カテゴリー うまいもん

仁淀ブル―

令和2年8月21日
Go to travelを利用して四国に行った。高知県の山岳観光のメッカ、工石山を背景にした高知市から車で30分の「オーベルジュ土佐山」が予約できたからである。車で出発、瀬戸大橋を渡り香川県の道の駅で讃岐うどん、前から行ってみたいと思っていた徳島県の祖谷のかずら橋へ。奥深い渓谷なので人は少ないだろうと思っていたが、結構多かった。それでも15分ぐらい待って渡ったが、普段なら3時間待ちとのこと。3密を避けるために行ったのだが、同じように考えている人が多いとみえた。その後高知市を素通りして土佐山へ。狭い道を抜けると水の上に浮かぶような宿が現れた。部屋数は14とコテージが3でゆったりしている。温泉は露天風呂もあり、湯船から空を見ると星が全天を覆い尽くしているようで、これほどの星を見たのは初めてである。
翌日は清流仁淀川をさかのぼって「にこ淵」へ。道が狭く車のすれ違いのできないところが多くてひやひやしたが、早めに出発したおかげで何とか駐車場所もあり「にこ淵」を見ることができた。その時はブル―ではなくグリーンだったが光の加減できれいなブルーになるという。その後は松山市のうなぎ店「つしま」へ。ここは以前から松山に行った時はよく行くうなぎ屋で自分の好みである。どこにも寄らずしまなみ海道を渡って広島へ着いたのは夕方、四国全県を通過したことになる。時節柄とはいえ気分転換になるいい旅だった。

テイクアウト

令和2年5月17日
昨日は一日中雨だったが今日は一転、さわやかな初夏の日差しになっている。このところランチをテイクアウトにする店が増えたので、いつもの気ままな昼食が難しくなっている。「太閤うどん」「こけもも」「菊屋」はテイクアウトのみになり、「天甲」「讃岐屋」「平和園」「一楽章」「袋町食堂」「千の風」は店内で食事できる。持ち帰って食べるのは面倒なので後者の店に行くようになるが、これらの店は近頃見つけた「千の風」を除いてずいぶん長く通っているので安心感がある。多くの店が店頭で弁当を売っているのを見るにつけ、一日も早い経済活動の再開を願わずにいられない。
新しい店などの開拓で参考させてもらっているブログで、いくつかの店のテイクアウトの内容と感想が良かったので、試してみることにした。笹組の旗艦店「調整」はきちんとした旨い料理を出す店だが、テイクアウトをしているとは知らなかった。去年までは思いもしなかった経験ができるのもコロナ騒ぎのせいで飲食業界は大変だと思う。少しでもお役立てしたいものである。

なくなった店

令和2年3月13日
開業して20年以上袋町周辺で昼食を食べていると、気にいっていたけれどなくなった店も多い。まずそごう10階にあった「伊勢定」、東京にあるうなぎの名店であるが広島から撤退してしまった。ここのうなぎは焼きかげんもたれの味も絶妙で、毎月1回は行っていたが突然なくなった。国際ホテル東側にあった「千成」、小料理屋で主人は大正生まれで高齢のため店を閉めたが、ここのうな重は値段も手ごろでたれが好みだったので、毎週通っていた。クリニックすぐそばにあった「れんが亭」、とんかつの店で気にいって通っていたが、ある時から「菊屋」に行くようになって足が遠のいた頃閉店した。理由はわからない。旧広テレビル近くにあった「五津味」、ここのステーキ丼はちょうどよい焼き加減なので通っていたが健康上の理由(?)で閉店した。備長炭串焼きの店「小太郎」、この店のシソ巻き定食は実に旨いので、亭主のキャラと相まって20年間ほぼ毎週通っていたが、残念ながら昨年12月末で閉店した。
流川周辺では和食の「栄助」、いつ行っても満足できる料理屋であったが平成23年3月に閉店した。もっと通っておけばよかったと後悔。洋ラウンジ風の店「マンハッタン」、医会の会合などでよく行っていたが、リーゾナブルで使い勝手がいいので個人的にもよく行っていた。ここも突然無くなった。ふぐ料理の「かねまさ本館」、新天地駐輪場の南側にあり、あの名店「かねまさ別館」の親戚筋(こちらが本家?)の経営らしく、別館と違って養殖のふぐなので値段もリーゾナブルでよく行っていた。ここは「キヨ・マサ」と店名をかえて高級料理店になった。他にもあるがここに書いた店はどれも記憶に残る自分にとっての名店であった。

