平成27年1月30日(金)
伝記を読むのは結構好きで、特に若者が自己実現していく様子を見るのは実に興味がある。最近、幻冬舎から出た表記の著書は、堀江貴文という個性の強い青年の来し方を飾らない書き方で記していて興味深く読んだ。
生い立ちから両親とのかかわり、彼が持っているものと持っていないもの、東大に入学後会社を創って世間で話題になり逮捕、受刑、その後の日々など実に面白かった。堀江氏が物心ついた時から闘ってきたのは「情」というか「情」という言葉に含まれる日本人的なもろもろの考え方である。氏の能力は素晴らしいもので、理論性・合理性・行動力・発言力、どれも一流であるが「情」の部分が不得意のように思え、結局それが彼の足を引っ張ったのではないだろうか。実際、氏は結果的に部下の罪を社長という立場ゆえ思いがけずかぶらされたとしか思えない。
実際、今でも氏は自分を有罪だとは思っていないだろうし、これからも興味のあることを休みなくやっていくだろう。「情」を無視せずにやらないと痛い思いをするという教訓を込めて。
カテゴリー 日誌
堀江貴文著「我が闘争」
尺八の再開
平成27年1月23日(金)
この正月はいろいろなことがあってほとんど尺八を吹くヒマがなかった。まだすべてが落ち着いたわけではないけれど、気分転換もかねてまた練習を始めようと思う。一旦吹き出せば結構熱中するので、心配事などが一時でも忘れられる。まず久本玄智の「春の恵」から始めようか。
久本玄智は作曲家、ピアノ、筝の演奏家で、邦楽の曲も多く作曲している。明治生まれ、5歳で失明して東京盲学校卒業、後に東京教育大学の教授も務め、幅広く活躍した音楽家である。曲は洋楽を取り入れた独特のもので、根強い人気があり現在でもよく演奏されている。早速吹いてみよう。
いい日旅立ち
平成27年1月16日(金)
正月を挟んで30日間連続スパルタ英語講座が昨日で終わった。ふう。途中、物理的に無理で課題の提出ができない日があったが、なんとかやり遂げた。メーリングリストで自分の回答を公開するので、必死になってやらざるを得ないところが良かったと思う。
最も時間がかかったのは英作文で、毎日テーマが与えられ、それについての意見などを書くことが課題であるが、日本語でも難しいのに本当に苦労した。聞き書きも世界中のいろいろな人の演説や会話などがあり、興味深いことであった。
最後の日の課題はいつもの英作文、聞き書きに続いて山口百恵の「いい日旅立ち」の歌詞を英訳せよで、これも結構時間がかかった。提出して他の人たちの回答を見ると、うまいなあ、と思う人が多くやっぱり英語は難しいと思った次第である。
あの世へ旅立った父
平成27年1月9日(金)
仕事始めの5日、郷里のホームに入所していた父が亡くなった。92歳の誕生日を目前にした大往生であった。9年前に母が亡くなった後、元気に一人暮らししていたが、昨年の6月頃から次第に衰弱してきて11月には入院、どこも悪くはないが食が細くなってこのような結果になった。長兄が喪主となって、親族と近所の人たちだけの小さな葬式をしたが、その土地に生まれ、育ち、農業で自分たち兄弟を育ててくれた実直な父にはふさわしいのではないかと思った。近所の人、特に親族の人たちの助けは本当にありがたかった。
父の飼っていたぶさいく犬「福太郎」は元気で、殉ずる様子は皆無である。合掌。
謹賀新年(平成27年)
平成27年1月1日(木)
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
朝は雪が舞っていたが昼になって天気が良くなってきたようだ。この「診療日誌」も11年目を迎えたが、元旦に更新したのは初めてである。11年も続けるとさすがにちょっとした歴史と言える。まさに継続は力なり、である。現在、「30日間スパルタ英語塾」を始めてしまったので、元旦といえども課題を提出しなければならない。そのためにクリニックに出てきているが、これが結構時間がかかり片手間というわけにいかない。でもその分、英語が身近になるような気がしてちょっと得した気分になる。
今年の標語は「継続は力なり」にしようかな。
福太郎の復活
平成26年12月25日(木)
今年の診療は今日を含めてあと3日になった。寒さもいよいよ本格的になり自転車通勤に、防寒服が必要になっている。防寒の重装度からはまだ2番目であるが結構ハードである。
