カテゴリー 日々是好日

診察室の絵

平成24年6月22日(金)
診察室の壁に絵を掛けているが、このたび偶然日本画が手に入ったので掛け替えた。初めは開業した時に同門の先生からいただいた「踊り子」の模写、次は藤城清治のリトグラフ「3台のピアノ」でこれはずいぶん長い間掛けていたので風景の一部になっていて、絵の存在を忘れるぐらいになっていた。「3台のピアノ」は子供の頃よく目にしていた影絵が藤城清治のものとは知らず、ギャラリーで偶然見つけて懐かしくて買ったものであった。初めは気にいっていたが、絵が小さくインパクトが強くないので風景になってしまっていた。
このたびの絵は広島在住の平末初子氏の「桜」という日本画である。平末氏にはカミさんが日本画を習っていて、たまたまチャリティーで破格の値段で手に入れることができたのである。この絵に替えてから診察室の雰囲気が変わったように思われる。日本画の奥深さを感じている日々である。

美味いイカ

平成24年6月15日(金)
久しぶりに晴れ渡った休日、かねてより行ってみたかった店を訪れた。萩市と益田市のほぼ中間に位置する萩市須佐駅の近くにある「梅乃葉」は、獲れたてのイカを食べさせてくれる店で遠くから訪れる人も多い。広島からは高速で戸河内インターまで行き、191号線を益田経由で行くのが早いそうで、実際2時間半で到着した。戸河内インターからの191号線のドライブは信号も無く緑の中、気持ちのいい山道である。
ここのイカは須佐男命イカ(すさみこといか)というブランド名の活き剣先イカで、実に新鮮である。イカは獲れた所で食べるのが一番おいしく、透き通った歯ごたえのあるイカが次第に甘くなってくる。丸ごと1ハイを半分食べたところで残りはてんぷらにしてもらったが、これはまさに絶品だった。日頃食べているイカはなんだったんだろうと思わせるうまさである。獲れたてのウニや刺身もあり大いに満足できた。
萩市は歴史のある城下町で町並みも美しくそぞろ歩きするのがいい。ここには「割烹千代」という名店がある。以前この店を訪れた時は、カウンターで新鮮な魚介を堪能した。今度来る時は「千代」に行ってみよう。

邦楽演奏会

平成24年6月2日(土)
4月、5月は腰痛のためあまり活動できなかったが、尺八の演奏会だけは2回聞きに行くことができた。もっとも1回は会場のイスに座ったとたんに腰痛が再発し、ロビーで横になって休みながら合計30分ぐらいしか聞けなかったが。
先週行われた藤原道山のコンサートは前半はイスに座って聞いたが、イスの座面の角度が腰に合わないのか腰に不快感が起きてきたので、後半は会場の後ろに立って聞いた。人間国宝・山本邦山の弟子の藤原道山は現在、最も人気のある若手尺八演奏家で、広島でも年に1回は演奏に来る。さすがに音も、指使いもすばらしいものを持っていて、非の打ちどころのない演奏に聞きほれてしまった。今回の曲目の中に、今ちょうど練習している尺八独奏曲「甲乙(かんおつ)」があり、よりいっそう興味深く聞いた。この曲は彼の師匠の山本邦山が作曲し演奏したもので、昨年三原市で邦山自身の演奏を聞いた。高齢とはいえさすが人間国宝である。演奏はすばらしく、今でもその時の音色が耳に残っている。藤原道山の演奏は師とは異なったもので、これはこれで味があるものだった。
演奏会の後は「とくあん」でうまいおでんに舌鼓を打ち、ビール日本酒。

