平成26年11月13日(木)
田舎の父親が加齢のため入院し、飼っていた犬の面倒をみることができなくなった。推定13(14?)才の老犬「福太郎」である。顔が可愛くないうえに躾ができてないので(お手・お座り・待てができないというか教えていない)飼ってやろうという奇特な人がいるわけもない。今は保健所も簡単には引き取ってくれない。以前うちで飼っていた愛犬「まろ」を看取ってくれた動物病院の先生に相談したら、「噛み犬ならどうしようもないが、とりあえず散歩させてみてください。」とのことで散歩させてみると、意外にもちゃんと散歩できた。こんなぶさいくな犬でも13年にわたって父親を癒してくれていたのかと思うと、うちで飼うしかないかと腹をくくった。
日曜日、生まれて一度も体を洗ってもらったことのない「福太郎」を洗ってやり(思い切りイヤがった)、ビニールシート・バスタオル・ダンボール箱などを敷き詰めた車に乗せ、ブルブル震える体を抱いて撫でてやりながら2時間かけて我が家に連れて帰った。「まろ」の定位置だった玄関につないで朝晩散歩することにした。環境の激変にどうなることかと思ったが、周囲に吠えることもなく結構まったりしている。「まろ」の時に使っていた犬小屋は処分していたので、新しく買ってきたが中に入らず外で寝ているようである。「ぶさいく犬」ではなく「福太郎」の「福」がやってきたと思うことにした。
カテゴリー 日々是好日
ぶさいく犬がやってきた
「マッサン」と「軍師官兵衛」
平成26年11月7日(金)
NHKのドラマは久しく見ていなかったが、表題のドラマは実に面白く一度見たら引き込まれてしまった。特に「軍師官兵衛」は官兵衛役の岡田准一の雰囲気が話にピッタリはまっていて、老いて次第に常軌を逸するようになる秀吉役の竹中直人の名演技とあいまって次はどうなるかと一週間が待ち遠しい。はまり役はあるもので、秀吉役には緒方拳と竹中直人が、伊達正宗には渡辺謙がピッタリ合っているように思う。大河ドラマは戦国時代を中心にさまざまの角度から手を変え品を変え放送されてきたが、今回のドラマはうまくできていて録画して見逃さないようにしている。
「マッサン」は竹原出身の竹鶴政孝がスコットランドにウイスキーの勉強に行き、当地の女性リタと結婚し一緒に帰国、紆余曲折を経て北海道余市で独自のウイスキーを完成させるという実話をもとにした朝の連ドラで、始まったばかりであるが人気が出ていてウイスキーの売り上げが増えているそうだ。竹原にある竹鶴酒造には多くの観光客が訪れているという。かくいう私も見学に行き、近くの「遊山」というミシュラン掲載のそば屋でうまいそばを食べてきた。
一進一退
平成26年10月17日(金)
尺八を始めて10年にもなるとさすがに才能がないことがわかるが、なにしろ吹いていて気持ちいいので続けている。先月、南区民文化センターでのささやかな演奏会で2曲、独奏した。琴なしの独奏は初めてで、録画したものをいただいたので自分の演奏を客観的に見る(聞く)ことができた。自分では出来が良くなかったので見るに堪えないと思っていたが、思ったほどひどくなかったので少しほっとした次第である。その後、他の曲を吹いてみてもなんだか音がよくなったように感じて気を良くしていた。
ところが最近、自分で吹いて録音した音を聞いてみたらやはりダメで、自己評価というものは客観的評価よりも常に高く、ときおり思い出したように正しい評価をするものだと思った次第である。スポーツは勝ち負けがはっきりしているし、試験は点数で評価されるので客観性が高いが、音楽は評価が難しい。だからといって常に正しい自己評価をしていたら吹く気がなくなるだろう。これはすべての芸事だけでなく、ヒトのあらゆる行動について言えるのではないだろうか。
天高く馬肥ゆる秋
平成26年10月3日(金)
あいかわらず自転車でクリニックに通っているが、3キロメートルは程よい距離で季節の変化が直接肌に感じられるのが快い。今朝は雲一つない秋晴れの空で気持ちのいい一日になりそうな予感がする。10年前の10月の診療日誌をひも解いてみると、今日とまったく同じような気持ちのいい日であることに触れ、こんな日は尺八を持って山中に分け入り瞑想にふけるのがいいなどと能天気なことを書いているが、確かにそんなことを思わせるような青空である。
わが国はきれいな水と緑に恵まれ、四季の移ろいがさまざまな文化を生んだ世界でも稀な楽園である。鎖国をやめて近代国家に変身した頃に日本を訪れた西洋の要人の中には、日本を「東洋の真珠」に例えてこのような素晴らしい国が存在するのは奇跡であり大切にしなければならない、と本国に伝えた人が何人もいたという。
今年はマツタケも豊作のようだ。豊穣の秋を満喫したいものである。
来月で17周年
平成26年8月18日(月)
盆休みの間はずっと天気が悪かったが、今日は久しぶりに晴れて真夏日のようだ。休みの間になまっていた体調も昼までには復調して、平常通りに戻り診療開始である。
平成9年9月に始めた当院も来月で17周年を迎える。17年というと長いように思えるかもしれないが、自分の感じではつい先日のようである。開業してからは、それまでの17年間と比べるとはるかに時間が経つのが早かった。きっと毎日いろいろなことが起こり、それらを調整したりしているうちにあっという間に時が経ったのだろう。この調子でいくと、残りの人生は瞬きする間に終わってしまうのだろうと思った次第である。
