平成22年3月30日(火)
最近、桂枝雀にはまっている。折々に買いためていたCDを暇さえあればとっかえひっかえ聞いている。小米時代から枝雀になったばかりの頃の噺もあれば晩年に近い頃の噺もある。ある頃からマクラに「一生懸命のおしゃべりでございます」というようになったが、なるほど面白さの中に懸命さがちらちら感じられて、そこまでしなくてもと思わせるようなところがあった。
思いつめる性質のようで、そのことが早すぎる一生になってしまったのだろう。そういえば加藤和彦も同じぐらいの年の一生である。男性の還暦の頃は心が萎えやすいのだろうか。やはり枝雀にはもっともっと生きてすばらしい話芸を楽しませてほしかった。
月別記事一覧 2010年3月
枝雀の落語
紀三井寺と京都の桜
平成22年3月23日(火)
急な用事があったので連休を利用して和歌山へ行ってきた。今までに何度か南紀、伊勢などの旅行を考えたことはあったが、交通の便が良くないためにいつも却下となっていたので初めてである。
今回は和歌山市に行ってきたが、ここは大阪府との県境に近く関西空港にも近い。和歌山県というより大阪のはずれのような位置関係である。のんびりしたところで、紀三井寺では桜が咲き始めていてなかなか風情があった。
用事をすませて大阪に泊まり翌日は定番の京都へ行った。地下鉄で東山まで行き、法然上人開祖800年のイベントが近い知恩院から円山公園で三分咲きの桜を見て、ゆっくり市内を散策してきた。昼食は木屋町の大正5年創業のそば屋「大黒屋」でゆっくりと。いつもながら京都の町を歩いていると、色々な発見があって楽しい。「俵屋旅館」「炭屋旅館」のたたずまいも歴史が感じられていいものである。またぜひ来ようと思いながら帰宅した。
巣立ち
平成22年3月22日(月)
昨日は産婦人科医会総会があったが、役員以外の参加者が少なく来賓や講演の先生方には申し訳ないことであった。
先週から我が家はめでたいけれどもさびしいことが重なって、久々の激変であった。末っ子の長男が大学に入学して家から出ることになった。近くに勤めていた次女も遠からぬうちに家を出ることになるだろう。どちらもめでたいことではあるが、今までいるのがあたりまえだった子供たちが巣立っていくのはきっとさびしいに違いない。
贅沢を言ってはいけないが、これも世の流れなのだろう。
松本方哉氏の「妻が突然倒れたら」
平成22年3月9日(火)
今日は朝から雨が降っている。寒さがぶり返してみぞれ交じりになったようだ。明日は雪になるかもしれない。
少し前までフジテレビの「ニュースJAPAN」のキャスターだった松本方哉氏の「突然妻が倒れたら」という本を読んだ。最近テレビで見かけないなと思っていたが、奥さんが最重度のクモ膜下出血で看病、介護など大変だったことがわかった。核家族化が進んだ今の社会では、家族にこのような事態が起こったら、仕事をやめるか制限しないと介護はできないということがよくわかった。
病気にせよ事故にせよ、いつでも誰にでも起きることである。人ごとだと思ってはならない。だからといってどのような準備をしておけばいいのかわからない。これからも「介護」が最も必要な社会になっていくことは間違いないことだと思う。次の参議院選挙では介護をまじめに考えている人に投票しよう。
中村明一のコンサート
平成22年3月2日(火)
先日、久しぶりに尺八の演奏会に行った。前から一度は聞いてみたいと思っていた演奏家「中村明一」のコンサートである。
岡山の「月の舞台」で行われた和の空間での演奏と舞踊は、限定60名の観客との間に一体感をもたらした不思議な演奏会であった。演奏の超絶的技巧は名曲「鶴の巣籠」の親子の鶴が鳴き交わす場面で、別々の鳴き方を同時に演奏するという、バイオリンの名手パガニーニもかくやという凄味があった。
終わって座談会形式で中村氏と言葉を交わすことができたのは、思いがけないプレゼントであった。