カテゴリー うまいもん

田中一村展

平成20年11月29日(土)
時間がとれたので、連休を利用して奈良、京都へ行ってきた。目的は、奈良明日香村の万葉文化館で開催されている「生誕百年記念 田中一村展」を見るためだったが、紅葉の季節だしついでに京都をまわってくればいいと思って、急遽計画したのだった。さすがにこの時期は宿がとれず、はじめは大阪のビジネスホテルしかあいてなかったが、出発5日前に奈良公園入り口にあるホテルがキャンセルでうまくとれて幸運だった。奈良は大混雑で、申し込んでおいた奈良観光バスツアーが大幅に遅れたが、おかげで若草山からのすばらしい奈良の夜景を見ることができた。
翌日の京都も大変な人で、清水寺などの有名なところは大混雑なので避けて、午前中に紅葉のきれいな穴場、金福寺、詩仙堂を巡ったが、ゆっくりと紅葉を堪能できた。昼前に雨が降ってきたので、少し早めに予約しておいたレストラン「おくむら」でランチ、秋を満喫できた二日間であった。

昼食には肉を

平成20年8月5日(火)
暑い日が続くので、いささかばて気味である。
最近、肉が食べたくなることが多く、とんかつ、ステーキなどを結構食べている。ちょっと前までは魚ばかりだったのに、夏ばてのせいだろうか実に肉が旨く感じる。実は今日も昼とんかつを食べてしまった。お気に入りは「れんが亭」と「菊屋」だが、このところ「菊屋」の方へ足が向く。ここのとんかつは独自のソースとあいまって、後をひく味である。
大好きな「一楽章」のカレーにもビーフをダブルにしてもらっている。ビーフはサイコロステーキにして入れてくれるので、しっかりスパイスの効いた、深みのある味わいのカレーとあいまって、実にうまい。こんなことを書いていたら、また食べたくなった。

小料理屋の閉店

平成20年5月19日(月)
昼、時々うな重を食べに行っていた小料理屋が、今月いっぱいで閉めるという。そごうの「伊勢定」がなくなってから、あのふんわりした軽めのうなぎの味が忘れられず、色々試して行くようになった店である。うなぎそのものはそれほどでもないが、たれが好みの味で結構気に入っていた。
閉店の理由は、店の主人が高齢になったためである。店を始めて50年というから、跡継ぎがいないので仕方がないとはいえ、惜しいことである。ひと口に50年というが長い間には様々なことがあったことだろう。その店を閉めるのは本当にさびしいと、おかみさんは言うがそのとおりだと思う。店を始めるのはたとえどんなに苦労があっても若いし希望があるからいいが、閉めるのは辛いことだろう。
自分の場合もいずれ高齢になってクリニックを閉院するときがきたら、万感胸に迫るものがあることだろう。おかみさんの話を聞いていてしみじみ思ったことである。

お取り寄せ

平成20年2月20日(水)
雑誌や本に紹介されている「お取り寄せ情報」を見て、旨そうなものを時々取り寄せている。取り寄せてみて、◎もあれば?もあるが信頼できるかどうかは紹介者がだれなのかが大きい。もちろん人それぞれ好みが違うので一概には言えないが、いいものにあたった時はうれしいものだ。はじめは気に入っていても次第に好みが変わってきてそれほどでもないと思うようになることもある。
福井の老舗「天たつ」の越前うに(塩うに)は日本酒に実によくあって、何度も取り寄せていたが、このところ塩辛く感じるようになったのでストップしている。江戸時代から続く味なので、こちらの嗜好が変わったのだろうか。最近では京都錦小路「大国屋」のぶぶうなぎが旨いと思った。酒肴にもなるし、ほうじ茶で茶漬けにすれば、これが京都で「なにもおへんけどぶぶづけでもおあがりやすか?」と聞かれてうっかり「いいですね」などと言ったら後々まで「もののわからん人だ」といわれるというあの「ぶぶづけ伝説」のぶぶづけもかくやと思わせる味だった。またそのうち取り寄せてみよう。

おでん

平成20年2月9日(土)
おでんのおいしい季節になった。
今まで一番おいしいと思ったのは、神戸の病院に勤めていたときに、今は亡き院長に連れて行ってもらった三宮のビルの地下にあった店のおでんであった。一品ずつ小ぶり容器に入れて、うまいだしをかけて供されるおでんは、絶品であった。日本酒や焼酎も全国の銘柄がそろっていて、さすがグルメの院長御用達の店だと思ったことである。残念なことに阪神淡路大震災で店は無くなったようである。もし復活していれば、おでんを食べるためだけに神戸に行ってもいいぐらいである。あのうまさは思い出しただけでもノドが鳴る。
広島には「とくあん」という個性的なあるじの店があるが、ここのおでんはおいしい。
おでんをはじめ、わが国は安全でおいしい食の宝庫なので、わざわざ他の国に行ってみたいとは全然思わなくなった今日この頃である。

