日付別記事一覧 2015年9月26日

金山教授の講演

平成27年9月26日(土)
浜松医科大学産婦人科・金山尚裕教授の「羊水塞栓症の救命法と予知・予防」と題した講演があった。現在、我が国の妊産婦死亡原因で1番多いのが羊水塞栓症だそうである。とは言っても妊産婦死亡率は、世界で最も低い国の中に入っているので一般医師が経験することはまれだろう。分娩(お産)は実に大変なことで、分娩の際はもちろんだが妊娠中・産後を通じて何が起きるかわからない。近代医学が広まるまでは、数百のお産で1人は亡くなっていたので、文字通り命がけだった。現在は2万~2万5千のお産で1人である。それでも大変なことに変わりはない。実は帝王切開も羊水塞栓症の大きなリスクになっているので、安易な帝王切開は控えるべきだろう。
講演では、酸素飽和度を調べるセンサーを指先に装着して内診し、生まれる直前の胎児の頭部に当てて測定する装置を考案してPRしておられたが、発想としては面白いと思う。胎児の状態が数字として簡単にわかる方法が新たに増えるのは有用だろう。お産をしている施設はこの装置を採用するのではないだろうか。