今週の昼食

平成24年5月26日(土)
腰痛もだいぶ改善し長時間イスに座っても大丈夫になった。そこで今までに行けなかった仕返し(?)に、今週の6日間の昼食は全部別の店に行くことにした。
とくみ鮨:ここは15年ぐらい通っているが、いつも大いに満足して帰れる店である。特に好きなのは、こはだ、たこ、あじ、あなごなどだが、季節もののかき、しんこをはじめ皆美味い。値段はそこそこなのでいつも行くわけではないが、今回は久しぶりだったのでいっそう美味しく感じた。
菊屋:ここ4年ぐらい週に1回は通っている、とんかつ・串揚げの店である。ここのロースカツ定食はロースカツ、キャベツの千切り、味噌汁、漬物、たれ、が混然一体となって「とんかつを食べた!」と思わせる味である。聞くところによると、知事や国会議員も来られるとか。
一楽章:ここも15年通っているカレーの店である。色々な店のカレーを食べてきたが、ここのカレーは自分好みでいつまでも飽きが来ない。豊潤でしっかり辛い。いつもチキンカレーを食べる。
小太郎:串焼きの店である。ここも10年以上通っている。店主が備長炭で焼いてくれる、オリジナルのシソ巻きと牛串のミックス定食を食べる。なんともいえずいい味である。夜は串焼きをつまみの居酒屋になる。
天甲:てんぷらの店である。ここも15年近く通っている。最近はてんぷらは重いのであまり行かなくなったが、以前は毎週通っていた。店主は昨年、堀川町に本店を作ってそこでてんぷらを揚げている。元の店は弟子たちがやっているがクリニックに近いのがいい。最後は?き揚げとご飯、赤だしで締める。
讃岐屋:いつも行く便利な店である。うどん、そば、丼物などなんでもある大衆食堂であるが、15年間通って飽きない。冬は鍋焼きうどん、えび天うどん、カレーうどん、夏はてんぷらそば、そうめん、カツ丼などをよく食べるが、味もなかなかで気軽に寄れるいい店である。
というわけで今週は6店すべて行ってしまった。また行こう。

連休明け

平成24年5月7日(月)
連休が終わり今日から通常の診療が始まった。今回は久しぶりの長期連休なので普段行けないところに行くつもりであったが、腰痛がまだ少しあり残念ながら近場をうろうろするのみであった。まだ車の運転はしんどいので助手席に乗るか、ゆっくり歩くぐらいがせいぜいであった(涙)。
今年度の診療報酬改正では、薬剤料を抑えようとしている政府の意図がひしひしと伝わってくる。確かにわが国の医療費に占める薬剤料は関連費用を含め10兆円といわれて諸外国と比べても多い。見たところ最も多く使われているのは加齢による変化に対する薬である。本来、加齢による変化を改善し寿命を延ばす薬など存在しない。にもかかわらず患者さんも要求し、医師も処方する図式が存続しているため増える一方である。医療に対する考え方を変えない限り改善できないのは明白である。
このところ、以前にも紹介した「大往生したけりゃ医療に近づくな」や近藤誠医師の「がん放置療法のすすめ」など、むだな治療をしない方が良いという意見があちこちで上がるようになってきた。慶賀の至りである。これからの医療は、このようなまっとうな(?)考え方に向かうことが皆の幸せにつながると思われる。

この2週間

平成24年4月15日(日)
今日は日曜日だけれど当番医なので午前9時から午後6時まで開院しなければならない。本当は腰痛があるのでゆっくり休みたいのだが、順番なのでそうもいかないのがつらいところだ。実際この2週間はきつかった。初めは寝返りもつらかったがなんとか座ることができるようになり、かろうじて仕事はしていたが暇さえあれば横になって腰を休めていた。昼の食事も遠くには行けないので近所の讃岐屋だけ、飲み会も中止、仕事以外の活動はすべて止めてひたすら横になっていた。整形外科の友人に訊いても治療は安静しかないようなので仕方ない。
暖かい日が続く。桜も満開になりもう散り始めている。先週の日曜日は比治山の桜を見に行った。比治山は動く歩道と長いエスカレーターがあるので、腰に負担をかけないようにそろそろ歩いてなんとか行くことができたのである。コンビニ弁当とビール、ワンカップ、これはこれで楽しい。

腰痛再々発来

平成24年4月5日(木)
一昨日の春の嵐から一転、おだやかな陽光が心地よい。桜も開花を始め平和公園は10日が満開とか。まことに季節はめぐり来るものである。
治まりかけていた腰痛がふとした油断から再再発してしまった。土曜日の夜、寝る前に尺八の演奏を聴きながら、ウイスキーの水割りを飲みつつパソコンのゲームをするという、至福の時を過ごしていてそのまま一瞬眠ってしまったらしい。椅子から落ちそうになりながら眠っていたためにかなり腰に負担がかかったようで、すぐに普通に横になったが翌日は寝がえりをうつのも難く、幸い日曜日だったので一日中寝ていた。月曜日からは辛うじて診察を行っていたが、今日ぐらいになってやっと痛みが治まり始めたようだ。今回は治るのに時間がかかりそうだが、一年で最も良い季節である。少々痛くても花見で一杯飲みたいものである。

