平成21年9月10日(木)
今日9月10日は当院の開院記念日である。平成9年のこの日に開院したので丸12年経って13年目に入ったことになる。
この12年間、いろいろなことがあったがあっという間だった。今でも開院前の緊張した気持ちが昨日のことように思い出せる。毎年この日にお祝いの花束を届けてくれる方がおられる。本当にありがたいことである。途中で入院手術したこともあったが、充実したいい日々を送らせてもらっている。これも健康な体と家族、友人、スタッフ、そして何より患者さんのおかげだと感謝している。これからもできることを地道にやっていきたいと思う。
カテゴリー 日誌
開院記念日
尺八の醍醐味
平成21年9月3日(木)
今日は、久しぶりにゆっくり尺八を吹くことができた。11月に演奏会が予定されていても、なかなかじっくり吹く余裕がなかったが、気持ちよく音を出すことができた。
最近、人間国宝の尺八演奏家、山本邦山の自伝を読んで啓発されたことも、吹きたくなった理由である。この楽器は上達すればおそらく、声を出すのと同じように自在に音質・リズム・強弱・高低などが変えられ、表現できるようになるのだと思う。もちろん自分の技術は初心者並みだけれど、なんとなくそのように感じられる。吹いていると、ときおりしみじみと音の味を感じる瞬間があり、これぞ尺八の醍醐味だと思うのである。
民主党が勝ったけれど
平成21年8月31日(月)
昨日の衆議院選挙は民主党の大勝利に終わった。自民党が第一党ではなくなったのは初めてではないか。
自民党と民主党は言っていることはほとんど同じようなので、政権交代してもそれほど変わりないように思える。だから政権を取った民主党が無難にかじ取りをすれば、自民党は政権に復帰できないかもしれない。元自民党の議員で民主党に鞍替えした議員も結構いるようだし、実際どちらでも政策はあまり変わらない。なにしろ自民党の優等生、小沢一郎が民主党の最大の実力者だからあたりまえか。
それにしても選挙はムードでどのようにも動くことが、前回の小泉郵政民営化選挙に続いて今回の選挙で再確認できた。民主主義は他の政治手法と比べればましなのだろうが、選挙権も含めた選挙の方法についてはもっといい方法があるのではないだろうか。
通勤はママチャリで
平成21年8月20日(木)
自転車通勤をするようになって2年になる。片道3キロちょっとなので、15~20分かかる。おもに平和大通りを走るので、広いし安全だ。ほとんど平地なので快適なのだが、鶴見橋を渡るのはちょっと力が必要だ。結構高低差があるので、橋の中央まで上り切るのが難儀なのだ。いつもSONYのMP3で音楽を聞きながら走っているが、いい気分転換になる。
走っていてよく見かけるのが、車輪の小さなハンドルが横棒一本のT字型の自転車であるが、あんなに走りにくく危険な自転車によく乗るものだと思う。本格的なツーリングならマウンテンバイクだろうが、気軽に使うならママチャリが安全で使いやすい。前にかごがついているし、ハンドルは握りやすいように曲げてある。オッサンが乗るにはちょっと格好が悪いけど、機能的には最も優れていると思う。
短い夏
平成21年8月12日(水)
今年は梅雨がいつまでも明けず、夏が来る前に台風が来てしまった。全国の海水浴場の関係者は人が来ないので蒼くなっていることだろう。雪の降らない年のスキー場と同じである。
お盆の頃は暑くてもなぜか「もう夏は過ぎていくんだろうな」と感じられた。人生で言うと、30代後半になってふと「もう若くないな」と感じる時と同じように。
今年は夏の盛りがないまま秋になってしまうような、そんな天候である。子供の頃、夏休みはずいぶん長いようでも、お盆を過ぎればあっという間に終わってしまうと感じていたが、今年は久しぶりにその感じを思い出した。
夏はしっかりあってほしいし、暑くてもそれなりにいいものである。
天国に行った麻呂
平成21年8月5日(水)
我が家の愛犬「まろ」が腎不全で亡くなってそろそろひと月になる。息子は朝夕散歩に連れて行って、同志のようにかわいがっていたから、亡くなる1週間のあいだは本当につらそうで、ごはんがのどを通らない時もあった。カミさんは3キロやせた。娘も目を真っ赤にして悲しんだ。
亡くなって、仮住まいのリビングルームに遺骨を遺影とともに飾って朝夕偲んでいるうちに、皆だいぶ落ち着いてきたようだ。息子は今でも毎日、なにかお供えの菓子を買ってきて遺影に供え、翌日自分で食べているようである。私は院長室に飾っている「まろ」の小さい時の写真をときおり眺めている。
入院していた動物病院に会いに行くと、ふらふらになっても家へ帰りたがって、病院の出口のドアのところでじっと待っていた。我が家にすばらしい思い出と癒しをくれた「まろ」はきっと天国から家族を見ていて、リフォームが済んで皆が家に帰ったらいつも寝ていた玄関で迎えてくれるにちがいない。