先月連れてきたぶさいく犬「福太郎」が土曜日の朝の散歩のとき、レンガ色の血尿をして元気がなかった。日曜日の朝は動きたくない様子でエサを食べなかった。年だし痩せているし、もう長くないのかと思っていたら水曜日の夜は血尿もおさまり元気になってきた。食欲も出てきてまさに不死身、このしぶとさには我々もあやかりたいものである。
英語のスパルタ講座も今日で9日目、きついけれど結構楽しんでいる。今年もあとわずかであるが一年の締めをするヒマがないので、ごあいさつだけにします。
今年も一年間ありがとうございました。
英語の特訓
平成26年12月18日(木)
英語を使うことがなくなってずいぶん久しい。たまには文献を読むこともあるが、辞書を引きながら何とか読めるくらいでヒアリングはできないししゃべるのはさらに困難である。かつて学会発表をしていた頃は、まだ少しはそれらしくしゃべっていたが、今はまったくダメである。
そこで、今回30日間スパルタ講座を受けることにした。毎日課題が与えられ、まがりなりにも解答を出さなければならない。課題は3つ、英作文と聞き書きと和訳である。実際にやってみて、いかに英語力がないか思い知らされている。なにしろこれだけ英語から離れた生活をしているのだから、すぐに慣れろといっても無理である。結構ストレスがかかっているが、なんとかやり遂げたいものである。
袋町東地区忘年会
平成26年12月11日(木)
先日、医師会中区第4支部(袋町東)忘年会が「かねまさ別館」で行われた。特別なことでもなければまず行かない天然とらふぐの店なので楽しみにしていた。近くにいても日頃顔を合わせることが少ない先生方と久しぶりに話をして盛り上がったが、新たな開業も複数あることがわかり、この地区は中四国最大の医療施設密集地だと改めて思った。
本通りに沿って東西500メートル、八丁堀をはさんで南北1キロメートルの狭い地域になんと!45の医療施設があり、企業の診療室も3か所ある。個人のクリニックもあれば病院もある。当院もこの地に開業して17年になり中堅どころとになったが、いくつもの施設が廃業しそれを上回る新たな施設ができるのを見てきた。
この地区は人が最も集まってくる本通りがあり店舗も密集、袋町の美容院密度は日本一といわれているが、活力のある面白い場所だとしみじみ思う。
太田和彦著「居酒屋を極める」
平成26年12月4日(木)
著者は資生堂宣伝制作部を経て独立したグラフィックデザイナーであるが、居酒屋好きが高じて居酒屋評論家としての著書を多数あらわし、全国居酒屋百選のDVDまでも出して、「酒場放浪記」の吉田類の向こうを張るような人である。表題の新書は著者の来し方を簡潔に記し、居酒屋との付き合い方ひいては人生の処し方を上から目線でなくひとりの庶民的酒飲み目線で語っている。
私自身はアルコールは弱いけれど旨いものには目がなく、おいしく食べるにはアルコールが必須であると思うので、料理に合わせてビール、日本酒、ワイン、ウイスキーを自分の適量飲むことにしている。ワイン以外はほぼ毎日飲んでいるが、少量で満足できるので強くなくてよかったのかもしれない。
著者の居酒屋でのふるまいを読むと、こういう人と偶然居酒屋で同席しても気持ちよく飲むことができると思う。まことに酒席の達人、人生の達人ともいうべき人で、私の周辺にもこういう人がいるが、他愛のない話をしながら飲んでいるうちに知らぬ間に時が過ぎて行くのが快い。
産婦人科の新しい診療領域
平成26年11月28日(金)
弘前大学産婦人科の水沼英樹教授による表題の講演があった。少子高齢化による女性の疾病構成の変化に伴って、従来の更年期を中心にした産婦人科医のかかわりをもっとトータルに広げる必要がある、という内容である。
わが国の女性の総患者数では圧倒的に多いのが高血圧で、ずっと離れて脂質異常である。そして妊娠時の高血圧は将来の高血圧症になるリスクがあり、PCOタイプの卵巣は将来の脂質異常のリスクがあるので、妊娠にかかわっている産婦人科医が予測しフォローするのが理にかなっている。また、骨粗鬆症は骨折につながり、高齢者の骨折は死亡リスクを上昇させる。骨量の減少は更年期に入った時から始まり急激に進行し、更年期が過ぎたところで緩やかな減少へと移行する。つまり、更年期をホルモン補充療法でうまくやり過ごせば骨がもろくなるのを防ぐことができ、高齢になってからの骨折も防ぐことができる。
このように女性の一生にトータルにかかわることが産婦人科医のこれからの方向である、という興味深い話であった。