平成26年2月28日(金)
昨年アステールプラザで行われた演奏会での「夕顔」の演奏を最後に、所属していた「吹康会」が活動を休止しているので、このところ尺八は気ままに吹いている。吹いていていつも思うのは、古典の曲は味わい深いことである。さすがに時代を超えて残っているものはすばらしい。
琴尺八の音楽で日頃から耳にしていたのは「春の海」ぐらいで、地唄などはその存在すら知らなかった。実際に聴いても吹いてみても、初めはちっともいいと思わなかった。ところが、何度も何度も吹いているうちに味わいが感じられるようになってきた。ちょうどビールは最初は苦いだけでおいしくないし、タバコも煙いばかりなのだがこれがいつのまにかおいしくなるのと同様である。
そういうわけで今は古典から現代曲まで気にいった曲を吹いている。時々師匠に修正してもらいながら、楽しく吹いている。レベルを上げるための訓練はしんどいし、いくら頑張ってもうまくならないのがつらいけれど、ある日突然進歩の実感があることがあり素直にうれしい。もっと早くから始めていたらと思うが、その頃は全く興味がなかったのだから仕方ない。いっそう精進したいものである。
月別記事一覧 2014年2月
最近の尺八事情
読書について
平成25年2月21日(金)
養老孟司氏によれば、氏にとって「読書」とは常に何かをしながらする行為で、「読書」自体が目的ですることはない。たとえば電車に乗って目的地に行くという行為がある時に、車内で読書するとか、教授会に出席しなければならないという目的があるときに、退屈しのぎに読書するとか、まさに「ながら族」だという。
これを読んだ時、自分の「読書」もまさにその通りだと思った。何か目的のある行為をしている時に読書できる状況なら、いつもなにか読んでいる。ついでに言えば、試験のために「本」の内容を覚えなければならないという、いわば「読書」自体が目的の時は全く読みたくなくなる。
クリニックでも自宅でも、いつの間にか山のように本が(マンガ・雑誌も含む)たまってしまうのでブックオフに持っていくが、残しておきたい本が少数ながらあるのでそれらの本が次第に増えていく。読書自体を目的としない「読書」は楽しいものである。
メタボな日々
平成26年2月13日(木)
寒い日が続くが今がピークで一進一退しながら暖かくなっていくだろう。早く暖かくなってほしいものだ。腰痛が再発してからはほとんど運動をしていない。もっぱら歩くだけである。それでも昼の食事も夜の晩酌量も変わらないので、体重こそ増えてはいないが筋肉が脂肪に置き換わっているように感じる。まさにメタボである。
メタボ、高血圧といえば、東海大学医学部元教授の大櫛陽一氏による日本全国70万人の健診結果の分析から、血圧は年齢と共に上昇するのが正常であり、160/100mmHgまでの人は死亡率が最も低く、現在の基準値140/90mmHgまで下げると逆にリスクが上がる。治療が必要なのは180/110mmHgを超える場合で、それ以下で降圧剤を使うと脳梗塞のリスクが上がるので高齢者には原則として降圧剤を投与してはいけないそうである。
また、高脂血症でコレステロールを下げる必要があるのは、男性の家族性高脂血症の人(0.1%)だけで、それ以外の人は治療の必要がないとのことである。男性でも女性でも悪玉コレステロールと呼ばれるLDL-Cが高い方が脳卒中が減少し、死亡率が下がっている。さらに統計上、日本人はやせているより太っている人の方が長生きをしているという。このデータを知ればメタボも捨てたものではないと思うが、腹が出ているのはみっともないので少しでも減らしたいと思うものである。
緊急避妊ピルについて
平成26年2月7日(金)
当院には緊急避妊ピルを求めて来る人が結構いるが、いつも説明することは、緊急避妊ピルの妊娠阻止率はそれほど高くないことである。従来行われていたヤツペ法は、中用量ピル(プラノバール)を性交後72時間以内にまず2錠内服し、12時間後にさらに2錠飲むことにより妊娠を阻止するというものである。実際の阻止率は文献によってかなりの違いがあり、それほど高いものではない。最近ではLNG法といって、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を2錠内服するだけでヤツペ法より阻止率がやや高く、副作用(吐き気)の少ない方法が承認された。
どちらの方法も機序は不明であるが、排卵を遅らせるか抑制するということなので、排卵後に内服しても効力はきわめて低下する。ヤツペ法で使うピルは値段が安いので負担が少なくてすむのだが、LNG法で使う薬はあまりに値段が高いので当院では扱っていない。いずれにしても確実な緊急避妊法はないということである。一方、低用量ピルを普段から内服していると非常に高い確率で避妊ができる。副作用も少なく副効用(生理痛の改善、生理の量の減少、生理の時期のコントロールなど)も多いので薦めている。