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小沢一郎幹事長

平成21年12月16日(水)
民主党の小沢一郎幹事長の本音が露わになっている。田中角栄元総理を師と仰いでいるのはよくわかるが、テレビに映る小沢氏からは、強きを助け、弱気を挫く姿が垣間見えて不快である。
小沢氏の亡き師田中角栄はスケールの大きな人物で、部下からは慕われ、中国の毛沢東とも対等に対峙して信頼を勝ち得ていた。今回の小沢氏の朝貢外交は、胡錦濤主席に媚びて土下座しているだけのように見える。世界中が日本人の姿勢を嘲笑していることだろう。心ある日本人なら歯咬みしているものと思われる。加えて天皇陛下に対する不敬の態度は、まるで自分が日本の王になったかのようである。恥を知れ、そこな下郎が!と思っているのは自分だけではないだろう。

分娩助成金制度の変更

平成21年10月5日(月)
先の政府のバラマキ政策のせいで全国の産婦人科が困っている。
10月から分娩助成金が直接お産をした施設に支払われるようになったのであるが、問題は3か月遅れで払い込まれることである。今までは、退院の時にお産をした人が直接施設に支払って、その後で個人に助成金が保険者より支払われていたので、各施設は現金がすぐに入ってうまく経営されていた。ところが急に(4か月前に告示された)2ヶ月間は現金収入がないことになったのである。
たとえばお産が月に50件ある施設の場合、入院費が1人40万円として40万円×50件は2000万円、2ヶ月分だと4000万円で、ただでさえぎりぎりで頑張っている施設がこの現金を自前で調達しなければならないのである。あとで返ってくるとはいえ資金繰りの心配をしなければならず、おまけにこの制度の事務手続きの煩雑なこと!これらをすべて産婦人科施設に押しつけておいて、一般の人たちには「安心してお産できるようにわが党(この場合は自民党)が頑張りました」とアピールしていたのである。
おかげでギリギリで経営していた分娩施設の中には、「もう止めた」というところが出てくるのは必定である。今ほど産婦人科医がやる気をなくさせられている時代はないのではなかろうか。

民主党が勝ったけれど

平成21年8月31日(月)
昨日の衆議院選挙は民主党の大勝利に終わった。自民党が第一党ではなくなったのは初めてではないか。
自民党と民主党は言っていることはほとんど同じようなので、政権交代してもそれほど変わりないように思える。だから政権を取った民主党が無難にかじ取りをすれば、自民党は政権に復帰できないかもしれない。元自民党の議員で民主党に鞍替えした議員も結構いるようだし、実際どちらでも政策はあまり変わらない。なにしろ自民党の優等生、小沢一郎が民主党の最大の実力者だからあたりまえか。
それにしても選挙はムードでどのようにも動くことが、前回の小泉郵政民営化選挙に続いて今回の選挙で再確認できた。民主主義は他の政治手法と比べればましなのだろうが、選挙権も含めた選挙の方法についてはもっといい方法があるのではないだろうか。

中国の核実験

平成21年7月31日(金)
今朝の産経新聞の記事によると、米国で最も人気の高い科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」に、中国が過去40年にわたって今話題になっているウイグル自治区でおこなってきた四十数回の核実験による放射能汚染のために19万4千人が死亡し、120万人が白血病などを病んでいるという記載があったとのことである。
この科学雑誌は米国だけでなく国際評価が高く、今回のシルクロードの核汚染の記事はそれを否定してきた中国にとっても厳しい詰問となるそうである。
この記事の真偽のほどはいずれわかるだろうが、問題はこういう事実を産経新聞以外は載せないことである。以前より中国に対しての記事は「日中友好」一色であった。中国の悪い部分は一切言わず、ひたすら「仲良くしてください、日本が悪うございました」としか言わなかった。本当の「友好」とは事実を見つめ、相手が間違ったことをしていると思ったらそのことをきちんと伝えて一緒に解決を図ろうとすることである。
NHKも長年の「シルクロード」の取材で実情を知っているはずなのに、一切知らぬ存ぜぬである。「シルクロード」の放送は、ブームを巻き起こしそのために汚染された地域へ日本人の旅行者が大勢訪れている。一般の人は新聞やテレビでしかわからないのだから、報道の仕事をしているのなら事実を伝えねばならない。産経新聞だけが一貫して事実は事実だと伝えている。中国の核実験と覇権主義を報道しないマスコミが、北朝鮮の核実験をことさらに非難するのはダブルスタンダードである。それとも中国は別だというのだろうか。

