日付別記事一覧 2018年5月25日

妊娠高血圧症候群の話

平成30年5月25日(金)
先日、岡山大学医学部産婦人科の増山寿教授の表題についての講演があった。以前は妊娠中にむくみ、高血圧、蛋白尿が出る状態を「妊娠中毒症」として予防・治療を行っていたが、原因が次第に解明されてきた。つまり病態の原因は子宮と胎盤の血管の問題だということがわかってきたわけである。妊娠に伴う高血圧をどのようにして防ぐかというのがこれからの課題でもあるが、まだまだ解明しなければならない問題は多い。
そもそも妊婦健診は「妊娠中毒症」を防ぐために行われていたようなもので、我が国の経済状態の向上と共に生活様式も衛生面も改善して「妊娠中毒症」は減ってきた。それでも一定の割合で妊娠高血圧症候群の発症があるわけで、その改善のために研究が行われている。他にも現在行われている治療法、予防のための内服薬、妊娠中のBMIに基づいた至適体重増加など興味深い話があった。
増山教授は就任2年目であり今後の研究の発展を大いに期待しながら話を聞いたことである。