平成25年1月31日(木)
わが母校、岡大の平松教授の講演「たかが子宮筋腫、されど子宮筋腫」が行われた。子宮筋腫の手術は産婦人科医にとっては基本中の基本で、だれでも習熟しているはずの手術である。しかしながら、どの手術もそうだと思うが、難しいものはいくらでもありだれも引き受けられないような症例もある。わが平松教授はこれらの困難な手術に挑み、その卓越した理論と技術で成功させていることを示してくれた。
子宮筋腫の手術といってもさまざまなヴァリエーションがあり、筋腫ごと子宮を取ってしまう手術から妊娠できるように筋腫のみを取る手術、肥厚した筋層を均等に切除する手術まであり、妊娠できる可能性を残す手術の方が難しい。これらにも果敢に挑み成功させておられる。また、巨大筋腫があって妊娠した症例の帝王切開、筋腫核出術も提示されたがこんな難しい、一つ間違えれば母児ともに命にかかわるような手術をいったいだれが引き受けてくれるだろう。それでも医療の最後の砦としての責任感から、自分が受けなければと他県の機関病院から紹介されたこの患者さんを受け入れ、きちんと成功させている姿勢に頭が下がる思いであった。
この時ほど我が母校の産婦人科教室を誇りに思ったことはなく、これからもこの姿勢で頑張ってもらいたいと心から思ったことである。