日付別記事一覧 2013年1月17日

曽野綾子著「この世に恋して」

平成25年1月17日(木)
作家・曽野綾子氏は本人はきっとそう思っていないだろうが、わが国で最も著名なオピニオンリーダーである。氏は産経新聞に執筆枠を持っていて、エッセイ風にさまざまな意見を述べておられ、その地に足のついた的確な内容に共感することが多い。夫君の作家、三浦朱門氏は曽野氏と結婚した頃いつも「妻をめとらば曽野綾子」と言っていたそうだが、なるほど氏ほど「才たけて、見目麗しく情けある」という言葉が当てはまる人はいないように思われる。日頃から氏のファンゆえ色々な著書を読んでいたので、だいたいは知っているつもりでいたが、今回、表題の著書を読んでみて一層その人となりが感じられファン度が上昇した。
読んでいて思ったことは、氏のバックボーンはカトリック教への信仰と母親からの深い愛情としつけではないだろうかということである。それに加えて氏の聡明さとまじめさ、他に頼らない自立心などが核となり、世に出た後さまざまな経験を経て、もちろん夫君の大きな愛情に恵まれて今があるのだろう。私などが言うのもおこがましいが、世の中には多くの優れた人がおられるが、なかでも氏は最右翼のおひとりであろう。