日付別記事一覧 2015年4月10日

経膣超音波検査

平成27年4月10日(金)
産婦人科診療の上でこの数十年最も有用だった検査法は超音波検査、特に経膣超音波検査である。超音波検査の利点は、レントゲンやCT検査とは異なりコンパクトで手軽に使用でき、X線被ばくもなく、リアルタイムに検査できることである。特に産科においては胎児を見るのにこれほどピッタリの検査法はない。
超音波検査法が開発された30年以上前は画像も荒く解読が難しかったが、コンピューターの進歩とともに性能は向上し、解像度もCTやMRIにひけをとらなくなってきた。特に経膣超音波検査法は検査法そのものの弱点を経膣プローブを使うことによって克服しており、産婦人科医にとってはなくてはならぬ検査法である。子宮外妊娠の診断、排卵の有無、妊娠初期の胎児の状態、卵巣腫瘍や子宮筋腫などすべてカバーできるすぐれものである。いい時代に生まれたことを感謝している毎日である。