偶然見つけた店

令和元年10月25日
自転車通勤していると途中のビルや店の移り変わりが身近に感じられる。並木通りから旧広テレ方向に向かう途中に、和風料理店に改造している場所があった。しばらくして医会の会合の時に広島の店に詳しい先生から「先生のクリニックの近くに新店ができたらしいけど行きましたか」と聞かれ、あの店だとひらめいた。
その店のすぐそばにある「こけもも」へ行った際に聞いてみたが知らないとのこと。「こけもも」は洋食なので和食の店は関心がないのかと思った。前を通ってみると入り口の床を丁寧に拭いている女性がいる。声をかけてみると、奥から主人らしい人が現れ、「9月20日に開店したばかりです」と名刺をくれた。「元念 瀬川」という店で広島で勢力を広げている「笹組」出身とのこと。早速予約して4人で行ってみたが、接客も料理も申し分なく値段もリーゾナブルで再訪したくなる店であった。「こけもも」も今のように世に知られる前に偶然見つけた店だが、この店もそうなるように思う。偶然とは面白いものだ。

ステーキを焼く

平成31年1月18日(金)
ステーキはいい肉が手に入ったときに自分で焼くのが楽しみなのだが、うまく焼くのは本当に難しい。毎回、反省点があり改善しようとするけれどこれでよいと思ったことがない。ネットや料理本などを参考にしてもなかなか思うように行かない。基本は塩コショウをして表面を強火で短時間焼き、後は弱火で蒸すように焼くのだが、火の通り具合の判断が難しく満足することが少ない。プロの焼いたステーキはどれも旨いが、最近食べた中ではメゾンドシェフのステーキがぴか一だった。この店はどの料理も丁寧に作っていて実に美味しいのだが、福山にあるのでめったに行けないのが残念である。
このようなプロの味は望むべくもないが、少しでも美味しいものを作りたいので工夫するわけである。肉専門店のレシピに従って、このところソースを追加するようにしている。焼いた後の肉汁にみりんと醤油を加えて作ったソースはなかなか好評である。酒を加えるともっといいかもしれないとか、もう少し余熱でじっくり蒸らしたらどうだろうとか考えると楽しい。書いているとステーキが食べたくなった。

キュリオス大阪公演

平成30年9月28日
連休を利用してシルク・ド・ソレイユの大阪公演「キュリオス」を見に行った。カナダのパフォーマンス集団シルク・ド・ソレイユが日本で初めて公演をしたのは1992年、「ファシナシオン」と題してのものだった。以後、今回で13回目の公演になるがほとんど見に行っている。毎回鍛え上げた体を使っての見事なパフォーマンスに十分満足しているが、今回の公演はテーマがややわかりにくかった。それでも美しい演技には魅了された。
例によって大阪・京都を観光したが、あべのハルカスの展望台からのながめはすごいもので、まさに大阪を一望していて電車・高速道路がジオラマのように見えた。京都は伏見稲荷大社の千本鳥居をくぐって四つ辻まで登ったが、さすがに頂上まで行く元気はなかった。東福寺の通天橋では、紅葉の時期ならどんなに見事だろうと思ったが、たぶん観光客が多すぎてゆっくり観賞できないだろう。
初日の夜は大阪玉造駅の近くにある「ながほり」、ここは居酒屋であるが食べログNo1でミシュランにも載っている店で、料理も酒も申し分なかった。翌日は京都先斗町の「酒亭ばんから」、魚料理にこだわった非常にリーゾナブルな店で京都の人が好む人気店で、やたらと値段の高い和食店とは一線を画した今回の旅の最大の収穫の店だった。帰りは「辻留」の弁当を仕入れて自宅で一杯、いい休暇になった。

休み明け

平成30年8月17日
お盆休みが終わり8月16日から診療開始したが、木曜日なので午前中だけである。例年、休み明けは患者さんが多いけれど、今年は特に多くて終了時間が大幅に遅れた。休みモードから仕事モードへの変換が急激だったので、いささか疲れたが心地よい疲れである。
今年は孫たちも帰ってこないので、かねてより訪れてみたかった鎌倉・箱根へ行ってきた。鎌倉は紫陽花の季節がいいのだろうが、まとまった休みが今しか取れないから仕方ない。養老孟司先生のお住まいを拝見することは望むべくもないので、鶴岡八幡宮などをベタに観光した。隠れ家的鮨屋「和さび」が予約できたのはラッキーだった。結局、横浜に1泊、箱根に2泊したが、箱根はレンタカーで回ってみた。例年正月に行われる箱根駅伝のコースも通ってみたがテレビで見ている風景そのままなのが面白い。圧巻だったのは「彫刻の森」で、特に「密着」という作品にはしばらく足を止めて鑑賞した。残念だったのは海抜1327メートルの箱根駒ケ岳にロープウエイで登って富士山を見ようと思ったのだけれど、雲と霧で真っ白になり何も見えなかったことである。宿は居心地が良くて温泉も食事も良く、久しぶりのリフレッシュできる休暇であった。

