平成25年5月30日(木)
米国では子宮がん検診は3年に1回を推奨し、子宮がんの原因となるウイルスがいなければ5年に1回でよいとのガイドラインを発表した。このことは従来の常識から考えると重大な意味を示している。
今まで「がん」は早期発見早期治療が最良であるとの強い思いがあり、そのために検診が推奨され症状のない「がん」が発見され治療されてきた。それで生命予後が伸びれば確かにいいことに違いないだろう。ところがいくら早く発見・治療しても、総死亡率が改善したという証明は世界中になく、むしろ治療によるダメージや後遺症などに苦しめられる人が多くみられることに気付かされるようになった。そのことに対して10数年前から近藤誠医師は「むだな検査・治療をすべきではない」という医学会から総スカンを食うような孤高の戦いをしてきたが、がんを切除すれば切除しないよりも長生きできる根拠がないという彼の主張は実証レベルでは結論が出ているのである。
今回の米国のガイドラインはこの主張の正しさを認めることになっていて、今後世界的には近藤氏の主張の方向に進むと思われる。天動説が正しいと信じられていた時代にガリレオが「それでも地球が太陽の周りをまわっている」とつぶやいたように。
月別記事一覧 2013年5月
子宮がん検診のサイクル
マイブーム
平成25年5月24日(金)
文芸春秋9月号の「ジブリ名作の舞台裏を話そう」という記事を読んで、宮崎駿監督の作品は後世に残るすばらしいものだと改めて思った。そこで、「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」の3本のDVDを手に入れ、寝る前にウイスキーの水割りをちびちび飲(や)りながら鑑賞することにした。それまでは桂枝雀にはまっていたのだが、ある日ふと興味が薄れてきていたのである。
ところが初めの場面をしばらく見たあと気が付いたらエンディングマーク、いつの間にか眠ってしまっている。今日こそは最後まで見ようと思ってもなかなか難しく、結局1本見るのに何日もかかってしまった。それにしても良くできたアニメだと思う。小学生の頃、ディズニーのアニメを見た時の感動とは少し異なるが、どこかなつかしい気持ちにさせてくれる。とくに「トトロ」は小さい頃育った田舎の風景そのものである。
今回のジブリブームはあまり長くは続かないだろうが、いつも何かマイブームがあるのは楽しい。
広島ミシュランに思う
平成25年5月17日(金)
昨年からうわさのあったミシュラン広島編が発売されることになった。まだ詳しくはわからないが、三つ星は一軒だけで、季節料理「なかしま」だそうである。この店をはじめ二つ星のてんぷら「天甲本店」など、いずれも何度か訪れている。どの店も確かに美味しく総合的に見ていい店だとは思う。店主も励みになるだろうしミシュラン効果で客は増えるだろう。実際、発表の翌日には「なかしま」の予約は来月まで埋まったそうである。
ただ、自分も長いこと広島で食べ歩いていると、自分の好みの店はいつの間にか決まってくる。それらの店を基準にして、人から聞いた店や新たにできた店を訪れて評価するわけであるが、1回だけでは難しく3回行ってお気に入りになるかどうか決まるように思う。1月に「天甲本店」に行った時店主からミシュランの調査員が来たことを聞いたが、1度は一人で、2度目はフランス人と二人で来て掲載の許可を求めたそうである。いろんな店を調べるのだから何度も訪れるのは難しいかもしれないが…
掲載された店はいずれもいい店だと思うが、他にもいい店はたくさんある。行きつけの店が載ってしまうと客が押し掛けるので予約がとれなくなる。当然、自分を含め常連客の足が遠のく。せっかく長い時間を通していい感じで通っていた店に行きにくくなるのはまことにつらいことである。ミシュラン、良し悪しである。
おならについての考察
平成25年5月10日(金)
広大感染症科、大毛宏喜教授の「腸内細菌との上手な付き合い方」というタイトルのユニークな講演があった。ヒトは飲食の際、同時に空気を飲み込みその一部が腸を経ておならとなる。教授が米国に留学していた時に、腸内細菌とおならの関係、においの原因、においの消臭法など研究したことを面白おかしく講演された。
一日のおならの量は男女共に約700ml、なぜ臭いかというと、食物に含まれるイオウと腸内細菌が関係している水素により産生される硫化水素が原因で、同時に出るメタンガスなどは無臭だとのこと。硫化水素はシアン化合物と同じくらい猛毒でほんの少量でも強烈な悪臭がするという。
大毛教授のユニークなところは、この強烈なにおいを消すためにさまざまな実験をした結果、活性炭をブリーフ型パンツにつけるとほぼ完全に消臭できることを発見し、商品化を考えたことである。帰国後、国内のメーカー50社以上にあたったところ、活性炭を織り込んだ布は技術的に作れないと言われた。それでもあきらめずに調べていたら、活性炭より効果は落ちるけれど消臭できる特殊な樹脂を作っているメーカーがあり、試行錯誤の末めでたく消臭パンツが誕生した。その応用で消臭靴下、消臭カバー布、介護の消臭グッズなどが全国に出回っているが、教授は公務員なので1円もお金は入らないという。でもアイデアを出すのが好きなので色々なことを考えているそうで、柔軟な考えの人の話は面白い。
鹿児島から博多
平成25年5月2日(木)
連休の前半に、かねてより乗ってみたかった九州新幹線さくらで鹿児島へ行った。2時間半の旅であるが、車内は1列4席なのでゆったりとして快適である。維新ふるさと館で鹿児島の歴史を学んだ後、レンタカーで城山に登り市内から桜島を一望、フェリーで桜島へ。フェリーのうどんが美味いとの情報で1杯550円の天ぷらうどん、だしが効いてじつに美味であった。島内をドライブ、絶景ポイントがいくつもあったが、なんといっても噴煙を上げている桜島の姿は活火山だと実感させられる。
大隅半島経由で霧島神宮を訪れる。やたら若者のカップルが多いのが不思議だったが、九州一のパワースポットとのことで納得。夕刻本日の宿、妙見温泉「石原荘」に到着、早速温泉に入る。今回の鹿児島行きはこの宿の予約が取れたからでもあるが、天橋立の文殊荘とは違ったもてなしと美味しい料理であった。敷地内の山中に「熊襲の穴」と呼ばれる巨大な洞窟があり日本書紀に記載されているとか…
翌日は車で九州自動車道から阿蘇へ、火口まで行くことができたが、なるほど九州が「火の国」と呼ばれるわけである。夕方博多着、阪急デパートの地下で干物を仕入れてお薦めの居酒屋「ひろ家」で一杯飲んで新幹線、目が覚めると広島だった。気候もよく絶好の旅日和であった。また行こう。