選べばいいというわけである。

ふかほり邸

令和4年7月21日
連休を利用して久留米の天然田園温泉「ふかほり邸」に行った。7月1日放送の「爆買いスター恩返し」を偶然見ていたら、元チェッカーズの藤井フミヤが故郷の久留米で爆買い恩返しをするということで、泊まった宿「ふかほり邸」を案内していた。敷地4千坪の庄屋さんの家を改造して5棟の部屋を点在させ、敷地内に温泉を掘り当てて温泉旅館としたという。
すぐさま電話して予約したらラッキーなことに部屋が取れた。そんなわけでのんびり温泉につかり旨い料理を堪能できた。まことにありがたいことで、コロナで入院した時から考えると夢のようである。ちょうど九州国立博物館では琉球王国の特別展が始まっていて興味深く観覧することもできた。残念だったのは昼過ぎに小倉の「田舎庵」へうなぎを食べに行ったら店の前にも人が並んでいて1~2時間待ちだというので退散。この店は九州へ来た時には立ち寄ってうなぎを食べることが多かったが、最近は人気がいっそう出てきたようだ。
ともあれゆっくり骨休めができた小旅行だった。

「私」という男の生涯

令和4年7月15日
表題は今年2月に亡くなった石原慎太郎氏の著書で、本人と夫人の死後に出版するように決めていたという。内容は生い立ちから両親のこと、弟裕次郎氏との関わり合い、思春期から大学時代、芥川賞受賞のいきさつ、結婚のこと、世に出てからの様々なこと、恋愛のことも包み隠さず(?)書いている。だから夫人が亡くなった後に出版することにしていたのだろう。それにしても作家、国会議員、東京都知事など実にパワフルな人生を歩んだスケールの大きい人物が晩年、その胸の内を置手紙のようにさらけ出している著書は実に興味深く、同じことを何度も繰り返している部分はあるが、面白かった。
石原氏の著書は高校時代から注目していて、特にヨットで太平洋を横断するレースを描いた「星と舵」は、大学に入ってすぐにヨット部に入る動機になった、尤もすぐに退部したが。長編小説「亀裂」も好きで思い出したころに読み返して今も手元に置いている。平凡パンチに連載していた「野蛮人のネクタイ」も当時の若者の風俗の先端を描いて面白く、野坂昭如氏や三島由紀夫氏との対談集なども含めて氏の著書はほとんど読んでいると思う。氏ほど日本を愛し公平無私に国のためになることをした人はなかなかいないだろう。文学で、行動で我々を楽しませてくれた氏に感謝である。 合掌

がんばれ「産経新聞」

令和4年7月7日
子供時代は家で購読していたのは読売新聞だったが、一家を構えてからは産経新聞を購読している。高校大学時代は「日中友好」の掛け声が盛んで、とくに朝日新聞などは贖罪意識にかられたのか中国へのおもねりなのか「中国の旅」と称した大ぼらを吹いた。当時はそれを信じて、日本軍は悪いことばかりしていたのだと思っていたが、正しい知識を身に着けるようになって、戦後GHQの広報のように使われた新聞、マスコミのプロパガンダだと知った。戦時中は戦争を煽りまくった新聞が、戦後「あれは一握りの軍人が悪かったのだ」といって知らん顔をして生き延びたのは、なんだかなと思ったものだ。その中で産経新聞は中国に対してもおもねらず、唯一中国に特派員をおけなかった。かの国は本当のことを報道する産経新聞が煙たかったのだろう。今でも尖閣諸島に中国の船が領海侵犯していることを、産経新聞はきちんと報道している。国益のために正しい報道を心がけている産経新聞は貴重である。
ところが新聞自体が斜陽で、発行部数が減っているせいか紙面広告が増えている。最近では3分の1は広告になっている。大丈夫か。産経新聞のようなクオリティーの高い新聞は長く生き残ってもらいたいものである。

妊娠中絶について

令和4年7月1日
日本では人工妊娠中絶は合法になっているが世界ではそれぞれ異なった取り決めがある。たとえばマルタは全面的に禁止されている。アイルランド、スペイン、ポルトガルは基本的に禁止だけれど条件付きで可能になっている。アメリカでは州によっては禁止なので正式な統計は出ていないが年間130万件ぐらいと推定されている。妊娠中絶の率が最も多いのがロシアでスエーデン、フランス、英国も多い。我が国はかつては多かったが今は最も少ない国の仲間入りをしている。その理由はコンドームの普及のおかげだといわれている。
たしかにピルの普及している欧米に比べて我が国のピルの普及率は最低である。現在3%といわれている。でも、我が国より一桁ピルの普及率の多い欧米がなぜ人工妊娠中絶が多いのだろうか。欧米の人の方が性的に活動的なのかもしれない。
妊娠中絶を決めるのは女性であるべきで、男性はオブザーバーにすぎない。妊娠を継続し命がけで産み、育てるのは女性である。中絶という心身ともに大きな負担をこうむるのも女性である。それを男性社会が合法だとか非合法だとかいうのはおかしな話で、女性が真剣に考えて決めたことを尊重すべきである。