平成18年1月13日(金)
しばらく書いていなかったので今日からまた日誌を綴って行きたいと思う。
郷里の母が亡くなった。脳梗塞で衰弱していたが、とうとう力尽きたのである。細かく始末しながら私たち兄弟に教育をつけてくれた母親があの世に逝ってし まった。順送りとはいえつらいものだ。最愛の伴侶を失った父の悲しみははかりしれない。これからもできるだけ様子を見に帰るつもりでいるが心配である。今回の葬儀では近所親戚にはほんとうにお世話になった。なにもわからない私たちに、なにくれとなく面倒をみてくれてこれ以上ありがたいことはなかった。おかげで無事母を葬送することができた。心から感謝しているが、父の悲しみを思うと心が痛む。
カテゴリー 日誌
悲しみ
いつものペース
平成18年1月7日(土)
正月気分もすっかり抜けて通常の診療になった。今年は出足があまりよくないようだが、開業して9年目にもなるとあまり気にならない。結局一年を通してみれば同じだということが経験でわかっているからである。
今日は土曜日なのでさすがに忙しく、午後になってやっと普通のペースになった。あまり忙しいと一人ひとりに時間をかけられなくなるのでこれぐらいがちょう ど良いのである。以前勤務医の頃は1時間に14人のペースで妊婦健診をしていたが、まさに驚異的なスピードで今同じようにしろと言われてもできないし、する気もない。やはりきちんと話ができる今のペースが最高である。今年も無理せず自然体で過ごして行きたいものだ。
謹賀新年(平成18年)
平成18年1月4日(水)
謹賀新年。平成18年は今日から診療開始である。今年は例年になくのんびりした一日であった。緊急避妊ピルを求めて来院する人も休み明けには必ず何人かいて、これはいつもと同じ。終了は6時30分、夕方になると立て込むのも例年と同じである。
一年の計は元旦にあり、なので元旦には近くの神社に初詣に行き、賽銭を供え今年の目標を祈ろうと手を合わせた。今年の目標はなんだろうと考えてみたがこれ といって心に浮かんでくることがなく、仕方がないので昨年と同じ目標にしておいた。破魔矢を買おうと思い社務所に寄ってみると、後ろに並んでいる招運の熊手の方がご利益がありそうなので、中ぐらいのを買ってしまった。さらにおみくじ(小吉)をひいて甘酒を飲んで帰宅した。さて今年の運勢はどうだろうか。
今年もあと4日
平成17年12月27日(火)
早いもので今年もあと4日になった。当院の診療は明日(28日)までで、29日から3日まで正月休みである。
今年の当初に掲げた目標は、情報公開を一層進めることと患者さんのニーズに合わせたきめ細かな診療をすることであった。年頭の目標などすぐに忘れてしまう ものだが、診療日誌に書いているので見返してみてそうだったかと振り返ったところである。まあどちらもなんとか達成できたのではなかろうか。
世の中は建設業界の不正などさまざまなことが明るみに出たが、どの分野であれ自分で納得できることをまじめにやっていくことがすべてだろうと思う。それぞれが自分のおかれた立場で精一杯誠実にやる以外にいい方法はないし、各人がそうすれば日本という国は決して衰退することはないだろう。日本には品格を大切にする伝統と文化がある。さらに勤勉なDNAもあると思う。これらがある限りまだまだ大丈夫だと思うし、大丈夫だと思いたい。
ともあれ今年一年お付き合いありがとうございました。
忙しい一日
平成17年12月24日(土)
今日はクリスマスイブで三連休の中日(なかび)であるが、当院はいつもと同じ診療日。流産手術や処置もあり朝から忙しい一日だった。
このところ全国的に大雪で、気象庁は今年の冬は暖冬になるという予報を厳冬に変えたのはおかしかった。桂枝雀の落語に「雨乞い源兵衛」という話があるが、マクラに「天気は何億年も前から存在している一方、わずかの歴史しかない人間が不遜にも予測できるはずがない」という真に笑える話があったがなるほど天才はうまいことを言うものだと感心した。今年もあとわずかである。何事もなく過ぎて欲しいと思う毎日である。
ピルの普及には時間がかかる
平成17年12月21日(水)
