令和元年11月22日
「女性が健やかに輝き続ける社会を目指して」と題しての慶応大学吉村泰典名誉教授の講演があった。吉村氏は少子化対策にも関わっていて、これからの日本をどうしていけばいいか大局的な観点からの講演であった。毎年生まれる子供の数は減る一方で、去年は90万人を少し超えるぐらい、来年は90万人を切るのではないか。そして65歳以上の人口が増える一方の非常にいびつな人口構成になっている。結婚年齢も上がってきているし非婚の人数も増加している。これでは子供の数が増えるわけがない。原因を様々な面から追求し、打開策を検討しているがうまくいかないのが実情で、現に人口は減る一方である。
ヨーロッパでは300年ぐらいの周期で人口の増減が起きてその範囲で安定している、という広島大学工藤教授の話もあったが、我が国の人口の変化は世界でも例を見ないことで、先行きは暗い。江戸時代の人口は後半で3000万人ぐらいといわれているが、鎖国時代の人口はそれ位がちょうどよかったのだろう。民族の興亡もヒトの一生と同じで意図してもどうしようもないのではなかろうか。我々としてはとりあえず目の前のことをきちんとやっていくしかないのではないか。先人たちがやってきたように。