月別記事一覧 2017年2月

三寒四温

平成29年2月24日(金)
厳寒の時期は過ぎて暖かい日と寒い日が交互にやってくる今日この頃である。三寒四温という言葉がぴったりくるようだけれど、この言葉は中国北東部から朝鮮半島北部の冬の気候をあらわしたものだそうである。我が国では春先になるとこのような気温の変化がおきるので、今では早春を表す言葉になっている。
それにしても今年の冬は特別寒い日は少なかったように思う。自転車通勤をしていると外気の変化に敏感になるのは当然なことで、寒い日は防寒具を着て自転車に乗らないと困る。4段階ぐらいの防寒対策のうち特Aの防寒具を着たのは今年はほんの数日だった。例年なら1か月ぐらいは特Aが必要で、ホテルなどで会合があると困惑したことである。いずれにせよ次第に暖かくなるのはいいものである。まさに「春よ来い」の心境である。

禁・長期処方

平成29年2月17日(金)
厚労省は昨年4月から、30日を超える薬の長期処方を制限すると通達を出していた。それまでは患者さんのためには長期処方を推奨していたにも関わらず何を思ったか一転、制限に移ったのである。もっと前は2~4週間処方しかできず、薬だけ取りに来られる患者さんが気の毒だったのが、長期処方が可能になってよかったと思っていた矢先の通達である。それでもすぐに締め付けることはないだろうと、少しでも長く処方するようにしていたのだがとうとう査定されてしまった。当院での長期処方は更年期のホルモン補充療法が主なもので、子宮内膜症に対するホルモン処方などもあるが、これらは毎月来院してもらって診察しなければならないものではないので長期処方していたのである。査定されると、薬局に薬の代金、調剤料その他全額を当院が負担しなければならない。当院は、患者さんに負担をかけまいとできるだけ来院回数を減らすために長期処方をするのだがこれでは完全に赤字である。これなら薬を自分で仕入れて患者さんにタダで配った方がマシである。
薬局は査定されても全額、処方した医療機関が保証することになっているので何の痛みもない。毎月薬局に通ってくれた方が売り上げは増えるわけである。こんな決定をする厚労省は本当に国民のことを考えているのだろうか。あまりにもアホらしくて頭に血がのぼったが、どう対処していこうかと思っている次第である。

きたやまおさむ著「コブのない駱駝」

平成29年2月10日(金)
上記の著者は伝説のグループ、ザ・フォーク・クルセダーズで一世を風靡し、その後精神科医となり診療所を開業、九州大学の教授も務めた北山修氏が、専門の精神分析を駆使して著した自伝である。京都駅前の開業医の長男として生まれた著者の心の軌跡を余すところなく述べていて、フォーク全盛だった当時の空気を思い出して懐かしく、共感できる部分も多かったがそれ以上に北山氏の懐の深さに尊敬の念を覚えた。
自分より6歳年上の北山氏が大学生の時に結成したグループによる「帰って来たヨッパライ」が深夜放送を中心に若者に受け大ヒットしたのは自分が中学から高校生になる多感な頃であった。当時はラジオの深夜放送「ヤンリク」「ヤンタン」「パックインミュージック」などを聴くのが日常生活の一部になるほどで、自分たちの音楽を自分たちで作り演奏することが最高だと思っていた。北山氏の詩集は共感する内容が多く、いくつかの詩に勝手に曲を付けて歌っていた記憶がある。
北山氏と加藤氏は2002年に期間限定でフォークルを再結成、坂崎幸之助氏を加えて演奏会を開いたが、大阪での演奏会のチケットを手に入れることができ実に懐かしく十分楽しませてもらった。会場で売っていた二度と手に入れることができないこの演奏会のCD「新結成記念・解散音楽會」は私の宝物である。

楽器としての尺八

平成29年2月3日(金)
尺八を始めて結構時間が経っているがなかなか上達しないので、この楽器は自分に向いていないのだろうと思っている今日この頃である。その恨みも込めて尺八という楽器が世界中に広がらない理由を考えてみた。
最も原始的な楽器?は口笛である。音程も自在に出せるし、上手い人の口笛は他人を楽しませることができる。次いで指笛があるがこれはある程度熟練を要する。さらに草笛から竹笛、篳篥(ひちりき)、横笛、尺八へと進んでいくが、これらはすべていい音、正確な音、大きな音を出すための工夫である。西洋楽器はここからさらに正確な音が出せるように工夫がなされ、フルート、オーボエ、トランペット、サキソフォンなど、だれが吹いてもほぼ同じ音が出せるように発達してきた。一方和楽器はここから進歩しなかったので、大勢で吹く場合の音程の調整が難しく、早いパッセージの演奏は困難を極めるし大きな音を出すのも難しい。調を変えるためには尺八の長さをいちいち変えなくてはならない場合もある。確かに上手い人の演奏は聴く人を感動させるし、西洋楽器にない魅力を感じさせるがほんの一握りの人にしかできないパフォーマンスである。
小さい頃からハーモニカ、縦笛、小太鼓、ギターなど結構自在にこなしていたので尺八も自分で楽しめるぐらいには上達するだろうと思っていたが、音そのものがうまく出せないのはやはり向いてないのだろう。悩ましいところである。