令和3年7月2日
「いのちを繋ぐ女性のライフサイクルと漢方~特にこころの症状、こころからの症状に~」と題した香川大学医学部塩田敦子教授の講演があった。WEBであるが会場に行くことも可能なので今回は出席することにした。さすがに役員など世話係以外は少人数の参加者だけだったが、久しぶりの講演会出席だった。内容は漢方薬についての詳しい説明と有用なことの講演であったが、座長の工藤教授の「私は漢方薬についての知識が全くありませんので一つ聞きたいのですが…」の言葉には思わず笑ってしまった。教授も自分と同じ考えなのだなと。
更年期症候群はホルモン変動によって起きる自律神経失調なのであるが、かつては「当帰芍薬散」「加味逍遙散」などで治療することが当たり前であった。自分もその昔は「証」などを勉強して処方していたが効かないので困っていた。そこへ「ホルモン補充療法」の登場である。これは非常に効果があった。原因に対する的確な治療でなければ効果がないのは当たり前である。以後、漢方に対しては距離を置くようになった。我が国ではどういうわけか漢方薬が女性に受ける現象がある。欧米そのほかの国々では「ローカルドラッグ」という位置付けで正式な薬だとは認められていないのに。