酒はうまい

平成19年9月29日(土)
アルコールに弱いくせに好きで、このところ冷酒がじつにうまい。イカの塩辛や塩うに(福井市、天たつの越前雲丹は絶品である)などをさかなに飲むと、しみじみ日本に生まれてよかったと思う。元来アルコールに弱いので多くは飲めず、少ない量で満足できるのはありがたいことである。初めに飲むのは「とりあえずビール」で、特に汗をかいた暑い日に飲むと、ビールを発明した人にはノーベル賞をあげても追いつかないと思えるほどうまい。
父親はアルコールを受けつけない体質で、実家には酒というものがなかった。たまに「赤玉ポートワイン」と「養命酒」があったように記憶しているが、なにしろ酒に縁のない家だったと思う。それが我が家にはビール、発泡酒、冷酒、ワイン、ウイスキー、焼酎など一通りそろっているし、みな勝手に飲んでいるようである。特にビールと日本酒の消費が多いのは好みから当然である。いつまでおいしく飲めるかわからないが、できれば永く飲んでいたいものである。

山口瞳著「行きつけの店」

平成19年7月18日(水)
作家の山口瞳氏が亡くなって10年以上経つが依然として根強い人気がある。彼の著書で最も好きなのは「行きつけの店」で、贔屓の店を中心にして氏の人間関係、付き合いをエッセイ風に書いて味わい深い作品である。高倉健が主演した「居酒屋兆次」のモデルになった店もこの中にあった。「縁」を大切にする作者の心意気があらわれていて、どれも一度は行ってみたいと思う店ばかりである。
先ごろ金沢に行った時も作品の中にあった「つる幸」をまず予約し、その後代替わりしているとの情報から先代の弟子の「つる屋」に予約を変更した経緯がある。倉敷、長崎にも作品に書かれた店があり機会があれば行ってみたいものである。
最近、山口瞳夫人が「瞳さん」という本を出した。これは最も身近な妻の立場から見た作家の姿が描かれており興味深い。そういえば壇一雄夫人の話を聞いて沢木耕太郎が書いた「壇」という作品もあった。いずれも作家の等身大の姿をありのままに表していて魅力的であるが、生きているときには書けないのだろうと思う。

休み明け

平成18年8月17日(木)
今日から診療開始である。今回の休みは墓参り以外は特に何もせずごろごろしていたが、一日だけ下関長府の割烹旅館「古串屋」にうにを食べに行った。あとはクリニックの カーテンの替えとエアコンの掃除などであっという間に休みは終わってしまった。病院勤務のころは休みが本当に貴重であり、いかに有意義に使うかが大切で あったが、今は夜のお産に起こされることがなくなったのでそれほどでもなくなった。
今日は休み明けなので半日とはいえ患者さんが多かった。またこころ新たに頑張ってやっていこう。

気になっていたラーメン店

平成18年3月4日(土)
前から気になっていて一回行ってみようと思っていたラーメン屋「海風堂」に行く機会があった。だしも麺もなかなかよかったが、何回も行きたいとは思わないのはどうしてだろうか。十年前だったら何回か通ったかもしれないが、このところラーメンを少し重く感じるようになったのだ。それなら行くなと言われるかもしれないが、ずいぶん前からその店の前を通るたびに、一度寄ってみたいと思っていたからだ。思っていたとおり美味しかった。それでも以前はあまり好きでなかったうどんの方が重くなく、飽きが来ないように感じるのである。
年齢と共に好みが異なってきたのは、体が要求する栄養が油、動物性たんぱく質、濃い味付けから炭水化物、植物性たんぱく質、魚、薄味へと変わってきたからだろうか。そういえばラーメンを食べたのは久しぶりであった。うどんなら週に三回は食べているのに。(「海風堂」はその後吉島に移転、繁盛している)

肉より魚

平成18年2月17日(金)
男性は年をとると鮨好きが増えるように思う。自分について言えば若い頃は断然肉、それも牛ロースやカルビの焼肉、ステーキ、すき焼きが大好物であった。対 して魚はどうでもいいという感じだった。ふぐでさえ牛肉の前では色あせた存在であった。それが40歳頃から魚が好きになってきて、肉に対する好みは次第に 衰えてきて今ではうまい魚が一番になってしまった。特に腕のいい鮨職人の鮨は本当にうまいと思う。これこそ日本が生んだ世界に誇れる味の芸術ではないかと 思うぐらいである。
むろん、ポン酢ともみじおろしで食べるとらふぐは最高ではあるが、なにしろ値が張るのでめったに食べられない。肉よりも魚を美味しいと感じるのは老化によ る嗜好の変化だろうがやはり体が肉よりも魚を要求しているのではないか。こんなことを書いているとまた鮨が食べたくなってしまった。