平成24年11月30日(金)
当院の患者さん用のトイレは和式と洋式に分かれている。洋式の方は構造上重いものは一旦底に沈んでから流れるようになっている。いつも診療終了後、汚れなどがないか確認することにしているが、その日は便槽の底に白っぽいどうみてもアレのようなものがあるではないか。すぐに水を流してみたが流れてくれない。こんなことは15年間で初めてのことで、スタッフと一緒にそれを除こうと試みたがボロボロとくだけてとれない。何度もくり返し流すが一部残ったままである。理由がわからず専門家に頼むしかないかとあきらめかけたが、人間ドックの子宮がん検診の人が来ていたことを思い出した。ドックの人は消化管の検査でバリウムを飲むことをがあり、色からもバリウム入りの便に違いないと気付いた。ならば重いはずで、もっと勢いをつけて流せば流れるはずだと思い、洗面器に一杯水をいれ試してみたら2回で流れてくれた。やれやれである。
長くやっていれば色々な経験をさせてもらえるものだと思ったことであった。
月別記事一覧 2012年11月
バリウムは重い?
東山の紅葉・風俗博物館・エルミタージュ美術館展・「吉膳」
平成24年11月24日(土)
木曜日の午後から京都に行ってきた。薬屋さんの雑誌に風俗博物館が紹介されていて、ぜひ見たいと思ったからである。京都に3百年続く、僧衣や十二単(ひとえ)などの衣装を作っている老舗「井筒」が始めた博物館で、現在は「源氏物語の世界」と題して、当時の建物から人物・衣装・牛車・小物などを4分の1の大きさで精密に再現している。私が動けるのは日曜祭日しかないのに、この博物館は私設のせいなのか日曜祝日は休館となっている。仕方ないのであきらめていたら、たまたま昨日金曜日が祝日で前日の木曜日は午後からは休診。これは何とかなりそうだと調べてみたら、午前の診療終了後すぐに出発すれば午後3時台には京都まで行けることがわかり急遽出かけたわけである。
展示物は精緻を極めており、「明石の姫君の婚礼支度」など時代考証をきちんとしているとのことで、実に興味深かった。あまり知られていないのか人も少なくじっくり見ることができた。夜は祇園の「吉膳」で旨い地酒と料理を堪能した後、すぐそばにある高台寺のライトアップを鑑賞した。人が多すぎるのが気になったがライトアップされた紅葉の美しさには目を見張った。
翌日は「青蓮院」「エルミタージュ美術館展」「永観堂」哲学の道散策、「真如堂」など紅葉を楽しみ「辻留」の弁当を買って帰り家で一杯やるという充実した小旅行であった。
漢方治療について
平成24年11月16日(金)
大分大学の漢方治療に熱意を持っている先生の講演があった。産婦人科の講師で周産期部門の責任者であるが、10年ぐらい前から漢方にはまっているとのことである。漢方の講演はいつものことであるが、効果のあった症例を提示されるので、漢方は良く効くんだと思ってしまう。雑誌などで「私はこのエキスを飲んだら癌が治った」という記事を見ることがあるが、その人にとっては本当のことかもしれないが再現性がないことが問題である。その先生も全面的に効くとは言われないが、西洋医学で効果のない場合に使うとのことで結構信頼しておられるようであった。
そこで「何例中何例に効いたのですか」と質問してみたが、その答えはあいまいであった。漢方薬は遥か昔から使われているので効果があるのは確かだと思う。問題はどの程度効くのか、副作用はどうかであるがいまだにはっきり示されていない。そのため欧米では「ローカルドラッグ」ということで使われていない。使っているのは日本だけではなかろうか。中国で使われているかどうか知らないが。西洋医学がすべて良いとは言わないが再現性において勝っていると思う。
歌劇「真珠採り」
平成24年11月9日(金)
久しぶりにビゼー作曲の歌劇「真珠採り」のCDを聴いてこの曲との「出会い」を思い出した。
学生時代、ガラにもなく大学男声合唱の指揮をすることになり、自分の能力のなさゆえ悪戦苦闘していた。当時の大学生男声合唱の最高峰は慶応義塾ワグネルソサエティーであり、あこがれの的であった。その第99回定期演奏会が東京と大阪で開かれることを聞きつけ、仲間たちと大阪へ聴きに行った時の衝撃は忘れられない。
専任指揮者はなんと音楽界の重鎮の畑中良輔氏、顧問指揮者は木下保氏で、彼らの紡ぎだす音楽はとても学生の演奏とは思えないほどすばらしかった。その中で学生指揮者・秦実氏のワンステージが歌劇「真珠採り」であったのだ。ピアノ伴奏も慶応の学生で、テノールとバリトンのソリストの掛け合いも素晴らしく、何より最後に歌った有名な「耳に残るは君が歌声」は感動を通り越して、以後すっかりファンになってしまった。
それから30年、開業してしばらく経った頃偶然インターネットで「第99回定期演奏会」の復刻版CDを限定作成し関係者に実費で配っていることを知り、懐かしさゆえぜひ自分にも分けてほしいと連絡したところ、当時学生指揮者で今は会社務めをしておられる秦実氏よりメールをいただいた。「…学生指揮をしていた当時、木山さんより合唱指揮をどのようにしたらよいのかという、指揮に関する問い合わせの手紙をいただいたことを思い出しました。そういえば大阪の定期演奏会のとき花束をいただきましたね…私の所にCDはあと1セットだけ余分があるのでお送りします…出会いは何度もおきるものですね」という感動的な文章であった。確かに当時ショスタコービッチの合唱曲を練習していて行き詰っていて、この曲を演奏していたワグネルに手紙を書いたことを思い出した。
もう一度、分けていただいたCDで「真珠採り」を聴いてみたが、当時のことなどがよみがえってしみじみとしたことであった。
腰痛回復
平成24年11月2日(金)
昨日から急に寒くなった。いつもと同じ服装だと冷えるので今日は暖かくして自転車出勤。
3月の終わりに腰痛発症以来、努めて無理しないようにしてきたが、最近ではほとんど腰痛を意識しないようになった。かなり良くなったと思うので少しテニスのラリーをしてみたが問題なさそうである。もっともまだ怖いので走ったりせず打ち合うだけだが。この調子なら来年から週1回のテニスが再開できそうである。以前腰を痛めた時も回復するのにほぼ半年かかったが、今回も似たようなものなのでやはり時間が回復の最大の治療法だと思う。
以前に痛めた原因はゴルフの練習であり、今回もまた同じとは学習能力のない自分が恥ずかしい。テニスは腰を痛めないのにゴルフのスイングはよほど自分に合わないのだろう。思えば30年前に高知県安芸市の病院に勤務していた時、誘われて始めた初めてのラウンドでスコア132、バーディーがとれたのが間違だったのである。今後は2度とゴルフはしないと固く誓ったことである。