月別記事一覧 2012年5月

今週の昼食

平成24年5月26日(土)
腰痛もだいぶ改善し長時間イスに座っても大丈夫になった。そこで今までに行けなかった仕返し(?)に、今週の6日間の昼食は全部別の店に行くことにした。
とくみ鮨:ここは15年ぐらい通っているが、いつも大いに満足して帰れる店である。特に好きなのは、こはだ、たこ、あじ、あなごなどだが、季節もののかき、しんこをはじめ皆美味い。値段はそこそこなのでいつも行くわけではないが、今回は久しぶりだったのでいっそう美味しく感じた。
菊屋:ここ4年ぐらい週に1回は通っている、とんかつ・串揚げの店である。ここのロースカツ定食はロースカツ、キャベツの千切り、味噌汁、漬物、たれ、が混然一体となって「とんかつを食べた!」と思わせる味である。聞くところによると、知事や国会議員も来られるとか。
一楽章:ここも15年通っているカレーの店である。色々な店のカレーを食べてきたが、ここのカレーは自分好みでいつまでも飽きが来ない。豊潤でしっかり辛い。いつもチキンカレーを食べる。
小太郎:串焼きの店である。ここも10年以上通っている。店主が備長炭で焼いてくれる、オリジナルのシソ巻きと牛串のミックス定食を食べる。なんともいえずいい味である。夜は串焼きをつまみの居酒屋になる。
天甲:てんぷらの店である。ここも15年近く通っている。最近はてんぷらは重いのであまり行かなくなったが、以前は毎週通っていた。店主は昨年、堀川町に本店を作ってそこでてんぷらを揚げている。元の店は弟子たちがやっているがクリニックに近いのがいい。最後は?き揚げとご飯、赤だしで締める。
讃岐屋:いつも行く便利な店である。うどん、そば、丼物などなんでもある大衆食堂であるが、15年間通って飽きない。冬は鍋焼きうどん、えび天うどん、カレーうどん、夏はてんぷらそば、そうめん、カツ丼などをよく食べるが、味もなかなかで気軽に寄れるいい店である。
というわけで今週は6店すべて行ってしまった。また行こう。

流産について(2)

平成24年5月21日(月)
自然流産は妊娠の15%起きるといわれているが、検査精度の増した現在ではどこからを流産というのか悩ましい。一般的には子宮内に胎嚢という袋が超音波検査で確認できる時点で妊娠と診断するが、妊娠検査薬が陽性になるのはそれより1週間以上前である。では、検査薬が陽性になった時を妊娠としたとして、胎嚢が見えるまでに出血が起こり流産してしまうことは結構多いのであるが、これを流産にカウントするべきかどうか。
もし、妊娠検査薬で調べていなければいつもより生理が遅れてきたということで、そのまま普通に生活していることだろう。
胎嚢が見えた1週間後に胎児の心拍が確認できるようになるが、この時にダメになるのを「稽流流産」といって流産の中では最も多い。これをなにもせず経過をみていると数週間後に自然に流産してしまうことが多い。だから、こういう場合、流産手術をせずに自然に経過をみるのも選択肢の一つである。問題はときに組織の一部が子宮内に残ったままでいつまでも出血する「不全流産」になることである。その場合に感染を起こすと厄介なことになるので、そのことを話して手術をするかどうか決めていただく。
もっと大きくなって胎児が確認されるようになった後、胎児の心拍が止まった場合は流産手術を勧める。この場合、自然に経過を見ていても出血も多くなり痛みも強く、なにより不全流産の頻度が増すからである。流産は一定の割合で起きるが、どう対処するかは必ずしも同じではないのである。

出産の高齢化は世の流れ?

平成24年5月14日(月)
手元にある「国民衛生の動向」最新版によると、母の年齢別出生数の推移に大きな変化が見られる。2000年までは25~29歳の女性の出生数が最も多かったのが、2005年以降30~34歳にシフトしている。さらに35~39歳の出生数も1990年ごろから増え始め、2009年では約21万人になっている。これは30代前半の出生数40万人、20代後半の30万人に次いで3番目に多い。ちなみに20代前半はわずか10万人である。
40代前半の出生数も、以前は数千人だったが1990年ごろより1万人を超えるようになり、2009年では3万人になっている。これらの変化は、ちょうど体外受精(ART)が始まった時期に一致している。元来は卵管が閉塞している患者さんのために開発された技術だったものが、原因不明も含めなかなか妊娠しない人にも使われるようになったからだろう。
マスコミで有名人の高齢出産が報道されると「高齢でも問題なく出産できるんだ」と安心してしまうのも出産の高齢化の原因はないだろうか。太古の昔からヒトは妊娠できる年齢になれば妊娠し、出産し、育てて独り立ちさせた後は死ぬ。そうして世代交代が行われ種としてのヒトは生き延びてきた。妊娠出産は早いほうがいい。

連休明け

平成24年5月7日(月)
連休が終わり今日から通常の診療が始まった。今回は久しぶりの長期連休なので普段行けないところに行くつもりであったが、腰痛がまだ少しあり残念ながら近場をうろうろするのみであった。まだ車の運転はしんどいので助手席に乗るか、ゆっくり歩くぐらいがせいぜいであった(涙)。
今年度の診療報酬改正では、薬剤料を抑えようとしている政府の意図がひしひしと伝わってくる。確かにわが国の医療費に占める薬剤料は関連費用を含め10兆円といわれて諸外国と比べても多い。見たところ最も多く使われているのは加齢による変化に対する薬である。本来、加齢による変化を改善し寿命を延ばす薬など存在しない。にもかかわらず患者さんも要求し、医師も処方する図式が存続しているため増える一方である。医療に対する考え方を変えない限り改善できないのは明白である。
このところ、以前にも紹介した「大往生したけりゃ医療に近づくな」や近藤誠医師の「がん放置療法のすすめ」など、むだな治療をしない方が良いという意見があちこちで上がるようになってきた。慶賀の至りである。これからの医療は、このようなまっとうな(?)考え方に向かうことが皆の幸せにつながると思われる。