平均寿命世界一

平成21年7月16日(木)
わが国の女性の平均寿命は86歳で、今年も世界で第一位だったそうだ。男性は残念ながら第四位である。昭和20年代の平均寿命は50数歳だったことを思えば、30年も延びたことになる。
わずか半世紀で急に30も時間が使えるようになったからといっても、手放しで喜べるわけではないようだ。年をとればそれだけできることが限られてくるし、故障個所も増えてくる。若い時のように、健康で元気なまま30年延びたのなら幸せなことだろうが、そうではない。かつては一生懸命仕事をして子供を一人前に育て、それほど間もないうちに亡くなるのが普通であったから、惜しまれつつ世を去るという言葉がぴったりだった。
今は寿命の延びた30年をどう過ごすかを考えなければならない。いい知恵があるわけもなく「生きがい」などという、昔ならわざわざ考えなくてもすんだ言葉が切実な問題になっている。おまけに、要介護の状態にでもなったら、人に迷惑をかけまくりになる。そしてそのことをすまないと思ってもどうしようもないのである。

日本語はすばらしい

平成21年7月8日(水)
大学教授で思想家の内田樹氏が新潮45に、「日本語は学術論文であれ法律の文であれ、英語やフランス語を使わずに的確に表現できる多様さと高い質を持った稀有な言葉だ」と書いている。
たしかに日本語は、主に漢字の単語と、ひらがなで表す助詞を使った地の文から成っていて、かつては中国からとりいれた漢文を見事に日本語に翻訳して使いこなしていた。現代では英語がその立場に置き換えられたが、英語と漢文は語順がほぼ同じなので、日本語の地の文はそのままで単語を漢語から英語に置き換えればいいのでスムーズに取り入れられたのである。
そのおかげで、江戸時代末期に黒船や欧州の国々がやってきても、言葉を守ることができたのだという。言葉を継続させることは歴史を継続させることで、故山本夏彦翁が看破していた「日本とは日本語のことである」は至言だと思う。

使いたくない言葉

平成21年6月26日(金)
違和感を持ったり使いたくない言葉はそれぞれの人にあると思う。自分の場合、職業柄よく聞く言葉では「看護師」という言葉と「患者様」という呼び方に違和感を覚える。明治時代(もっと前かも)以降百年以上定着していた「看護婦さん」を今の言葉に変える必要があるのだろうか。「患者様」は今までどおり「様」と言わず「さん」と言えばいいのだが、「看護師」は言葉自体を変えてしまったのでどうしようもない。
自分が病院を受診したとして、医師や看護師、受付の人から「○○様」と呼ばれたらぞっとする。銀行や高級サロンではあるまいし、やはり「○○さん」がいちばんしっくりする。また「看護婦さん」という呼び方には、病んだ心身を癒してもらえるような安心感があるが、「看護師さん」ではよそよそしさを感じるのである。こんな呼び方にわざわざ変えた人たちの見識を疑う。

臓器移植法案

平成21年6月20日(土)
臓器移植の法案が衆議院で可決された。脳死をヒトの死と認めることを多数決で決めたことになる。
以前にも書いたが、ヒトの死という根源的な問題を国会議員に多数決で決めてほしくない。臓器移植をするために仕方なく決めたと思われるが、そもそも医療は個人的なものである。臓器移植にせよ借り腹問題にせよ他人がとやかく言う問題ではない。お互いが納得できていればいいと思う。
犯罪や金儲けは絶対にできないように監視することは必要だが、日本人の死生観からはこれらの行為がエスカレートするとは思えない。もっと議論を深めて、脳死をヒトの死とわざわざ言わなくても可能な方法もあるだろう。真理は多数決とはもっとも遠いところにあると思う。

脳死はヒトの死か

平成21年5月16日(土)
脳死についての新たな取り決めが検討されている。脳死は人の死か、という問題である。
ヒトの死とは心臓停止、呼吸の停止、瞳孔散大が不可逆的におこった状態をいうことが今までの常識であった。でも、臓器移植のためには脳死のみで死と確定しないと移植できないことがわかったので、脳死をヒトの死と決めて臓器移植をしているのが欧米の国々である。わが国では死生観が欧米と異なっているために、脳死をヒトの死と認めるには違和感があり、さらに臓器移植に対しても同様の気持ちがあった。だからこれだけ時間をかけて議論しても先へ進まない。
わが国の死生観は欧米とは異なっているが、長い歴史に基づいてできたものであるから、我々の心情に即している。このままでいいと思うのである。

休日は新幹線

平成21年5月9日(土)
連休明けはさすがに忙しかったが今日はもう平常のペースだ。連休は一日岡山へ日帰りで行ったが、高速道路は混雑が予想されたので新幹線で往復したところ大正解だった。その日は高速道路が上下線共に事故があったのでかなり渋滞したとの報道があったからだ。もっとも友人宅で酒盛りをする予定だったので車では行けないのでちょうどよかった。
今回の連休の事故の多さは予想以上だったようだが、責任はすべて政府にある。マスコミはどうして政府のばかげた政策を批判しないのだろう。高速道路の通行費を安くしたために、かえって国民を苦しめてしまったのである。こんな単純なこともわからない指導者とそれに迎合するマスコミを思うと、この国がますます壊れていくようで怖いことである。