それも善き哉。
生物の不思議
平成26年8月1日(金)
人間の体にはまだまだ分からないことがいっぱいある、というよりわからないことの方が多い。医学は生物学を基本にしているが、生物学自体がわからないことだらけなので、病んだ状態を改善するためにどうしたらよいかと試行錯誤しているというのが実態である。原因がわかり対処法もわかり実際に治る病気というのはほんの一部で、多くは経験に基づく対症療法である。
人体は60兆個の細胞からできているというが、その細胞の核には遺伝子がつまっていて、次の世代につながるようになっている。さらに細胞の中にはミトコンドリアがあり、これが酸素を取り込み糖を分解してエネルギーを生んでいるので、ミトコンドリアがなければ細胞、ひいてはヒトは死んでしまう。このミトコンドリアを調べてみると、核の遺伝子とは別の自前の遺伝子を持っていることがわかってきた。この遺伝子は細菌由来のものであるという。つまり我々の体の細胞内には細菌の遺伝子が入り込んで住み着いているがゆえに生き延びてこられたのである。
実際に診療していて驚くことはしばしばというほどではないが見られ、そのたびに生物の不思議さを感じる。ヒト、生物の仕組みはどこまでも不可思議で興味がつきない。
最近の昼食(2)
平成26年7月11日(金)
以前にも書いたが開業して十数年、昼食に行く店は大筋では変わらないが、閉店や味・好みの変化などで微妙に変わってきている。ずっと通い続けている店もあるが、いつの間にかレギュラー店から入れ替わった店もある。
初めから変わらず通っているのは「小太郎(串焼き)」「讃岐屋(うどん、他)」「一楽章(カレー)」「とくみ鮨(鮨)」「中屋(あなご丼)」「天甲(てんぷら)」で、初めの3店はほぼ毎週!飽きずに通っている。あとの3店は1~2か月に1回ぐらい。今のレギュラー店は先の3店に加えて、「菊屋(とんかつ)」「こけもも(ビーフカツ)」であるが、じつにうまい。ただ、さすがに年を取ると食べられなくなるというか、以前ほどお腹がすいたという感覚がなくなってきているのはさびしいことである。
休日であれば「はっぴ(そば)」「ペロー(パスタ)」「そばきり吟(そば)」などに行くが、飽きない味でしばらくするとまた行きたくなる店である。おいしく食べられるうちが花なので、いつまで行けるかわからないができるだけ続けたいものである。
故宮博物院特別展
平成26年6月26日(木)
6月24日から東京国立博物館で台北国立故宮博物院所蔵の作品186点の公開が始まった。故宮博物院は一度は行ってみたいと思っていたが、なかなか機会がなくて気になっていた。10月7日からは福岡の九州国立博物館で行われるので、今回はそちらに行ってみようと思っている。
中国の歴史文化の粋ともいうべき作品のほんの一部でも、わが国で鑑賞できるのはありがたいことである。台北国立故宮博物院には、中国文化8千年の収蔵品があり、古代の青銅器から玉器、書画、陶磁、工芸品など65万点に及ぶという。北宋山水画、唐三彩、書、見たいものは山ほどある。今回の目玉というべき「翠玉白菜」は、写真でしか見たことがないが清・光緒帝の妃・瑾妃の嫁入り道具とされていて、白と緑の翡翠を材料に、キリギリスやイナゴを彫り込んでいる玉器である。残念ながらこの品は東京のみの展示で、九州では「肉形石」という玉髄と呼ばれる石の上面に毛穴のような点を刻して着色、トーロンポウそっくりの玉器が展示されるそうで今から楽しみである。
平均寿命世界一
平成26年5月16日(金)
WHOによれば2014年の世界の平均寿命1位は昨年に続いてまたもわが国で、なんと84歳だという。これは男女合わせた平均の寿命で、男性だけの平均は80歳、世界で8位。ちなみに男性の1位はアイスランドで81,2歳。日本の女性の平均寿命は87歳、昨年に続いて堂々世界一である。わが国が世界一になっているのは長生きしている女性のおかげである。
世界の平均寿命は70歳だから平均14年も長寿ということになる。なぜ長寿なのかはわからないが、周辺諸国や紛争地域などのニュースを聞くにつけ、あらゆる面でわが国は快適に生きていける稀有な国なのだと思う。環境、品性、歴史、食べもののおいしさと工夫、どれをとっても世界のトップクラスであり、それゆえ長寿世界一を続けていけるのである。ありがたいことである。
連休終了
平成26年5月8日(木)
連休も終わり昨日から診療再開、いつもの生活に戻った。連休中は法事で一日笠岡に帰った他は孫たちとゆっくり過ごすことができた。瀬野川公園でテニスをしたり、森のレストラン「ファームノラ」へ行ったり。ここは最近、一層人気が増しているようで、開店11時前に行ったのに先客がいて、その後続々客が来て、去年よりテーブルが増えているのに12時前にはほぼ満席になった。ここのボルシチはじつにうまい。鶏の燻製、パスタ、石窯ピザなどを森の中の手造りのテーブルで食べるのは気持ちがいい。立木を利用したブランコ、ドッグランの広場などがあり犬を連れてくる人も多い。夜は近所の焼き鳥屋「かんかんかん」で宴会。気がついたら体重が2キロ増えていた。これをどうやって戻すかが今後の課題である。