正月休みが近づくとピルを早めに買っておこうと来院される人が多くなる。当院のピルの処方数は結構多いので、在庫のピルが少しでも減ればすぐに補充するよ うにしている。常に400シート(5種類)は置いているが1つの銘柄だけ減ることもあるので在庫の確認が必要である。当院の処方数から見ればピルはかなり 普及してきたように思うのだが、全国レベルでは我が国は依然として世界でも極端にピル使用の少ない国なのだ。折に触れピルの利点を説いているが、普及には まだまだ時間がかかりそうである。
里見真三著「すきやばし次郎旬を握る」
平成17年12月17日(土)
今日は雪混じりの寒い日で道行く人も寒そうである。
若い頃は肉が好きで魚よりも肉、特に牛肉に対しては憧れに似た想いがあった。ところが次第に肉よりも魚が美味しいと思うようになり、今では鮨が大好物になってしまった。
今、手元に一冊の本がある。里見真三著の「すきやばし次郎 旬を握る」という江戸前鮨、日本の鮨のバイブルのような本であるが、内容がすばらしく何度読ん でも飽きない。現代の名工に選ばれた稀代の鮨職人である小野二郎の話と仕事ぶりを、今は故人となった食の評論家の著者がたっぷりの写真を使って紹介してい る、全国の鮨屋がこっそり買って読んでいるといわれている名著である。これを読むと魚介類の選び方捌き方、一貫の鮨になるまでどれくらい手がかかるかがわ かって、あらためて日本の職人芸のすごさを感じるのである。美味しい鮨が高価なのは仕方がないとも思ってしまう。このような繊細な和食の文化は世界中でも 稀なのではなかろうか。これを書いていると鮨が食べたくなってしまった。
患者さんの取り違え
平成17年12月14日(水)
患者さんを呼んだ時に聞き違えして診察室に入ってこられることがある。めったにないし、話をすればすぐに間違いがわかるのだが、今日はヒヤッとした。同じ 症状で朝一番で来院された二人の患者さんのうちの一人が、自分の名前を呼ばれたと思って診察室に入られた。私も気付かずに症状を聴いて診察していて間違えていることがわかり事なきを得たのである。二人ともほぼ同じ症状、状態なのであった。いつも初めての場合は必ず「○○さんですね」と言って確認してから診 察するし、二度目以降でもたいていは「○○さん、今日はどうされましたか」と言うようにしているのだが、今回はあらかじめ症状を聞いていたので確認しなかったのだ。
あとでスタッフを集めて今回の経過を話して、患者さんの確認は自分も含め何度もするよう徹底した。診察だけであればまだ実害は少ないが、治療や薬を取り違えると大変なことになる。二重三重にチェックすることが大切だと痛感したのである。
生理不順は経過観察
平成17年12月9日(金)
先日来院された患者さんで、生理不順のため漢方薬を処方されて飲み始めたが、最近他県から転勤で広島に来たので同じ薬を処方してほしいという。診察したと ころ、生理不順の原因は生来の排卵が遅れやすい卵巣のためであり現在妊娠の希望がなければ特に毎月排卵させる必要はなく、そもそも対症療法しかできないことをお話すると薬を飲まずに経過を見ることになった。患者さんにとっては生理不順をそのままにしておいたら良くないのではと思って薬を飲むのだろうが、特別の場合を除いてそのままにしておいてもいいのである。意味のないことはしない方がよい。患者さんにとっては二重の負担になる。
やっと腰痛が治ったと思ったら朝からのどが痛く、風邪のようである。こんなことではダメだ、鍛え直さねば。
腰痛にはコルセット
平成17年12月6日(火)
前回の日誌で、あまり寒くないと書いたとたんに急に寒くなり北部では雪も降っている模様である。順当なところだ。
腰痛のほうはさすがに一週間もたつと次第によくなってきているが、ここで油断するとまたぶり返すかもしれないのでもうしばらくはコルセットを装着するつも りだ。10年以上前に注文してつくったコルセットだが腰痛の際は実に役に立つ。痛みのない時にはコルセットなど必要ないようになって欲しいという想いから、わざと捨ててしまおうかと思うこともあるが、いざ腰痛がおこって座るのもしんどくなるとありがたい存在で「捨てなくてよかった」と思う次第である。
人間なんて結構いい加減なもので他人の痛みは100年でも我慢できるというが、自分の痛みでも喉もと過ぎればなんとやらで、あれほど痛かった腰痛も治ればケロッと忘れてしまうのである。