月別記事一覧 2006年8月

なぜ警察が

平成18年8月26日(土)
一昨日、年間3千件もお産のある横浜の個人病院に警察が捜査に入ったとのニュースがあった。なんでも助産師以外の看護師、準看護師にお産の介助をさせてい たとのことである。お産の直接介助は助産師でなければならないので、もし直接介助させていたのなら改めるべきであるが、内診など経過観察をおこなっただけ なら医師の監督責任のもとであればなんら問題ない。そもそもこの程度の問題で見せしめの如く警察が介入することが信じられないことである。
考えればわかると思うが、人の体に針を刺して行う採血は看護師が行ってよいのに、内診はダメだというのは整合性を欠くことである。今まで何十年と行われて きたことが、数年前に厚労省の一役人(元助産師?)がダメだと言ったことから産婦人科全体を揺るがす問題になってしまったのである。本当に患者さんのこと を考えれば、何が一番よいことかわかりそうなものである。生半可な考えほど恐いものはない。このままではお産をする施設がなくなってしまうだろう。そう なって困るのは国民(妊婦)である。

中絶よりもピルを

平成18年8月23日(水)
今月の前半には中絶手術を希望する人が多かった。いろいろ事情はあるのだろうが女性にとっては心身ともにつらいことである。いつも処置後1週間目に来院し てもらい順調に回復しているかを確認することにしているがその際、ピルについて必ず説明するようにしている。何人かに一人はピルを飲んでみようと思われる ようで、実際に使ってみて気に入ってくれる人が多い。
女性は避妊については自分でコントロールすべきで、男性にまかせるのはどうかと思う。やはり自分の身は自分で守らないと、男性は女性の大変さがわかってい ないのである。中絶で傷つくのは女性であり、安全なピルという方法があるのだから考えてみてもいいのではないだろうか。ピルには避妊以外に生理痛の緩和や 生理周期の安定、過多月経の改善など副効用があり、むしろこのために飲む人の方が多いのである。

藤沢周平と鮨

平成18年8月19日(土)
時代小説には秀逸なものが多く、最近は藤沢周平の作品を読んでいる。文章は簡潔でリズムがよくすっきりしている。たとえれば、「とくみ鮨」の鮨を食べたよ うな味わいがある。「とくみ鮨」はクリニックの近くにある小さな鮨屋であるが、透明でいて芳醇な鮨を食べさせてくれる店である。時代小説も鮨も日本独特の 文化であるが、いずれもすばらしいもので日本に生まれたことを感謝しながら味わって行きたいものである。

休み明け

平成18年8月17日(木)
今日から診療開始である。今回の休みは墓参り以外は特に何もせずごろごろしていたが、一日だけ下関長府の割烹旅館「古串屋」にうにを食べに行った。あとはクリニックの カーテンの替えとエアコンの掃除などであっという間に休みは終わってしまった。病院勤務のころは休みが本当に貴重であり、いかに有意義に使うかが大切で あったが、今は夜のお産に起こされることがなくなったのでそれほどでもなくなった。
今日は休み明けなので半日とはいえ患者さんが多かった。またこころ新たに頑張ってやっていこう。

母の初盆

平成18年8月12日(土)
今日からお盆であるが今日は診療している。明日から4日間休みになる。
今年は母親の初盆である。早いもので亡くなってもう半年以上になる。何だか遠い昔のように感じるのはなぜだろうか。人は必ず死ぬが、その人のことを覚えて いる人がいる限りまだ死んだことにはならない。だれも思い出してくれる人がいなくなってはじめて死ぬのだという。今年の盆は田舎に帰り、物心ついてから亡 くなった身近な人たちを想いながら静かに過ごそうと思う。

猛暑

平成18年8月8日(火)
猛暑である。特に街中は暑い。クーラーの稼動と車の数、コンクリートなどで外気温は郊外に比べて数度は高いと思われる。今日などは一雨来れば随分涼しくなるだろう。そう思っていたら夕方雨が降ってきた。
このところ何か足りないと思っていたら、尺八を吹いていないことに気付いた。いまはそれどころではないが、そのうち落ち着いてきたらまた吹いてみたいものである。

看護婦さん募集

平成18年8月4日(金)
看護師さんを募集してもなかなか反応がない。本当にいないのだろうか困ってしまう。今回の状態はまさに想定外であったが、一番おきてほしくないときに異常 事態が発生するのものである。そのための保険を二重三重にかけておかなければとしみじみ思った。一見むだにみえることにも意味があるのである。我々のよう な極小組織でもこのようなことがあるとすれば、大きな組織ではどれほど多く起こり得ることだろうか。公務員などにむだをなくすようにしなさいという風潮が あるが、効率よくすることは大切だがやはり保険とも言うべき一見むだと思える余裕も必要なのではなかろうか。

猛暑に続いて

平成18年8月1日(火)
やっと梅雨が明けたと思ったら焦熱地獄の如く暑い日が続く。今年の天候はどうなっているのだろうか。国内の政治経済も不透明だし、世界情勢に至っては特にわが国周辺についてはどうなるか実に不安定な状況である。
当院も看護師さんの退職などで実に困っている。ずっと勤めてくれていた人が退職したとたんに別の人が事故で入院した。いったいどうしたらいいのか。まさに一寸先は闇である。気を取り直して頑張っていくしかないが、何が起きるかわからないのが人の世であるとしみじみ思う。