中国の核実験
平成21年7月31日(金)
今朝の産経新聞の記事によると、米国で最も人気の高い科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」に、中国が過去40年にわたって今話題になっているウイグル自治区でおこなってきた四十数回の核実験による放射能汚染のために19万4千人が死亡し、120万人が白血病などを病んでいるという記載があったとのことである。
この科学雑誌は米国だけでなく国際評価が高く、今回のシルクロードの核汚染の記事はそれを否定してきた中国にとっても厳しい詰問となるそうである。
この記事の真偽のほどはいずれわかるだろうが、問題はこういう事実を産経新聞以外は載せないことである。以前より中国に対しての記事は「日中友好」一色であった。中国の悪い部分は一切言わず、ひたすら「仲良くしてください、日本が悪うございました」としか言わなかった。本当の「友好」とは事実を見つめ、相手が間違ったことをしていると思ったらそのことをきちんと伝えて一緒に解決を図ろうとすることである。
NHKも長年の「シルクロード」の取材で実情を知っているはずなのに、一切知らぬ存ぜぬである。「シルクロード」の放送は、ブームを巻き起こしそのために汚染された地域へ日本人の旅行者が大勢訪れている。一般の人は新聞やテレビでしかわからないのだから、報道の仕事をしているのなら事実を伝えねばならない。産経新聞だけが一貫して事実は事実だと伝えている。中国の核実験と覇権主義を報道しないマスコミが、北朝鮮の核実験をことさらに非難するのはダブルスタンダードである。それとも中国は別だというのだろうか。
食事をおいしくするアルコール
平成21年7月24日(金)
晩酌のあと締めにウイスキーを飲むと酔いがいっそうまわって、大いびきをかいてしまうようだ。先日もかなりひどかったようで、仮住まいのマンションの隣室にまで聞こえたのではないかと心配である。アルコールに弱いくせに好きで、ついつい過ごしてしまうのだ。困ったものである。外で飲む時は時間をかけて飲むので、結構飲んでもなんとかだいじょうぶだが家では短時間に飲んでしまうので酔いが廻るのも早いようだ。
食事の初めにビールを少し飲むのは、食欲が増して料理がおいしく食べられる。特に暑い日や汗をかいた時の一杯のビールは実においしく、幸せを感じるのである。さらに、いちばん好きなそば屋「はっぴ」のつまみがあれば言うことはない。この店は、そばのうまさはもちろん、つまみもじつに安定しておいしい。惜しむらくは店の場所が己斐駅の近くにあるので、クリニックからも自宅からも遠いことである。もっと近くにあれば通い詰めるようになると思われる。これを書いていたらまた行きたくなった。
平均寿命世界一
平成21年7月16日(木)
わが国の女性の平均寿命は86歳で、今年も世界で第一位だったそうだ。男性は残念ながら第四位である。昭和20年代の平均寿命は50数歳だったことを思えば、30年も延びたことになる。
わずか半世紀で急に30も時間が使えるようになったからといっても、手放しで喜べるわけではないようだ。年をとればそれだけできることが限られてくるし、故障個所も増えてくる。若い時のように、健康で元気なまま30年延びたのなら幸せなことだろうが、そうではない。かつては一生懸命仕事をして子供を一人前に育て、それほど間もないうちに亡くなるのが普通であったから、惜しまれつつ世を去るという言葉がぴったりだった。
今は寿命の延びた30年をどう過ごすかを考えなければならない。いい知恵があるわけもなく「生きがい」などという、昔ならわざわざ考えなくてもすんだ言葉が切実な問題になっている。おまけに、要介護の状態にでもなったら、人に迷惑をかけまくりになる。そしてそのことをすまないと思ってもどうしようもないのである。
日本語はすばらしい
平成21年7月8日(水)
大学教授で思想家の内田樹氏が新潮45に、「日本語は学術論文であれ法律の文であれ、英語やフランス語を使わずに的確に表現できる多様さと高い質を持った稀有な言葉だ」と書いている。
たしかに日本語は、主に漢字の単語と、ひらがなで表す助詞を使った地の文から成っていて、かつては中国からとりいれた漢文を見事に日本語に翻訳して使いこなしていた。現代では英語がその立場に置き換えられたが、英語と漢文は語順がほぼ同じなので、日本語の地の文はそのままで単語を漢語から英語に置き換えればいいのでスムーズに取り入れられたのである。
そのおかげで、江戸時代末期に黒船や欧州の国々がやってきても、言葉を守ることができたのだという。言葉を継続させることは歴史を継続させることで、故山本夏彦翁が看破していた「日本とは日本語のことである」は至言だと思う。