腰痛再発

平成24年3月16日(木)
久しぶりに腰痛が再発した。30代にギックリ腰をして以来、時々腰痛が起きていたが決定的になったのは、ゴルフの練習に熱中した40代であった。コンペのラウンド中に動けなくなりほぼ1週間寝て過ごした。当時は勤務医で、外来、回診、分娩処置はなんとかこなすことができたが、手術は姿勢の関係で苦しいので半年免除してもらった。もう2度とゴルフはできないと思っていたが、のど元過ぎればというやつで、開業直後に少しやってみようかと思ってやってみたが、練習をすると腰に違和感が起こり大事をとって止めていた。不思議なことにテニスは普通にやってもなんともないのである。ゴルフは歩くのがメインで運動量も多くなく、ゲームとして優れているし知り合いも増える。十数年封印していたが腰に負担をかけないようにぼちぼち始めてみようと思ったのである。
何度か練習してラウンドしてみたがスコアはともかく腰痛は起きない。気をよくして練習を増やしてみたが問題ないので油断してしまったのである。かつて、腰痛が起きた時の打ち方をしてしまっていたうえに、それをしつこく繰り返してしまっていた。翌日から腰痛が起こり、誘っていただいていたコンペもキャンセルしてしまった。情けない話だが当分というかもしかしたら一生、ゴルフは無理かもしれない。今後はのんびりテニスと散歩、サイクリングぐらいしかできないのだろうか。

春を待つ

平成24年3月1日(木)
雨の日以外は毎日自転車通勤しているが、出がけに玄関わきの鉢植え(クリスマスローズだそうである)につぼみができているのを見た。今日から3月、次第に暖かさが増している。今朝の新聞の投書欄に、山陰から雪の峠を越えて広島市の美術館巡りに来た人が「広島市の暖かさに驚いた」と書かれていたが、まだ春が遠い地方も多いのだろう。
北海道、小樽市の近郊の村で育った詩人、伊藤整の詩集「雪明りの路」の扉に、「雪明りをよく知り、永久に其処を辿るあの人々に、私はこれらの詩篇を捧げる」とあるが、過酷な冬と生命に満ち溢れた春の対比が味わい深い。その中に「雪解」「春を待つ」「春」「春日」など、春の来るのを待ち望み春を喜ぶ詩があるが「春を待つ」という詩が好きだ。
「春を待つ」
ふんわりと雪の積つた山かげから 冬空がきれいに晴れ渡ってゐる。
うつすら寒く 日が暖かい。
日南ぼっこするまつ毛の先に ぽっと春の日の夢が咲く。
しみじみと日の暖かさは身にしむけれど
ま白い雪の山越えて 春の来るのはまだ遠い。

ライオンの交尾

平成24年2月2日(木)
ジャーナリストで作家の日垣隆氏のメルマガを愛読しているが、最近の号のケニアからの便りが面白かった。国内移動がエアラインの関係で難しくなったために、予定を変更してナイロビからマサイ・マラ国立公園のサファリに行ったところ、幸運にもライオンの交尾を見ることができたそうである。
百獣の王であるから(?)草原で堂々と行うそうであるが、交尾の時間は以外に短く10~15秒ぐらいで、ことが終わればオスはごろんと横になって休むという。ところが15分経つと再び起きあがり交尾して横になる。また15分経つと起き上がり交尾し、これを延々と3日間続けるそうである。すごすぎるとしか言いようがないが、種を残すために生き物はそれぐらい頑張るのだろう。
ある種のトリのオスはメスの気を引くために羽根できれいな円をつくり、メスがそれを認めれば交尾できるので必死で円をつくる映像を見たことがある。カマキリは肉食なので動くものを見れば食べてしまう。オスのカマキリが交尾中にメスに食べられてしまうことはよく知られているが、まことに種の保存は命がけである。