木曜日の午後

平成30年8月10日
木曜日の午後は休診なので、昼食は普段行けないところに行くようにしている。最近よく行くのは、「そば切り吟」と「サカナヤ」である。
そばは元々好きで、おいしい店があると聞けば試しに行ってみるようにしている。「はっぴ」「雪花山房」「翁」「ながお」「宮島達磨」「浅枝」「やぶそば」、どの店もそれぞれ特徴がありおいしいそばとつまみを味わうことができる。初めの4軒はいずれも高橋名人の店とその弟子・準弟子の店であるが、惜しいことに「雪花山房」と「翁」はなくなってしまった。「そば切り吟」はそば自体は名人のそばに似ておいしく、つゆもほどよい加減で、昼のあなごの天ぷらとのセットは優れものである。段原にあるので通いやすく、夜もたまに行って軽く飲んでそばを食べて(関東ではたぐって、というらしい)帰る。年越しそばはここのそばを予約して持ち帰り、家で茹でて食べる。
「さかなや」は佐伯区にあるゾーナイタリアの系列店で、ここのオイルパスタが好きである。ガーリックパンの少し辛めの塩加減がなんともいえず、前菜の白身魚のカルパッチョがうまい。この2軒はこのところ2か月に1~2回は行っている。

ミシュランガイド広島・愛媛2018特別版

平成30年4月27日
5年前にミシュランガイド広島版が出て以来2度目のガイド版である。前の版には掲載されていなかった店も今回は載せられていて、やはり版を重ねていくのはいいことである。三ツ星の店は前回と同じ日本料理の「なかしま」のみであるが、二つ星は前回なかった店が登場している。「料理屋昇月庵」はクリニックに比較的近いところにできた新しい店であるが、評判も良く外観もいいので一度は行ってみたいと思っていたが、なかなか予約が取れなくて未訪問である。ミシュランに二つ星で載ってしまったのでいよいよ行けなくなった。
ガイド本があると便利だが、普段から贔屓にして常連になっている者にとっては迷惑なだけである。今回も行きつけの店のいくつかは載っていなかったり、星が付いていなかったりでほっとしている部分もあるが、一方ではいい店なので評価してほしいという二律背反の気持ちになるところもある。
昨年の暮れに出版されたゴ・エ・ミヨでは岡山と山口の店の紹介があったが、今回のミシュランでは愛媛県の案内がある。しまなみ海道もあることだし愛媛県に行くときはぜひ参考にしたいと思っているが、地元のご常連にとっては迷惑なことだろう。

あたりはずれ

平成30年2月2日
ミシュランと双璧をなす食のガイドブック、「ゴ・エ・ミヨ」の最新版を手に入れた。東京、北陸、瀬戸内(岡山、広島、山口)のおいしい店を紹介しており、結構知った店もあったので早速行ってみた。宮島口、桟橋の近くにある「宮島ボッカ アル・ケッチアーノ」は山形を代表するイタリア料理店「アル・ケッチアーノ」の奥田シェフが手がけた店で、山形と広島の食材を取り入れた味も値段も納得できる良い店だった。まだできて2年目だそうであるが、そのうち予約が取れなくなりそうなので今のうちに行っておかなければと思った次第である。
「ゴ・エ・ミヨ」に載っている店で金沢、福井、岡山にも行ったことのある店があり、いずれもよかったので広島市内の某料理店に行ってみた。この店は以前、開店して間もない頃一度行ったことがあったが、可もなく不可もなしといった印象で、あまり好みでなかったので以後自分のリストから外していた。それが今回、結構いい店として載っていたので予約して行ってみたが大外れだった。まずアルコール類の値段が高く、居酒屋風のカウンター料理屋の中では最右翼だろう。料理も普通で1時間以上客は他にいなくて、あとから2組の客が入ってきたがいずれもガイドブックを見てきた若いカップルのようだった。
ミシュランにせよゴ・エ・ミヨにせよ当たりはずれがあるのは仕方がないが、今回は自分で昔リストから外していただけに一層残念だった。