平成19年10月31日(水)
救急でのお産の患者さんの受け入れ病院たらいまわしが問題になっている。
報道によれば救急で受け入れを5回以上断られた妊婦さんが増えているというが、実際のところは1回だけ断られたケースは増えていない。問題にすべきなのはなぜ5回以上断られたのかである。妊婦さんの救急でいちばん大切な情報は妊娠週数である。もし妊娠週数が若くまだ10ヶ月になっていないのなら未熟児医療のできる施設(NICU)でないと新生児に対処できない。だから、妊娠週数さえはっきりしていれば受け入れる病院はもっと増えるだろう。
報道のケースは妊娠7ヶ月になっていたのに一度も産婦人科を受診していない。真夜中に市街地で遊んでいて異常がおきたため、男友達が119番に電話したのが午前2時44分で、救急車が到着したのはわずか8分後の2時52分だそうである。これはすばらしいことである。そして妊娠週数がわかっていればもっと早く受け入れ病院を探すことができたと思われる。そこのところをきちんと報道しないと有効な対策はたてられないと思う。