月別記事一覧 2016年12月

平成28年をふり返って

平成28年12月29日(木)
今日で今年の診療は終了である。この地に開院して19年になるが安定して患者さんが来院してくれるのはありがたいことだ。さらに、ここ数年は新患の来院数がいっそう増えているようである。自分のモットーである、①的確な診療②わかりやすい説明③本当に必要な検査以外はしない④来院回数をできるだけ少なくする⑤意味のない薬は出さない⑥来院してよかったと思ってもらえるように努める、などはかなりの程度かなえられていると感じられる。これもわがスタッフとクリニックを信頼して来てくれる患者さんのおかげである。これほどうれしいことはないし、本当にありがたいと思っている。
来年は20周年という一つの節目を迎えるが、やはり今までどおり初心を忘れず患者さんに寄り添うような診療をしていきたい。皆さん、良いお年を!

「十一月にふる雨は」

平成28年12月22日(木)
表題は明治生まれで大正から昭和時代に活躍した詩人、堀口大學の詩である。この詩に男声合唱で有名な多田武彦氏が曲を付け、合唱組曲「雨」の中におさめられており、初めて聴いた時からいい曲だと思ったし、学生時代に定期演奏会のための練習を重ねる度に詩の味わいを感じて気に入っていた。同じように思っている人は多いと見えて、ネットでもこの詩についての記載も多数みられる。YouTubeでいくつかの合唱団の演奏が聴けるのはうれしい。ところがある時からこの曲は公式には組曲から外され、代わりの曲が入りCDでも「十一月にふる雨は」はなくなってしまった。原因は詩の中に「コジキ・ヒニン」という言葉があるため、作曲者がこれを演奏する学生たちに迷惑が掛かってはいけないと考えてなくしたのではないかと思われる。
文学作品の中の言葉が、現代では使えないとはなんという不便なことであろうか。曽野綾子氏はエッセイの中で、これらの言葉狩りに対して反対されており、特にマスコミの自主規制に不快感を表明しておられる。かつては学生時代に買ったLPレコードで何度も聴いたこの曲をもう聴くことができないのかと思っていたが、YouTubeで聴けるとはありがたいことである。
「十一月にふる雨は」
十一月はうら悲し 世界を濡らし雨がふる!
十一月にふる雨は あかつき来れどなお止まず!
初冬の皮膚にふる雨の 真実冷たい悲しさよ!
されば木の葉の堪えもせで 鶫(つぐみ)、鶉(うずら)も身ぶるひす!
十一月にふる雨は 夕暮れ来れどなお止まず!
されば乞食のいこふ可き ベンチもあらぬ哀れさよ!
十一月にふる雨に 世界一列ぬれにけり!
王の宮殿(みやゐ)もぬれにけり 非人の小屋もぬれにけり!
十一月にふる雨は 夜来れどもなお止まず!
逢引のみやび男(をとこ)もぬれにけり、みやび女(をんな)もぬれそぼちけり 

不妊治療の不都合な真実

平成28年12月16日(金)
表題の本は、こまえクリニック院長である内科医、放生勲氏の著書で、氏は自らの内科クリニックに「不妊ルーム」なるものを設け、16年間に8300人の不妊女性の相談を受けてきたそうである。氏は自分たち夫婦が不妊で悩んだ経験から、婦人科は専門ではなかったが猛勉強をして、不妊に悩む女性の側に立ったアドバイスをしてきたという。その中で、体外受精の数が世界で一番増えている我が国の現状とその問題点を述べているが、解決はなかなか難しいことが読み取れる。
不妊の最大の原因は、働く女性の増加と晩婚化とセックスレスだというが、今の社会情勢からこの流れを簡単に変えることは難しい。そうなると不妊治療の充実ということになるのだろうが、現在の体外受精の治療費は高額すぎて払える人が限られてくる。だからすべてを保険医療にしてしまえば、他の保険医療費と同じようにどんどん値段を下げてくるだろうから、最終的には法外に高くないリーゾナブルな値段になり治療を受けやすくなると思われる。最後のは自分の意見だが、専門とは少し離れた医師の視点も参考になることである。

麻雀ゲーム

平成28年12月9日
毎朝、新聞のテレビ番組欄をチェックして面白そうなものを録画予約するようにしている。夕食後、寝る前にそれらの番組を見ながらパソコンで麻雀ゲームをするのが最近の定番になっている。今、はまっているネットゲームは実によくできていて、本当に麻雀しているような流れを感じさせてくれる上に、オンラインで対戦もできる優れものである。オンライン対戦にすると途中で抜けるわけにいかないので単独でプレイするが、実践と同じように悪い流れの時は3面待ちでもあがれないし、逆の時はラス牌をツモったりするので結構真剣になる。録画していた番組を斜めに見ながらゲームをしていると、熱中してしまっていい場面を見逃すこともある。この場合はもう一度さかのぼって再生するのでかえって時間がかかるが、このテレビを見ながらゲームをしている時間が最も頭をカラッポにできるのである。たいがいはすぐに眠くなるので寝つきにもいい。以前は好きな棋士の碁を並べていたこともあったが、実際に棋譜を見ながら並べるのは煩雑なので今の麻雀ゲームが一番気に入っている。

暮になると増える会合

平成28年12月2日(金)
毎年のことだが暮になると忘年会を含め、研究会と称する飲み会、プライベート飲み会などが増えてくる。11月はいつもの倍以上、11件あった(うち1件は不参加)。アルコールは控えめにしているが、さすがに気分がいいとつい飲んでしまう。以前、胃の具合が悪くなって極力アルコールを控えていたのだが、最近は適量以上は飲まないようにしているので調子が良いけれど油断するとダメである。ホテルの会食など和食以外の重い料理が出される場合は結構胃もたれがするので、重い料理が予測される場合の昼はできるだけ軽いうどんなどで胃を休めておくようにしている。
元来、アルコールに弱いけれど料理をおいしく味わうにはアルコールは必須だと思うし、実際にうまいので飲むことにしている。以前は日本酒を飲んでいたが最近はもっぱらビールと焼酎の湯割りにしている。湯割りは胃にやさしく、料理の味を邪魔しないところがいい。うまい日本酒はそれだけで完結しているので、肴は味の濃いものが少しあればいいのである。それにしてもなんだかんだでよく飲んでいることである。